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フィンランド人とワークショップの企画 @Espoo Museum of Modern Art 【前半:準備編】

フィンランドの美術館Espoo Museum of Modern Art(EMMA)とAalto Universityのコラボワークショップ企画に9月に参加しました。普段はフィンランドを含め約6カ国から来ているクラスメイトに囲まれ、英語で勉強しているので、フィンランド人の中で外国人が私1人だったこの企画は、普段の授業とは異なる発見がありました。

■参加した経緯
Aalto UniversityのDepartment of Art生徒への公募メールを見て、日本のいる時に応募しました。そして志望動機書を書いて、参加できることになりました!何人応募があったのかは不明ですが、外国人枠が1名の中、入学して間もない中参加できることになったのは嬉かったです。

■コラボが始まった経緯
Aalto Universityの芸術学部のキャンパスが2018年にEMMAの近くに移転したことをきっかけに、EMMAから地域で新しいことを生み出したいとコラボ企画が持ち上がったそうです。今回は3回目の実施です。

■メンバー
EMMAの教育担当者:1名
学生:Aalto University Art Educationコース3名と私 合計4名
H:学部生、アーティスト、タトゥーアートについて卒論制作中 
S:院生、アーティスト兼幼稚園の先生、シングルマザー1児の母、自分の作品をどう教育に活かせれるか学びたいと大学院に入学
T:院生、アーティスト兼障害者やお年寄りへのアートワークショップ主催、パートナーとの2児の母、再度アート教育を学びたいと大学院に入学

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↑右:T  左:H

■期間
コロナで開始が遅れたこともあり、約1ヶ月間で4日間のプログラムを考えました。短い間での企画でしたが、ほぼ毎日メンバーとWhatsappで連絡を取り合い、週に2日くらいはミーティングをしていたのでとても濃厚な1ヶ月間でした。

■参加特典
大学側からは費やした時間と最終レポートに応じて最大5単位がもらえます。今回は44時間費やし4単位もらえました。             こんな感じで事前に担当教授に話せば、自分のプロジェクトやインターンを単位に変えることができます。

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■会議の進め方・コーヒーブレイクは必須!
議題に応じて、オンラインと実際に会ってのミーティング半々くらいで進めました。
ある程度EMMAの担当者が仕切りますが、基本的には学生が主体となって進めます。

最初のミーティングは私が自主隔離期間中だったので、ハイブリッドで行ってもらいました。臨機応変に対応してくれて本当にありがたかったです。

会議の基本的な流れは、アイスブレイクから始まり、本題に入ります。Whatsappのグループでこれを話しておきたいね、といった感じで予め議題を話しておきます。
会議を開始から約1時間するとコーヒー休憩が入ります。フィンランドは1人当たりのコーヒーの消費量が世界2位です。ちなみに日本は29位です。さすがコーヒー大国!(参照:http://tg.tripadvisor.jp/coffee/)
休憩した後は議論も活性化する気がします。

みんな自身がアーティストでアートワークショップの経験があるため、どう子供に楽しんでもらうかや、道具の使い方のアイディアが豊富でユニークでした。
まず4日間それぞれのテーマを決め、EMMAにある作品のアーティストの意図を汲み取ってそれをどうテーマと絡めていくか考えました。議題や役割にがんじがらめになることなく、自然とみんなができることをやっていくので心地よく進められました。

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■フィランド人だけの中での企画・感じたこと
・相手の意見を尊重しながらも、きちんと自分の意見を言う
相手がEMMAの担当者だろうが、学生だろうが、良いと思う意見は良い、変えた方がいい意見は変えたほうがいいとはっきり言う、というスタンスがはっきりしていました。ただ自分の意見を主張するだけでなく、面白いアイディアは面白いときちんと相手を褒めたり、尊重することも忘れません。そして会議が少し煮詰まると誰かが、面白い企画になるね、このメンバーでよかった、などみんなのモチベーションが上がることを言って士気を高めます。
本音と建前を感じ取るのが苦手な私にとっては、率直に意見を言い合うミーティングは、メンバーにも恵まれたこともあり心地よく感じました。

・自分の時間も相手の時間も大切に
ミーティングは時間通りに始まり、時間通りに終わります。子供の送り迎えがあるからとミーティングの時間を調整したり、週末や学校が休みの日にミーティングがある時は子供も参加したりしていました。自分の生活リズムを無理に変えることなく、それぞれの状況を考慮して協力しながらミーティング時間や役割を考えました。自分も相手の時間も大切にしているなと感じました。そしてそれが当たり前であることが、大人の学び直しがしやすい理由の1つでもあるなと思いました。
週末のミーティング時は、あるメンバーは自分のサマーコテージからZoomミーティングに参加していました。ウッドデッキを作っているから30分なら参加できるよと、素敵な小屋の中でウールのセーターを着ながらコーヒーを飲んでいる姿を見るととてもフィンランド人らしいなとほっこりしました。

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↑ワークショップで使うお面を準備中のT

・フィンランド語の重要性
今回は1人英語が不得意なメンバーがいて、ニュアンスを伝えるのが大変だからと、謝られながらも会議はフィンランド語で行われることがたまにありました。後で訳してはくれますが、小さなディスカッションに参加できないので、文脈を理解できず大変な時もありました。遠慮せず英語が得意な子に確認をしながら進めていきましたが、Zoomでの会議では話を遮り、確認するのが難しかったです。
また資料は全てフィンランド語だったので、Google翻訳を使いまくりました。確認したらGoogle翻訳は結構正しくフィンランド語も訳せているみたいです。

ほとんどの人が綺麗な英語が話せるとはいえ、当たり前ですがフィンランド人が多いと自然と会話の中心はフィンランド語になります。本当の意味でフィンランドに溶け込むにはフィンランド語を話せるようになることが必要だなと痛感しました。

次回は当日の様子、具体的なプログラムについて紹介したいと思います。

EMMA ワークショップのサイト:https://emmamuseum.fi/en/event/art-break/

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↑EMMAのワークショップスペース

*トップ写真:EMMA撮影、他の写真は自分で撮影。

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