ガールフレンズ

ライブに向かう途中、日曜日の昼間に手を繋ぎながら道を歩いている男女をみて、異世界のように見えた。
そんな毎日が永遠だって勘違いできたら最高だ。

自分の事がそもそも好きじゃない。
女でいる、ただの女で塩入冬湖という人間が好きじゃない。劣等感しかない。
音楽を作ることのできる、記録を作れる、音楽の話をするときの自分のことは好きだ。

音楽という膜を破いてしまうとわたしは無力だ。
でも女として得た思い出や、経験を歌をにして救う。
二つが救いあってわたしが形成されている。

あなただけいたら生きていけるよ。わたし。と思う一瞬がどこまでも永遠に成らない事を知っているし、それでいても人を好きにならずに一生を終えられない事も知っている。
その時々で誰かを思ったり、愛でたりする。

恋じゃ喰えない週末を救うためにもう一人のわたしは音楽を作り生きている。
音楽だけじゃ満たされない夜を満たすために誰かのことを抱きしめたり愛したりする。

犯す罪がどうしたってアイラブユーのその言葉に感じてしまうよ。
どんなに不正解叩き出しても、馬鹿にはなりたくない。可愛くなくたっていい、消耗して吐き捨てるような商業サービスになるつもりもないし。

ガールズバンドブームだというなら恩恵でもなんでも受けてやろう。女を使ってどこまでも叫び散らかしてやろう。
女で贔屓されているという奴ら。ほら、羨ましいだろ。性別で区分をつけなきゃ話をできない人々へ、わたしは死ぬまで女でいて女を歌い続けてやろう。という気持ちよ。

わたしにとって女でいる自分は友達みたいなもんで自分ではないから。実に愉快。


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