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1月18日(火):現場力の向上「大型クラブ編③」

昨日までの「現場力の向上『大型クラブ編』」の続きとなる③です。

前回は大型クラブだからこそ構造に目を向けて、そこを整合性ある内容に再定義する必要性に触れました。

その構造に基づいてオペレーションやサービス、人材育成を進めて現場力を引き上げていくわけですが、それらとあわせて見落としてはいけないのが会員管理システムなどによるバックアップの充実です。

大型クラブであるほど会員数は多く、1日あたりの来館者数は1,000人を超えていくし、時間当たりの在館者数も数百人になっていきます。

この状況下で小型クラブ並みに目の行き届くサポートをしようとすると、スタッフを何十人と配置しなければならなくなりますが、それはどう考えても非現実的です。

そうしたなかで一定の水準で指導やサービスを行き渡らせようと考えると、これは「仕組み」と「生産性」によってブレイクスルーをしていくしかないと思っています。

この仕組み化にしろ、生産性を上げるにしろ、それらにとって不可欠なのが会員管理システムの拡充ですね。

単に各種手続きや請求、来館の管理だけで留まっていては、それはクラブ運営に必要な作業の範囲であって、お客様の満足につながるような価値を生むシステムの使い方ではありません。

会員管理システムを使ってお客様の成果やモチベート、リテンションに向けたフォローやコミュニティなど、それらを推進していくための土台を担っていくのが本来のシステムの使い方です。

具体的にやるべきことは大きく2つで、「お客様の見える化」と「お客様情報の蓄積」です。

前者はフォロー対象となるお客様の見える化や、その後のアプローチの有無の可視化、共有などが現場でリアルタイムに行えるのが理想です。

先ほど記したように時間あたりの在館者数が数百人になるので、トレーナーが誰に、どのようにアプローチをすれば良いのか、その優先順位等の判断材料が要ります。

接客を頑張ろう、と声高に号令をかけるだけでは限界があるから、トレーナーが動きをつくるための武器を現場に持たせてあげるイメージです。

だから現場のトレーナーが欲しい情報が一覧で見えるとか、ワンタッチで瞬時にそれが出てくる状態にしておくことですね。

また後者のお客様情報の蓄積はリテンションにとって不可欠ですが、現場の会員管理システムだと、お客様情報は入会時に登録したものだけでアップデートできていないケースがほとんどだと思います。

仮に10年在籍してもらったお客様がいたとして、その10年分の歩みをそこにストックできているかというと必ずしもそうではありません。

最近はフィットネスクラブに限らずサブスクリプションでの長期的な関係や、トラッキングによるデータ等により、場合によればクラブ以上にお客様の10年分の動向を深く理解している存在も出てくるかもしれません。

フィットネスクラブは日常的に利用をしてもらっていますし、なかにはサードプレイスを謳うようなクラブもあるので、そうした観点でいえばお客様情報をもっと蓄積して、お客様にとっての理解者なる必要はあるでしょう。

加えて大型クラブの場合はスタッフ側の異動、入れ替わりも多いため、あるお客様と関係性のあるスタッフがいても、異動などになってしまった場合は、それまでの関係性やお客様の背景に関する情報が、そのまま失われてしまいます。

お客様との関係性や背景などを積み上げていくには、「人」と「記憶」だけに頼らずに「システム」と「記録」での補完が不可欠です。

こうしたシステム的なバックアップがあってこそ、現場におけるトレーナーの「攻め」も「守り」の質も高まり、現場力へとつながっていくものです。

私たちは今のところ小型クラブを主戦場にしていますが、これまで触れた点を含めて大型クラブの現場を再活性化する余地が多分にあると思っています。


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