
9月9日(土):産業の高度化と「コト」市場での付加価値の創出④
最近は日経産業新聞のコラム「労働市場の未来予測」から労働供給制約社会の到来に触れつつ、機械化や無人化によって産業が高度化するなかでは、そこに属する人に求められる要件も高度化している旨に触れました。
この点は私たちフィットネス業界も不可避であって、無人化が進む中で「人」としてのフィットネストレーナーに求められることは労働生産性の向上、付加価値の創出です。
そのなかで私たちのような「コト」を提供するサービス業での付加価値の生み方として、「サービスの特性を創意工夫によって裏返す」観点、マーケティングの7Pにおける「People(担当者)」、「Process(提供手順)」、「Physical Evidence(知覚可能な物的環境・品質)」、そこから派生して「プロセスエコノミー」などの話をしています。
昨日も記しましたが、書籍「プロセスエコノミー」ではサービスの表現にしても「What(アウトプットの内容)」だけでは差別化は難しいので、それに加えて「What」を生み出すための「How(技)」も見せつつ、「Why(なぜやるのか、哲学、こだわり)」を表現して伝えることの重要性を説いています。
そこでも触れたようにフィットネスのトレーナーは夢中になる3要素としての「得意」「やりたい」「誰かの役に立つ」をセットで持ち合わせている人が多いので、思いの丈をそこの乗せていくことでアウトプットには困らないだろうと感じます。
そのうえで同書では人が「Why(意義)」をもって何かに向かうときにあふれ出すポイント、換言すれば「Why」を解像度高く分解した要素として次の3点が挙げられています。
①マイクロ・インタレスト
自分ならではのこだわりを突き詰め、深掘りをしている姿が垣間見えると、人は興味を持ちやすくなる。
②コミットメント
自分の興味あるものへ熱意をもって取り組み、責任をもってやりきる姿勢からは信頼を生みやすくなる。
③弱さの自己開示
ちょっとした失敗のエピソードなどを通じて人間らしさが伝わり、親近感を抱いたり、応援したくなる。
実際にECサイトなどで売れているお店、熱烈なファンがいるお店と照らし合わせてみても、同様な点が当てはまると思います。
このあたりの観点を踏まえてトレーナーがプロセスをアウトプットしていくと、興味をもってくれる人が現れたり、共感の度合いを強めてもらうこともできるはずです。