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1月17日(月):現場力の向上「大型クラブ編②」

「現場力の向上『大型クラブ編』」の続きです。

既にハード面に魅力あるものを備えているクラブが多く、とりわけスタジオやスパ等では既に辞めない顧客層が形成されているので、ジムの空間で提供できる価値を最大化することで辞めない母集団を増やしていくのが得策だと思っています。

そうしたなか、昨日はクラブで生じる様々な結果、出来事としての「事象」は「パターン」によって引き起こされ、その「パターン」は「構造」によって生まれているため、構造に目を向ける必要性に触れました。

大型クラブではオペレーションを変えたり、現場でのサービスを変えようと思っても、構造的な面からの制約が深く関係してきますからね。

ここで言うところの構造について、具体的にはサッカーの戦略的ピリオダイゼーションを例に構造的な要素をフィットネスクラブに置き換えて以下のように表現をしてみました。

・プレーヤーの資質、能力 ⇒ スタッフの能力
・クラブの構造や目的、目標 ⇒ 目指すべきクラブ像、ビジネスモデル、収益モデル
・クラブや国、地域のサッカー文化 ⇒ クラブや企業の文化
・フォーメーションや配置的な構造 ⇒ クラブの構造、人員配置、役割分担
・組織体制 ⇒ 社員比率、現場主権の有無

こうした構造からの再考を要するのは大きなクラブほどシステマチックに動いているし、分業が進んでいるから、こうした下部構造の影響を受けやすい面があるからです。

またクラブの規模が大きく、そこに多くの人員が関与する現場であるほど、1人の人間が発揮できる影響力は小さくなります。

仮に現場志向を持った意欲あるリーダーが着任しても、先のような構造に何ら手を入れることなしに現場力を引き上げていくのは容易ならざることです。

また人数的な面での影響力の発揮しづらさに加えて、これまでのやり方や流れといったものを続けようとする慣性、モメンタムが強く働きがちです。

このあたりは小型クラブと大型クラブにおける組織構造、運営構造からくるところの大きな違いでしょう。

それだけに本気で現場力を引き上げようと思えば、構造の再定義が必須だと思います。

私もコンサルティングをしている仕事柄、様々なクラブの状況を見聞きします。

そうしたなか、在籍や利益など定量的な結果、数字を一時的に変えていくことは、そう難しいものではありません。

原理原則やオペレーションを明確にする、営業施策を変える、月や週のマネジメントを機能させる、こういった点を変えていけば、定量的な結果は着実に好転していきます。

でも、現場力を引き上げて会員様への提供価値を漸増させていけるクラブにしようとすると、これはどうしたって先に触れた構造部分に切り込んでいかざるをえませんね。

それだけに、まずは構造をなす各要素を整合性あるものにしていき、そこからオペレーションやサービス、そして商品づくりや人材育成の具体論に入っていく流れが大切だと思っています。


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