「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論180」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~クラブマネジメント通巻第28号(2000.5.25発行)「予算のマネジメント」17~※名称等は当時、一部文章省略
3.予算構成の実際
(1)売上高予算関連
【退会率】両タイプ 3~6%
ここに挙げた項目のうちいくつかは、内部でコントロールできる要因であるため策として取り入れることも可能である。
自社の戦略と整合する項目があれば、実施を検討するとよい。
傾向としては、一部のクラブを除いてここ数年変化していないものと思われる。
ちなみに前出「基礎データ1999」によると黒字クラブ127店舗の(年平均)月間退会率の平均値は5.2%であった。
退会率は主に成果を判断する指標として用いるため、通常の予算管理では新規入会者数、退会者数、在籍者数、入会後在籍期間別会員数などの指標を用いる。
また「退会率」にはネガティブな印象があるため、反転させて「定着率」あるいは「継続率」を用いる企業もある。
類似の指標に平均在籍期間(年)がある。
これも主に成果を判断する際のみに用いられる。
これは1を年間退会率で除すことで求められる(IHRSA方式)。
以上、ここに挙げた退会率に関する様々な指標の中で、予算管理上最も重要なものは、いうまでもなく入会者数と退会者数、在籍者数である。
これらの予算は文字通り必達を目指すべきものである。
~ここまで~
当時の黒字クラブ127店舗における月間平均退会率の平均値が5.2%とありますが、これは1年で60%以上の方が入れ替わるという単純計算になります。
この状態で経営を続けると数年後には、会員様のほとんどが入れ替わっているという計算にもなります(5年後には40%×40%×40%×40%×40%=約1%と単純計算では算出されます)。
実際は一定の常連会員様の存在によって、このような数値にはならないと思いますが、恐ろしい数値であることには変わりありません。
また、当時その状態でも黒字化していたということは、入会率がそれ以上になっていたということで、この数値を現在の環境下で実行することは、オープン時を除けばほぼ不可能と言えます。
それだけに、退会率指標は、今後、事業の存続において、決定的な要因となっていきますので、今以上に真剣に向かい合っていく必要があると思います。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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