
「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論847」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第41号(2009.3.25発行)「脇役のチカラ(商業アドバイザー・小柳剛照)」2~※名称等は当時、一部文章省略
寿司店へのアドバイス
そういう回転寿司激戦区の中で、業績が激減している寿司店から依頼があり、店舗アドバイスに伺いました。
そこで店主にアドバイスしたのは、「脇役」サービスを工夫することです。
回転寿司も、仕入れには非常に努力しているので、ネタはいいものを使います。
つまり、寿司店の主役ともいえる魚介類では、回転寿司との違いは出しにくいもの、そこで、寿司と一緒に出てくる脇役の工夫を5つ、その店に提案したものです。
(1)ガリ(しょうが)は市販ものを使わないで、手作りすること。新しょうがを酢漬けしておき、お客さまに出すときは、厚めに切って、食感を楽しめるようにする。
(2)醤油は、寿司に合う極上のものを提供すること。お茶も安いものでごまかさない。
(3)寿司店で感じる不満は、野菜が摂れないこと。そこで、にぎりに、「野菜寿司」を一貫加えること。野菜好きの女性のためなら、野菜寿司セットでも構わない。
(4)環境保護の観点から、割り箸を使うことに抵抗を感じるお客さまもいる。そこで、使い捨てではない、寿司をつまみやすい箸も用意しておくこと。
(5)お吸い物や味噌汁は、本格的なものに仕立てる。そして「お代わり自由」とする。
というアドバイスです。
どうです、そういう寿司店があれば、行ってみたいという気持ちになりませんか?
プロの障壁
しかし、その寿司店は、いまだに私の提案したことを、どれも実践していません。
といっても、提案を実施する腕がないのではありません。
これまでプロの「職人」として教わってきたこと、実践してきたこととは違うことなので、そこに踏み切ることがなかなか出来ないものです。
職人の世界のように、プロ意識のある人には、自分なりの常識が、頭と体に染みついています。
だから、その常識に外れる提案をされても、従来のセオリーと違うことへの挑戦は、心の中に葛藤が生まれて、難しいことなのでしょう。
でも、それをやらなければ業績が伸ばせないとしたら、その障壁は勇気を出して乗り越える必要があります。
大切なのはプライド以上に、お客さまへの満足感提供であるはず。
もちろんそれは、寿司店に限らず、フィットネス業界でも言えることであろう。
~ここまで~
記事内のアドバイスを実践した寿司店があれば、素直に行ってみたいと門外漢のアバター近藤は思いますが、特に「職人気質」の業界は自己変革が難しいということでしょう。
フィットネス業界のトレーナーも若干、類する傾向の人はそれなりにおり、その職人的バイアスによって、フィットネスの敷居が高くなってしまっている点は否めません。
偶然、フィットネスのサービスはもっともっと簡単にしていかなければならないと感じる出来事があり、なお一層、未利用ユーザーの視点を見つめていきたいと思いました。
お読みいただきありがとうございました。