10月29日(火):一流の腕とセンスに脱帽
先週にテレビを見ていて感心したのは日曜夜に放送されていたテレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」での「グリル厄介」という企画です。
こちらは厄介者を捕獲して美味しく調理していただく企画で今回のターゲットは秋口に猛威を振るう危険生物、スズメバチの中でも最大最強のオオスズメバチでした。
スズメバチを捕獲するのは大変だったと思いますが、私が感心したのはそれをアレンジして調理をした料理人の方です。
ミシュランにも掲載される和食店で「新・和の鉄人」とも称されている方がそれを担当していました。
ご自身ではスズメバチ(成虫、幼虫ともに)を調理したこともないし、食べたこともないとのことで、まずは試食がスタートでした。
そこで口にしてみた印象をもとに、どんな料理にアレンジするのかを考えて調理をしていく流れです。
実際に食したイメージは大型のスズメバチだから殻の硬さがある点や少し「土っぽさ」を感じる、とした一方で、甲殻類のエビに近しい感じもある、との説明でした。
思案したうえで提供された料理は「茶碗蒸し」「かき揚げ」「炊き込みご飯」の三品です。
素揚げ、二度揚げ、砕いてすりつぶす、裏ごしする、何かと和える、伝統料理の手法に組み込むなど、様々なアプローチをしていました。
そのうえで食感を活かす、風味を生かす、他の食材との類似性(今回であればエビ)を活かす、といった具合で、スズメバチが持つプラスな部分を引き出します。
反対にスズメバチが持っている味を損ねてしまう要素は丁寧に取り除かれていましたね。
出された料理は見た目にも美しい繊細さがありつつ、味のほうも実食したタレントたちが驚愕するほどの仕上がりだったようです。
これを見て、やはりその道を極めている一流の方ともなれば、状況に応じて自由自在のアレンジが可能なんだなと思いました。
おそらくベースとなる和の基本形がありつつ、そこに一流ならではのプラスαの引き出しもたくさんあり、同時に頭のなかで素材や調理の組み合わせによる味の完成形がリアルに計算できるのでしょう。
そして味だけでなく見た目の造形も含めた美的センスも含めて、スズメバチを使ってあそこまでの料理に出来るんだなと、鉄人たる由縁の腕とセンスに脱帽です!
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