結婚10年、ひとりになって10年

今日で旦那が亡くなって10年経った。
早くて長い10年だった。

旦那は私と結婚した年に事故により亡くなった。
だから今年は結婚10年、ひとりになって10年目。

10年経った時の自分はどうなっているか、
どんな気持ちなのか、旦那の死後考えることも多かったが、私に変化があったのかはよくわからない。

ただ、10年の経過とともに、
なんで私も一緒に連れて行ってくれなかったんだという思いではなく、

月命日に必ずお墓参りに行かなくたっていいよね。とか、
あなたが私を置いて勝手にいったんだもの。ふんっ！みたいな。

私を幸せにすると誓ったのなら、
今後私が幸せになれるようにあなたができる限り空から導きなさいよ。といったスタンスに変化した。

変化というよりも、
よく考えてみたらあなたってすごく勝手じゃん？？と急に思い立った日があってからである。

そんな私もずいぶんと勝手な考え。
でもそう考え、思うことによって心が軽くなっていたのは確か。

しかし10年とは恐ろしいもので、
当然ながら10年前に生まれた子どもはもう10歳になり、
子を産んだ友人は妻となり母となっている。

10代からの10年や20代はじめからの10年と
20代後半からの10年は大きく異なる。

そう考えると、
私は10年も悲劇のヒロインをしてきたのかと馬鹿馬鹿しくもなるが、事実でもあり、私だけが立ち止まってしまっていたのかととんでもなく落ち込むこともある。

でも10年という長い時間を耐えて、
自分なりに前進してきた自分には
【つらかったよね、今もつらいよね。でもよくやってるし、よくやったよ】と言いたい。

馬鹿げてるとか言われてもしまいそうだが、
10年の節目に自分へ頑張ったご褒美でも買おうか、
前から入れたかったワンポイントタトゥーをいれようか、籍を抜こうか、色々と考え中である。


でも多分、今後も突然旦那を思い出しては急に泣きだして眠れなくなる夜も少なからずある。
10年経ってもあるんだからきっと今後もあるはずだ。

私がこの10年で感じるのはものすごい泣き虫になったという事。

以前は強くみられがちな外見もあってか、
ツンデレのツンが多めの性格が相まってか、
人前で泣く事をとんでもなく嫌っていたが、
旦那が亡くなってからは自分でも引くほど人前でも泣く事が多くなった。

そりゃ葬儀の席でも大勢の前でわんわん馬鹿みたいに泣き散らかしていた私を見せているんだからもう引く事も出来まい。怖いものはないはずだがプライドはある。

しかし残念な事に思いとは裏腹に、
人前で泣かないぞ！といくら決めてたって、

ええ？今のあなたは以前とは違いますもん、流れますよ？ほーら、流れちゃった。とばかりにダムの如く。

特に人の死に関しての話になると、
その勢いはすごい。
対して親しくもない人の話でさえも泣き出す始末だから困ったもんだ。

でも何も感じない冷徹な雰囲気よりも、
少し怖く見えるけど共感してすぐ泣いちゃう人の方が人間味があって私はすこしすきだなと思う。

そう私を変えたのも旦那なんだなと考えると少し悔しい気もするが、旦那の死後10年が経ち、40を目前にした女がいつまでもツンツンしてるのもどうかと思うのでそれはそれで良しとしている。

事実、旦那と付き合い始めた当初から、
旦那の柔らかい雰囲気もあってか、私の表情や雰囲気が柔らかくなったと言われる事がよくあった。
かっこいいというより、
ほっこりする可愛い雰囲気のカップルだねぇと言われると気恥ずかしかった。
でも人前で涙を流すようになってからは、
旦那は亡くなってからも固い私を変えてくれるのかと前向きに捉えるようになった。

私だって、
あんたがいなくたって可愛く歳を重ねたい。
空からずーっと私を見守っていい方向に導くのがあなたの役目ですよ。

その調子その調子。

正解はわからないけど、とりあえず私も
その調子その調子でいいかな、と今は思う。

旦那が亡くなってから、
本当に人生なにがあるかわからないというのを実感し、この10年で一緒にいたら出来ないような好きな事をたくさんして、役に立つ立たないは別としてたくさんの事を習得した10年だった。
未来に少しの不安はあるけど、その調子その調子。

また5年後、10年後、
私が何を思い、考え、何をしてるのか、
今から楽しみだ。