
3月10日(金):「2023シャレン!AWARDS」徳島ヴォルテスの「阿波(Our)Dream Project」
今週はサッカーのJリーグに付随した「2023シャレン!AWARDS」に触れていますが、本日あたりで一区切りの予定です。
なおシャレンとは社会課題や共通のテーマ ( 教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など ) に、地域の人・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して、取り組む活動です。
これまではモンテディオ山形の「高校生に向けた教育と実践の場の創出」、横浜F・マリノスの「Jリーグ初の知的障害者サッカーチーム〜共生社会の実現へ」、ガイナーレ鳥取の「継続は笑顔なり。20年続けてつながった2つのシャレン」を紹介してきました。
本日に取り上げるのは徳島ヴォルテスの「阿波(Our)Dream Project ~ヴォルティスコンディショニングプログラムから~」です。
徳島ヴォルテスでは地方で進む高齢化やそれに伴う健康寿命の地域の課題解決として従来のホームタウン活動を更に発展させるべく、美馬市版SIBヴォルティスコンディショニングプログラム(VCPG)に取り組んでいます。
この活動の舞台に美馬市を選定した理由は2018年当時、4市4町のホームタウンで最も高齢化率が高い(約37%)ことが理由だそうです。
プログラムの対象は20歳以上の市民で週1回の集合トレーニングと自宅でのトレーニングを8週間1クールとして実施し、プログラム実施はヴォルティス、栄養は大塚製薬、運動プログラムはR-body、ICTはタニタヘルスリンクによる担当・連携となっています。
実施にあたっては以下2点の成果連動型のKPIが掲げられました。
①参加者の運動習慣化(目標値60%)
②65歳以上、介護予防マニュアル基本チェックリスト3項目該当者の改善(目標値70%)
2019年の実施からこれまでの5年間で計907名が参加し、KPIは初年度以外達成したといいます。
なお参加者の男女比は2:8、平均年齢58.3歳。最も多い年代別参加者は60代ということです。
また本プログラム以後の継続的な枠組みとして2021年にプログラムのOBOG会としてヴォルティスコンディショニングクラブ(VCC)を発足させ、その後も一緒に運動や楽しい企画に取り組んでいるそうです。
こちらの取り組みの良いところは大きく2つあって、KPIとしての定量目標を設けて成果にフォーカスをしている点が1つです。
シャレンで定量目標を掲げて、そこにコミットしていくクラブは稀なので、本件は非常に具体性と実効性の高い取り組みだと感じます。
そしてもうひとつは8週間のプログラムを終えたあとの受け皿も設け、その後の継続的な接点とフォローの場を作り、長期的な活動にしている点です。
きっかけとしてのイベント、お祭りのようなお楽しみのような場だと、その場限りの一過性で終わってしまうこともしばしばですが、息の長い活動にしている点が素晴らしいと思います。
その他、こうした健康に関連したシャレンであれば、私たちのような民間のフィットネス事業者もそこに連携できる余地があると感じますね。
「2023シャレン!AWARDS」はどのクラブにも投票したいぐらいですが、1人2票が持ち分なのでそれぞれの取り組みを吟味して私もいちサポーターとしてファン投票をしたいと思います。