5月6日(金):オシムさんを偲んで⑤
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5月6日(金):オシムさんを偲んで⑤

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オシムさんを偲んで自分のなかでの追悼として、オシムさんの関連書籍の再読をはじめました。

オシムさんは戦術論、組織論、日本人論など幅広いことに言及していたので、これらはサッカーを離れて仕事に活かせそうなことが多分にあるので、それを自分なりに少しずつまとめていこうと思います。

これまでは「ディシプリン」、「準備」、「責任」といったことを取り上げてきました。

昨日の末尾にも記したように責任に対する向き合い方と深く関連するものとして、オシムさんは日本の教育や深く根付いている因習についても持論を展開されているので、本日はそこにフォーカスをしてみます。

まずオシムさんの著書「考えよ!」では以下のように責任に言及しています。

「日本では、長年にわたって失敗に対して罰を与えるような教育システムになっているように思える。そういう社会性が、ある意味、サッカーでは悪い方向に作用する。『失敗して罰を受けるならば何もトライしたくない』という深層心理が消極的な姿勢につながるのである。」

「なぜ、いつも誰かを恐れているのか?なぜ相手を必要以上に過大評価するのか?日本人は、相手を恐れ、過大評価してしまいがちな傾向にある。日本人は失敗したときのために言い訳を探しているのだろうか。」

「私はクロアチアのジャーナリストに『日本人は伝統的に責任を人に押し付けるきらいがある。すべての責任を社長に押し付ければいい工場ならそれで機能するかもしれない。しかし、サッカーではそういう言い訳は通用しない。上司も労働者も全員が同じ職場で仕事をしているのだ』と答えたことがある。」

「日本の選手たちは、状況を変えようとするときに、相手のプレーに応じて1人で反応し、対応することを学んでこなかった。誰かに、いつも何かを言われなければ行動ができない。『どうすればいいのか』と、いつもコーチにアドバイスを求めないと行動に移せない。『いつ』『何を』『どこで』『どうやって反応するか』。そういう考える力に欠けているのである。原因を辿れば日本流の子育てにも1つの理由があるのだろう。従順な子供は扱いやすいかもしれないが、これが、サッカーでは一番大きなハンディキャップとなるのだ。突発的な問題がピッチ上で起きたときに、それを1人で解決する能力がなければゲームに勝つことはできないだろう。」

「1億人を超す人口を誇る日本では、国としてディシプリンや責任感、ヒエラルキーなしでは生きていくことはできないのかもしれない。だから、いつも常に誰かに意見やアドバイスを求めているように思える。自分で考えることをせずにディシプリンやルールを重視した行動をとってしまっている。その行為は、言い方を変えれば非独立性のサインに他ならない。この問題は、日本の教育や社会、学校の組織にまつわる事項だから変革を求めることは難しいと理解している。だが、やりようはある。」

また別な著書「恐れるな!」では次のようにも指摘しています。

「責任感は日本の学校教育、社会システムと絡まるようにリンクしている。常に上の立場の人間が誰かの責任を負うという風習、仕組みがあることが、ピッチ上のプレーにおける責任感というものに少なからず影響を与えている。矛盾しているようだが、本来は、日本人は責任感があるのだ。責任感の強いプレーが、日本人の強みのひとつである。しかしながら、この責任感というものを強調しすぎてはいけない。一部の日本人選手たちは、大きすぎる責任のためにリスクを少ししか負わないからだ。責任感の強すぎる選手は、リスクを全く負わなくなるのだ。」

「日本人は一般的に、失敗する恐怖が、プレッシャーとなり重荷となってくる。繰り返すが、それは、学校生活、社会生活、そしてサッカーにおいて抱く恐れである。彼らは、ただ、失敗することにびくついている。これは一種の強迫観念である。その恐れがある限り、自らのポテンシャルを勝負の場で表現することは難しくなるのだ。」

ざっとこんな感じですが、日本人選手や日本を実に省察していると思います。

そしてメンタリティの根底にある要因がどこから来るものなのか、他国と異なるのはどんな部分なのか、そういった問題提起ですね。

これらはサッカーに留まらず、ビジネスの場でもおおいに散見されるケースであり、根っこは共通しています。

私の場合、経営者の立場としては組織内における心理的安全性を担保することで個々が良いパフォーマンスを発揮できる土壌をつくることはひとつでしょう。

また自分で考えることやチャレンジをどれだけ推奨できるか、そういった働きかけも重要になってきます。

それとあわせて個々人の側での適切な責任との向き合い方や主体性の発揮もまた不可欠です。

望むべき結果や良い現場を作り出していくには、土台にある文化や価値観をそれに見合ったものにしていく必要性が理解できると思います。



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