将来、ラジオは消えてしまうのか

こんばんは。
久々に仕事で外出したら家を出て5分で足をつりました。

今日のテーマは「現代におけるラジオの価値」

皆さん、ラジオって聞きますか?
私はテレワークが始まった最近からよく聞くようになりました。

四大メディアの一角であるラジオ。
インターネットの発達によりWEBメディアの台頭、ストリーミングサービスの登場により、その価値を改めて考える時がきていると思います。
リアルタイムで音声を届けるだけなら一個人ですら可能とするこの現代で、ラジオには他のメディアには無いどのような価値があるのでしょうか。
様々な視点がありますが、今回はビジネスとして広告主からみたラジオ特有の価値を探すという事をメインに考えてみたいと思います。

まず前提知識としてラジオの市場規模と推移を知っておきたいと思います。

2017年度でラジオの広告費は1,290億円
2000年の2,071億円に対して17年で62.3%に低下
テレビ:87.4%
新聞:41.3%
雑誌:46.3%
インターネット:2558.3%
               (電通「日本の広告費」より)

(情報が古くてごめんなさい)

インターネットの圧倒的な成長と合わせて、
四大メディアは約20年間減少し続けています。

メディアは広告塔です。
消費者が利用していない、情報を届けたい人に届けられないと判断した時点で広告主は広告費を出さなくなります。
広告主がそこに出資する価値を見出さなければ広告費は縮小し、合わせて市場規模も縮小し続けます。

広告主の判断基準は大きく2つ。
「広告を届けられる人数」
「届けたい人に届けられるか」

です。

最大の指標である「利用者数」の絶対的規模でラジオは、
利用率も1日の平均利用時間も四大メディアの中で圧倒的に最下位です。
この土俵で勝負する事は得策とは思えません。
(詳しいデータはこちらで)

次点の「届けたい人に届けられるかどうか」はどうでしょう。
届けたい人、つまり視聴者の統計学的属性あるいは心理的属性の純度は番組のテーマ性(=ターゲティングの明確さ)に大きく左右されます。
視聴者からみたラジオの最大の魅力は、ニッチなテーマで濃ゆーいトークだと思います。
ニッチであればあるほど視聴者層は絞られ、ピンポイントにそのユーザー層にリーチしたい広告主には費用対効果の高い最高の場所です。
加えてラジオの平均広告費は四大メディアで最も安いのです。
広告費を抑えて費用対効果を高めたい広告主にとって現代でもラジオは価値を提供できていると考えられます。

しかし、ここで現れた強力なライバルはWEBメディアです。
現代のWEB広告はユーザーの興味関心データを元に個人につけられた細かなタグによって表示する相手を自動で選ぶことができます。
個人の興味関心を正確に設定できている限り、WEB広告は届けたい相手にだけ広告を表示し届けることができてしまうのです。
しかも、ラジオが放送時間に広告できる時間が限定されてしまう事に対して、WEBメディアは設定さえすれば自動で24時間稼働し続けます。
これはやはりラジオが勝負するのは厳しいわけですね、、

ここまで2つの価値で考えてみましたが、
やはり他メディアと比べても優位性の少ない厳しい戦いのように感じます。

では広告主からみたラジオの最大の魅力はなんでしょうか。

それは視聴者がラジオ(番組)へ持つ「情緒的価値」です。
視聴者の番組への愛着、ゆるっとした空気、かしこまらないトーク、初々しいパーソナリティの成長などなど、
メディアの中で最もお堅くならないフランクさがラジオにはあります。

この価値はメディアとして地位を確立したYouTuberと同じです。
ニッチなテーマのチャンネルによるスモールマスへの対応に加えて、基本的に「素人」であるYouTuberには視聴者は親近感愛着を持ちます。
ラジオとYouTuberは、まるで友達のような親近感と愛着に、メディアとしての拡散力を同時にもつ事ができる非常に稀有なメディアなのです。

私も感じていることですが、情報リテラシーを問われる現代では「自分は情報操作されているのでは」という疑いの感情に対して強いネガティブを示します。

これは実際に提供されている情報の正誤性に限らず、消費者にその感情を抱かせてしまった時点で、付属する広告は消費者の頭にも心にも残りません。

最近は嘘と捏造しか書かないと言われている新聞があったとします。
そこにどんな本当の広告を載せたとしても「これもどうせ捏造なんじゃないのか」という疑いの目をかけてしまうのです。

テレビで番組(の出演者)が不祥事を起こした時に広告主が降りるのは同じ心理が働くからです。番組(出演者)のイメージダウンと同時に広告主のイメージも落ちてしまいます。

つまり広告が消費者の心に届くかどうかと、
番組に対して視聴者が感じる情緒的価値は強い関係性があるのです。

ラジオが持つ情緒的価値、
これがラジオの生き残りをかけた最大の武器だと私は思います。

ラジオのなんともいえない温かさ、
私もテレワーク中の微妙な寂しさを紛らわせるためにラジオは欠かせない存在になっています。

前回の記事で書きましたが、現代人は潜在的に寂しいのです。
そこにそっと寄り添ってくれるラジオがこの先も活躍してくれることを切に願っています。

皆さんはラジオの将来をどう考えますか。
人には出せないほどの寂しさを感じたら、そっとラジオを聞いてみることをおすすめします。

それでは。










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