見出し画像

「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論783」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第34号(2008.1.25発行)「サービスの真髄(商業アドバイザー・小柳剛照)」1~※名称等は当時、一部文章省略

昨年は著名な食品関連会社の「謝罪会見」をたくさん目にしました。
原材料を偽った会社、消費期限を書き換えた会社、それらの企業のトップが、テレビカメラの前で深々と頭を下げ、お詫びの言葉を述べた光景は、皆さんの記憶にもしっかり残っていることと思います。
信頼を築くには長い年月が掛かりますが、信頼を失うには時間は掛かりません。
そして、いったん失った信頼を回復するには、さらに長い年月が掛かりそうです。
関係者にとっては、これから長いイバラの道が続くことでしょう。
では何故、悪いことと知っていながら、それらの企業は消費者を裏切る行為をしたのでしょうか。
おそらくは業績の伸び悩みから、経費削減意識が芽生えて、「このくらいのことは許されるだろう」と、最初はほんのちょっと、ルールを逸脱したのがきっかけだったのでしょう。
でも、一度足を踏み外せば、後は平気になります。
そういうことをズルズル続けた結果が、取り替えしのつかない信頼失墜に結びついたものです。
だから消費者の信頼は、絶対裏切っていけないものです。
強い老舗というのは、正しい道を絶対踏み外さないことで、伝統という信頼を築いてきたものなのでしょう。

老舗菓子店の理念
薄皮饅頭で有名な「柏屋」(本社:福島県郡山市)は、創業嘉永5年(1852)。
奥州街道に茶屋を開き、そこで旅人に饅頭を売ったところから始まりました。
すでにそのころから人気はありましたが、全国的に飛躍的に有名になるきっかけは鉄道でした。
東北線が郡山市に開通したときから、柏屋は列車内での販売に力を入れたことで、薄皮饅頭の知名度はぐんぐん上がっていきました。
そんな柏屋に伝えられる格言は、「代々初代」。
つまり、経営者が親から子へ、一代一代と代替わりをしていっても、それぞれが初代、それぞれが創業者と考えるということです。
それぞれが創業者ということは、伝統を守ること以上に、その時代に合わせた革新を実践していくのが大切、ということです。
時代が変われば、お客さまの生活も食習慣も変わります。
薄皮饅頭という不動の人気商品があっても、新製品の開発も怠らないということ。
伝統とは守ることではなく、革新であるというところが、企業を永続させるための大切な心得のようです。

~ここまで~

事件発覚から次々と信頼を裏切るような行為が浮かび上がってくる某中古車販売会社では、悪しき伝統が息子の代でさらに強化されてきた印象があります。

その一方で、日清のように2代目は初代を、3代目は2代目の成功体験を健全に否定し、さらに成長を続ける会社があります。

その理由は、様々あると思いますが、記事の指摘の通り、伝統は革新を続けた延長線上にあるとアバター近藤も考えます。
というのも、長期的に成長している老舗企業のトップは、保守か革新かで言えば、明らかに革新に振れている方々が多いと個人的にも感じるからです。

人間も生物(動物)と見なせば、環境適応は生存の必須条件であり、人間だけが同じことをして生き残れるほど甘くはないと考えた方が良いのでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
フィットネスビズ

宜しければサポートお願い致します!