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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論436」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第9号(2003.11.25発行)「定着志向のクラブづくり」5~※名称等は当時、一部文章省略

2.会員はなぜ辞めるのか

(1)退会者を明らかにする

まず、1つの調査結果をお教えします。

これはちょっと恐いことなのですが、新規入会者の42%は、入会後30日以内に利用が途絶えてしまうという結果が出ています。

これは多くの会員は入会時はワクワクしているのですが、1~2度クラブを使って1ヶ月が過ぎるころには冷めてしまって定期的に利用することがなくなっているということを表しています。

これに対してどうすれば良いかを考えるためには、会員のことをよく見ないといけません。

(2)会員を明らかにする

私は会員層を2種類に分けて見ています。

1種類は「サビー」です。

この会員層は「何でも心得ている」方々です。

例えば「エクササイズは私にとってライフスタイルの一部。やっていて楽しいし、気分を良くしてくれるものだから」とか「私はジムにいても居心地がいいし、特に不安は感じない」と言ったりされる方々です。

サビーはクラブにも定期的に通っていて、それが自分のライフスタイルだと感じている方々です。

この方々はどんなことをクラブに求めているかというと次の通りです。

①雰囲気、②会費に対するパフォーマンス、③マシンのバリエーション、④便利な利用日時、⑤便利な立地

このようにサビーはハッキリと自分の欲しいものが何か、何をしたいかを知っています。

また、今クラブに在籍しているサビーは、入会当初のサポートがあまりないクラブ環境でも生き残れてきた方々なので、自分のクラブにそれほど感謝やロイヤルティーを感じていません。

それだけにサビーはナイトクラブ好きの人のように新しいクラブができると、刺激を求めてすぐに移ってしまったりもします。

営業時間が長いクラブや休日が少ないクラブ、活気のあるクラブ、好きなプログラムやマシンがあるクラブなど、自分のライフスタイルや志向に合うクラブをいつも求めているので、そういうクラブが見つかれば、さっさと移っていってしまうのです。

ですが、こういう方々を食い止める方法が1つだけあります。

これについては、後でお話しします。

~ここまで~

日本では、ここ数十年間、人口に対するクラブ在籍者の割合が3~4%をいったり来たりしている状況です。

ただ、その間も記事のように半分くらいが出ては入りを繰り返していますので、「サビー」と呼べる方々は国民の中のごくごく少数の人々と言えます。

そう考えますと、一般的には珍しい種類の方々と見ることも出来ますので、そのライフスタイル、価値観を中心にクラブ設計することは、実は狭い顧客層を相手にしていることに他ならないと業界人は認識すべきだと思います。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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