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大谷選手のグローブ寄贈で思い出されるジャブラニの悲劇

今日は「スポーツ✕学校」について、考えたことを記事にしています。
少しネガティブな感情も入ってしまうと思いますが、それをどうすればよいのか、言語化してみたいと思います。


2010年ワールドカップ南アフリカ大会

今から13年前、サッカーワールドカップ南アフリカ大会がありました。
ブブゼラが鳴り響いていた大会、遠藤選手・本田選手のフリーキックが印象的なあの大会です。

その時に私は臨時採用教員として、ある小学校で働いていました。
そんな中、ワールドカップ公式球『ジャブラニ』のレプリカボールが寄贈されるというニュースが勤務校に届きました。
私と体育主任の先生は、大喜びで
「これで多くの子どもたちが、本田のまねをして無回転キックの練習をするでしょうね」
と話をしていました。

『ジャブラニ』寄贈

そして、ジャブラニが寄贈されました。
職員会で話し合われ(少し記憶が曖昧ですが)、ボールは玄関横のよく賞状やトロフィーが入っているガラスケースの中に収納されることが決まりました。
当時、正規採用でさえない私にはほとんどどうすることもできず、使われることのないボールを見ることしかできませんでした。

その後、市内の学校に研修等で訪れる機会がありました。
やはりボールはケースの中でした。

採用試験に受かり、勤務校が変わり多くの学校を見る機会がありましたがほとんどが玄関横に飾ってありました。
つまり大量のジャブラニが蹴られることなく飾られるために寄贈された、といっても過言ではありません。
※あくまで私の周りでの主観的な事実ですのでもしかしたら有効活用されているところもあるかもしれません。・・・いや、あると信じたいです。

私の思いとしては

では、どのように使えばよかったのか、私なりの見解を述べてみます。

①まずは全学級へ紹介します。
 (これは当時の勤務校でもされました)
②その後は、月単位や週単位で各学級を持ち回るようにします。
③最後は週単位で学年の持ち回りにします。
 この頃には熱も冷めていると思います。体育倉庫等に置いておき、担当児童が管理すればよいかと思います。
④ボールがボロボロになったら、再び箱に戻し、児童の感想とともに玄関やホールなどに展示する。

あくまで、学校の規模やそもそも運動場でサッカーボールを使えるかどうかによっても左右されるのでひとくくりにはできませんが、当時、もう少しなんとかなったのではと思っています。

まぁ負の感情を露わにすると、ボールを飾ったところでサッカーに興味を持つ児童が増えたのか、っていうことですね。

当時とは違い、今は多少の経験や立場があります。
なんとか、大谷選手のグローブを大谷選手の思いのまま子どもたちに届けたいなと思っています。

現実は

今の私の勤務校では(ほとんどの学校がそうだと思いますが)、まず休み時間に運動場で軟式球を使ってキャッチボールをすることはできません。
多くの学校の場合、ここがネックになってると思います。

では、体育の授業で使用するかとなるとそれもなかなか現実的ではありません。

すでにジャブラニの悲劇の再来が予感されますが、なんとかして有効に活用し少しでも野球に興味が持てるように取り計らってみたいと思っています。

現状での案です。
①体育委員会が主催で、休み時間に運動場の一角を使用して、「大谷翔平チャレンジ」のようなキャッチボール体験を学年別希望者で行う。
②一定期間、運動場の一角や体育館をキャッチボール用に開放する。(ボールは柔らかいボール)

他にも、いろいろとできそうですが、先生方の負担を増やしてしまっては元も子もないので持続可能な形でなんとかやってみたいと思っています。

マルチスポーツという考え方

私は、サッカーも野球も好きです。するのも見るのも好きです。
元は卓球部なのでするのは卓球が一番好きです。

子どもたちはすでに多くの習い事をしています。
野球・サッカー・スイミング等々・・・
今回、この大谷選手のグローブを通して、野球好きな子はもちろん大谷選手のように世界で活躍する野球選手を目指して欲しいですし、そうではない子もこれを機に野球に興味をもって欲しいと思っています。特にスポーツをしている子にはいろいろなスポーツを体験して欲しいと思っています。
また運動が苦手な子も、その姿を見てスポーツっていいな、って思ってもらえたら嬉しいです。

子どものことを大切に思う社会を目指すなら

そもそもキャッチボールさえ満足にする場所のない今の子どもたちが不憫でなりません。
運動場も、近所の公園も「キャッチボール禁止」の張り紙だらけです。せめて学校の運動場くらいは・・・なんとか最後の砦としてキャッチボールのできる場所として確保してあげたいな、と強く願っています。

個人的には、キャッチボールの「自分の投げたボールを誰かが受け止めて、自分に返してくれる」というこの行為自体がとても心身の発達にいいものだと思っています。実物のキャッチボールができないのに、心の言葉のキャッチボールなんてできるわけない、とも思っています。

生涯スポーツにおける心身の健全な発達を促す場(場所・場面)をできるだけたくさん作ってあげたいな、と改めて思いました。
自分にできる校内での働きかけから頑張りたいと思います。

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