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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論508」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第14号(2004.9.25発行)「進化するフロントオペレーション」1~※名称等は当時、一部文章省略

約3年前から本格化したフリーチョイス式ロッカーの導入やIT環境の整備を契機に、フロントの役割とオペレーションが変容してきている。
チェックイン・アウトをはじめ、人の手を介すことによって非効率やミスが生まれる可能性の高い業務を自動化する一方で、人が携わることで生産性を最大化させられる業務により集中できるようにオペレーションが再構築されつつある。
本稿ではこの進化するフロントオペレーションの現状をまとめることにする。

1.フロントオペレーションの進化の歴史

黎明期のフロントオペレーション

フィットネスクラブ黎明期のフロントは、ホテルやゴルフ場のクラブハウスなどのように、ハイカウンターでのチェックイン・アウトがメンバー向けの主なサービスとなっていた。
カウンターの手前や背後にはロッカーキーが番号順に収納されており、フロントスタッフは入館されるメンバー同士が近くのロッカーを使うことにならないよう、予めロッカールームの構造やロッカーの配置と番号を覚えてキーを渡すことが基本的な業務としてあった。
そしてメンバーの満足度を高めるためにと、特にベテランメンバーがそれぞれ好んで使う「いつもの番号」を覚え、エントランスを入ってきた瞬間にその方を名前で呼び、その番号のキーを渡すといったことが優れたサービスとされた。

また以前は多くのクラブで利用料が設定されていたことや、レンタル品の貸し出し、プロショップ商品の販売など現金が発生する業務があり、加えてメンバーからのクラブに対する問い合わせや要望への対応、メンバーからのメッセージの受け継ぎの対応、さらに見学者の館内案内から入退会の手続きに至るまで、実に様々な業務がフロントデスクに集約されていた。
その他にもフロントスタッフは事務所での電話問い合わせや各種予約の受付、会費未納先への連絡~回収業務も課せられていた。

従って、当時のフロントスタッフには雑多な業務をすばやく的確に遂行することが求められていた上に、多くの業務が正確に出来て当たり前であり、逆にミスをしたり、配慮が欠けたり、メンバーを待たせたりすれば、直接的にメンバーに不満足感を与えてしまうことから、クラブはフロントに出来る限り業務に精通した社員スタッフを配置するとともに、人数も多めに確保してメンバーに不満足感を与えないようにしていた。

~ここまで~

黎明期のフロント業務に多少携わっていたことのあるアバター近藤からすると、常連様のロッカーキー指定はあるあるの慣習でした。

新たに配属されたフロントスタッフは、先輩社員から「あの人は、この番号で…」などのレクチャーをまずは受け、対応が求められたものでした。

これはその方にとっては、心地よいものですが、たまたま近い番号同士を気に入っていた場合、同じ時間に隣同士になり、逆に怒られるなんて不運もありますから、なかなかにやっかいな対応でもありました。

公平なサービスと個別のサービスとの合間で、常に揺れ動く不安定な性質の業務であったと言えます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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