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vol.4 数々の失敗と挫折を経て行き着いた終着駅、スピリチュアル系ビジネスとそのコツ

サウザーの白熱教室 遠隔ヒーラー結良
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※試聴版。オリジナル版(59:22)は購入後に視聴可能。

第四話(最終話)

あらためて本作のタイトルを振り返ろう。「数々の失敗と挫折を経て行き着いた終着駅、スピリチュアル系ビジネスとそのコツ」まさにこの通り、数々の失敗と挫折の末に、その集大成として遠隔ヒーラー結良は誕生した。

そんな結良くんはリアル世界では不動産事業に取り組み、勤め人卒業への歩みを着実に進めている。古来より不動産は資産形成の正攻法であり、その手堅さは折り紙つきだ。結良くんが自分自身を養うのに必要なキャッシュフローを得る日は、遠くないだろう。正しい知識を持ち、真面目に取り組めば、不動産を用いての勤め人卒業は、速度の違いこそあれ、時間の問題と言える。それは資金があると、加速できる。その資金を作る手段が、結良くんにとっては「遠隔ヒーリング」だった。では、遠隔ヒーリングとは誰にでもできるチョロい商売なのであろうか?

否。断じて否である。

確かに、適当な紹介文と写真で出品をすることは簡単にできる。「A4の紙」や「塩」を送ることもできるだろう。商品ラインナップ・値段設定も、同業者をマネすればいい。そう、カタチだけならば、今すぐに立ち上げることができる。そう「カタチだけ」なら。仏像は、そこに「魂」が入っていなければ、ただの木塊に過ぎない。スピリチュアル商売も…いや、スピリチュアル商売だからこそ、その「魂入れ」が最重要なのだ。

「なんだよ?顧客である”メンタルが弱い女性”は簡単に信用して、遠隔ヒーリンググッズを高い金で買って喜ぶんじゃないのかよ?」と思うかもしれない。しかしながら、このスピリチュアル商売は、そんなに楽勝な仕組みではない。かつて一世を風靡した占術師を憶えているだろうか。

「アンタ死ぬわよ」

スピリチュアル市場に参入するということはこの人や、それに比肩する人をトップとするピラミッドに挑む、ということを意味する。実名顔出しのテレビ出演、著書も出しているレジェンド達。この市場でメンタルの弱い女性という顧客を奪い合う。さらには宗教団体すらも競争相手になる。決して楽勝な戦いではないことがわかっていただけたかと思う。

では、どうすれば良いのだろうか?その答えは、既に本オーディオの中に散りばめられている。特にVol.1、聖帝から「スピモードで」と問われた時の遠隔ヒーラー結良さんの受け答えに注目してみよう。

聖帝「遠隔ヒーリングを受けるとどうなるんですか?w」

結良「幸福に包まれ、愛を感じることができます。」

聖帝「え…そうなんですか?w」

結良「信じる人は、救われます。信じない人は、救われません。」

ここに真髄がある。上記のやり取りの間、結良さんの受け答えには一切の「笑い」や「照れ」がない。ヒーリングで癒されることは至極当然のことだと、大真面目に言い切っている。一切の不安も、疑念も感じさせない。本当にそうなんだと、感じさせるこの姿勢。この世界観にお客さんは惹かれて、付いてくる。

一切の疑念を抱かないレベルにまで自分自身に信じ込ませ、徹底して演じる。その妥協なきプロフェッショナル性が「この人はホンモノなんだ」と思わせる。これがスピリチュアル商売において、集客できるかどうかの分かれ道となる。

集客の次は収益化だが、こちらもテクニックを要する。遠隔ヒーリングは物質的に見れば「紙」と「塩」が郵送されてくるだけだ。それで何千円もする。このように見ると、とんでもないボッタクリだと思うかもしれないが、ここにスピリチュアルの奥義が組み込まれている。

それは「意味付け」である。

「塩」には「悪いオーラを浄化する」という意味が付けられる。ゆえに「ただの塩」ではなく「ヒーリングソルト」という価値あるアイテムになる。「紙」には「遠隔ヒーリングの受け取り方法」が書かれている。つまりこれは「紙」ではなく「癒しを受け取るための鍵」となる。ゆえに、数千円の価値がある。

なぜそんな「意味付け」で価値が生まれるのか?これを読む「メンタルが強い男性」にはおそらく理解できないことであろう。しかしながら「アンタ死ぬわよ」さんが一時代を築いたことからもわかるように、この世には数多くの「メンタルの弱い女性」がいる。彼女たちは、自分の人生に大きな困難が横たわっていても、自分で乗り越える努力をしたり、他の道を探したりすることが、ちょっぴり苦手だ。

それでもーーー彼女たちも「いっしょうけんめい」生きていかなくてはならない。ただ、現実世界は、彼女たちが真正面から取り組むには残酷すぎて「やさしくない」。彼女たちは現実世界と向き合うのがちょっぴり苦手なのだ。

努力とか、我慢とか、ちょっと厳しいな…そういう苦労、したくないなぁ…。今はうまくいっていないけれど、私はまちがっていないよね。厳しい現実なんて、見たくない。がんばらなくたって、いつか白馬の王子さまがあらわれて、私を幸せにしてくれないかなぁ…。それが、彼女たちが望む答えの正体だ。

「正しい」答えではなく、「望む」答え。

自分で人生の舵取りをしたくない…「こうだ!」と言い切ってくれる人についていきたい。そんな願いに応えているのがーーー遠隔ヒーラー結良である。

こうして俯瞰すると、彼女たちは哀れでかわいそうな存在に見えるかもしれない。しかし、彼女たちは実際に幸せを感じて、救われている。遠隔ヒーリングの力を借りれば、強めにツラく当たってくる現実に、なんとか耐えられる。がんばって日々を生きていける。愛と信じる力さえあれば、だいじょうぶ。そう、お金よりも「気分」の方が大事!そうだ!お金をヒーリングソルトに交換しよう!ーーー弱き女性にも、幸せのカタチがある。それは感情と愛だ。我々のモノサシを押し付けることは、ひとまずやめておこうじゃないか。

弱き者にも、ひとときのやすらぎを。

遠隔ヒーラー結良は、今日もどこかで誰かを救っている。この残酷な世界の、片隅で。

をはり。

著・ヤコバシ


【オーディオブックの正しい使い方を伝授する】
1.集中して聴かない。オーディオを聴くための時間をわざわざ取らない。スキマ時間や作業時間に『ながら』で聴くのが正しい使い方である。
2.ぼけーっと繰り返し聴く。聴き返すたびに毎回聴こえ方が違うぞ、とか、刺さる言葉が違うぞ、と思ったならそれは良い聴き方。一回で全部吸収してやろう、と言うのは悪い聴き方。
3.PCのnote.muサイトからMP3ファイルをダウンロードする。itunesその他で、スマホに同期する。電車や車での移動中、家事の最中に聴くのが良いと思う。ストリーミング再生で聴くのはあんまりおすすめしないかな。

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