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春はアスパラ 規格外はさらなり

春はアスパラ。よくよく炒め立ち登る香りは、至極そそられ、腹減りがちな晩をうまく彩らせる。今は旬、規格外はさらなり。茹でもなお。塩など降るもおいし…

以上、枕草子の冒頭をもじりました。

というのも、先日食べたアスパラガスが大変おいしかったのです。
「もし現代に清少納言がいたら、書き出しはアスパラだ」と思うほどに。

買ったのはスーパーの"訳有り野菜コーナー"に鎮座するぶっといアスパラ。なにせキュウリより太い。断面が五百円玉レベルの太さです。規格外品として一袋約400円で店頭に並んでました。

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通常、アスパラガスは太ければ太いほど値が張ります。アスパラギフトで調べると、M〜Lサイズで1㌔㌘あたり2000〜3000円が、2Lだと4000円前後、3Lなら5000円をゆうに超えてました。

購入したアスパラガスは3Lに匹敵するボリューム感。こんなに太いアスパラをワンコインで買える機会は滅多になく、思わず衝動買い。表面の傷や楕円形が規格外の理由かもしれません。

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で、ここまで太いと食べ方に気を使います。とりあえず
"アスパラ 美味しい食べ方"
でGoogle先生に教えを乞うたところ、「旬のアスパラを美味しくするコツ」とまさにうってつけなサイトがヒット。

伊勢丹新宿店のシェフにインタビューする内容で、
"包丁で切らず手で折る" "茹でずに炒める"
の2点が美味しく調理するコツなんだとか。

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早速調理。カンカンに熱したフライパンへバターをひとかけら。菜箸で広げ、手でひきちぎったアスパラを投入。ジュワジュワと油の弾ける音が小気味よく、表面の色みが濃くなった段階でひっくり返します。

味付けはシンプルに塩のみ。箸でつまみ、かぶりつく。
これが…おいしい。

噛んだ瞬間にジュワワっとアスパラ汁があふれ、特有のうまみが口内に広がります。トウモロコシのような甘みもほんのりと。あまりの太さに大口を開けて食べるため、ヨダレがこぼれそうになりました。

ここまで太いと食感は茹でブロッコリーの芯に近いですが、アツアツの水分が溢れ出るのはアスパラならではの芸当でしょう。出来立てにかぶりつくと口の中が火傷しそうになるほど。中心まで火が通っているか不安でしたが、無用な心配でした。

筋っぽさがないのもグッドです。旬なので水分が抜けていないのかも。
筋っぽさは断面に近い根本付近のみ。いと美味しく、あっという間に平らげてしまいました。

今回買ったアスパラ、ラベルには注意書きで
「規格外のため傷や形の不揃いがありますが、味はかわりません」
とありました。

でもこの注意書き、偽りありです。
だって味が違うもの。普段食べてるアスパラより圧倒的にうまいもの。

アスパラ食うなら規格外。太さは正義、炒めてペロリ。

ではでは。 (fisheye)

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