
11月15日(水):日本初の都道府県と市町村による協働電子図書館
先月の日経産業新聞で取り上げられていた記事で、非常に良い取り組みだなと思ったのは長野県で実施されている公立電子図書館のサービスです。
こちらは長野県と県内全77市町村が電子書籍を分担購入し、それを住民に貸し出す「デジとしょ信州」というもので、都道府県と地域内の全市町村で共同運営する電子図書館は全国でも初だといいます。
地域内の住民は利用IDを取得すれば、誰でも24時間電子書籍が借りられ、期限がくるとシステム上で自動返却をされる仕組みになっているというから便利ですね。
また小中学校での学習にも活用してもらおうとの意図で、小中学生に関しては学校が一括して生徒たちの利用IDを申請できるようにしたことにより、学校での電子図書館の利用が増えているようです。
関連して小中学生の学習用途で需要が高いとみられる書籍は「読み放題コンテンツ」を導入して同時アクセスの制限をなくしているから、リアルの図書館でありがちな「誰かが借りていたから読みたいものが借りられない」といったこともありません。
現在は学校でも生徒に対して1人1台のタブレット端末が割り当てられているから、電子書籍を活用する環境も整っているだけに、子どもたちにとっても使い勝手が良いはずです。
自治体の公共図書館での電子書籍サービスの導入割合は2020年にはまだ10%未満でした。
その後はコロナ禍で各自治体の公共図書館も一時的な閉館を余儀なくされたことで電子書籍サービスの導入が進んだ経緯がありましたが、それでも今回の長野県のような取り組みまで進んでいるところはないですからね。
「デジとしょ信州」のように協働電子図書館にすることで、自治体ごとの図書館の規模や予算による制限や格差もなくなるから、地域住民全体に対するサービスの拡充になるのは間違いないでしょう。
実際に「デジとしょ信州」のサイトも見てみましたが、私も興味をそそられて読んでみたくなる書籍が幾つも出てきてしまいました(笑)
今回のケースは秀逸な取り組みだと思うので、こうしたモデルが他の自治体へも広がっていくと良いですね。