Vinterviken-冬の入江
Netflixで”Vinterviken”が制作されて配信されるというので、ずいぶんと久しぶりにドラマの原作の日本語訳『冬の入江』を読みました。
スウェーデン、ストックホルムが舞台のお話です。
原作が出版されたのは1993年ですが、あまり古さは感じませんでした。
電話以外。
本の中では10代の子が友達や女の子の自宅に電話をかけています。
それが当時は普通だったのですよ。
ドラマの予告をみてみるとさすがにそこは現代化されていて、スマホ持っています。
そりゃそうだ。
それはさておき、自分が主人公よりもずいぶん年齢が離れてしまったせいなのか、初めて読んだ時ほど惹かれませんでした。
実際の年齢よりも大人びている登場人物たちですが、これでもかというくらい若さがあふれているのです。
まだ定まっていないけれど、それでもかまわない、まだこれからという雰囲気が漂っています。
おかれている環境は恵まれてはいないけれど、自分から破滅するようなことをしなければ、進んでいけば未来が拓けていくような気配があるのです。
年齢とともに薄れていくものがそこにはあるな、と。
きっと当時の自分にもまだそんなところがあったのだろうな、なんて考えてしまいました。
けれども登場人物たちはそう器用に生きられず、もがいているわけです。
若いからというわけでなく、主人公たちの親もなんだかな・・・です。
どう考えてもよくていばらの道、最悪の場合破滅へ向かっています。
親たちの行動が子どもたちに大きな影響を与えていることがはっきりと書かれています。
もちろん主人公が物語の中心ですが、その周りの大人たちのことも読んでいると考えさせられる内容となっています。
Netflixの契約をしておらず、ドラマを観るかどうかは残念ながら未定です。
主人公のお母さんをLoreenが演じています。
それを知ってよけいに興味を持っているのですが。
その前にネット接続環境をどうにかしなければと考えるこの頃です。
こちらの動画は”Vinterviken”の主題歌、Victor Leksell の"Eld & lågor"です。
ところで”Vinterviken”には続編があります。
偶然手にしましたが、続編とは思えないような内容でした。
主人公は同じですが話はずいぶん違っていました。
読んだのがかなり前でなんとなくしか記憶にないため詳細は書けませんが、すごくびっくりしたのは憶えています。
Ungdomslitteraturに分類される、日本だとYA図書に分類されると思うのですが、なかなか重い内容でした。
これは日本語版出ないだろうな、なんて思った記憶があります。
冬の入江=Vintervikenとは実際に存在する湾の名前で、Alfred Nobelの工場があったところです。
ということで冒頭の写真はGamla Stanにあるノーベル博物館です。
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