
5月21日(日):「健康日本21(第三次)」推進のための目標値(案)
先月には厚生労働省が2024年度から開始する先月には厚生労働省が2024年度から開始する「健康日本21(第三次)」推進のための目標値(案)を作成しています。
簡単に補足をしておくと「健康日本21」とは、健康寿命を延ばすことを目的とし、生活習慣病の予防や食事、運動などの目標を設定しているものです。
国の基本方針を踏まえ、各都道府県が計画を策定し、実現に向けた対策を進めていきます。
第三次となる次期計画(2024年~2035年までの12年間)は約50項目の目標を掲げる方針で、次期計画は専門家部会の了承を経て、2023年6月に決定される見通しです。
このなかで私たち民間のフィットネスクラブに関係してくる指標のひとつは「身体活動・運動」の領域に属するところの「運動習慣者の増加」の項目でしょう。
運動習慣を有する人の目標値設定として、健康日本 21(第二次)では以下のように設定されていました。
●男性
20歳~64歳:36%
65歳以上:58%
●女性
20歳~64歳:33%
65歳以上:48%
これに対して2019年時点での実績値は以下と推定されています。
●男性
20歳~64歳:23.6%(2010年時:26.3%)
65歳以上:41.9%(2010年時:47.6%)
●女性
20歳~64歳:17.0% (2010年時:22.9%)
65歳以上:33.9%(2010年時:37.6%)
男女、年代別のどのカテゴリーを見ても、目標値とは10ポイント以上の開きがあって実現は遠い状況です。
さらにいうと、健康日本21の第二次がスタートした2010年時点の数字をカッコ内に記しましたが、それと比較をしても全カテゴリーで軒並み低下をしています。
なお先に記した実績はコロナ前の2019年時点のものなので、その後にパンデミックによって行動制限や自粛によって運動などを控えた人が多くいた点を踏まえると、現時点の実態はもっと低下をしているものと思います。
そうしたなか、第三次となる次期計画での運動習慣への目標設定案は次の通りになっています。
●男性
20歳~64歳:30%
65歳以上:50%
●女性
20歳~64歳:30%
65歳以上:50 %
第二次に比べると目標は引き下げられた形ですが、現状とのギャップはいずれも小さくありませんから、この目標の達成も容易なものではありません。
なお、2019年までの状況をベースにして2036年の予測値として算出されているのは以下の数値です。
●男性
20歳~64歳:18.8%
65歳以上:34.1%
●女性
20歳~64歳:4.3%
65歳以上:33.3%
かなり低い数値として予測がなされていますが、何の対策もしなければこれぐらいの下げ幅になってしまう懸念がある、ということでしょう。
日常生活の自動化、オンライン化といった動作や移動を不要にする流れが加速する現状の流れからいえば、それもあながち的外れではないかもしれません。
放っておけばこのようになってしまう現状があるだけに、運動のある生活習慣を形成してもらえるよう、私たちフィットネスクラブやトレーナーからの働きかけがこれまで以上に大事になってくるだろうと思います。