Delta Quadra

デルタはヒューマニスティックな理想社会．誠実さと，全員を平等に扱うこと，自分と他人の権利と自由を共に尊重し，暴力と貪欲を嫌う．公有化へのコミットにおいてベータに似ているが，財産は国家ではなく，企業や地域ごとに管理される．やがて，自然に比較的小さな規模の地方自治社会が形成される．独自の管理システムがあり，中央集権的な管理ではなく，地域の特性を考慮したローカルベース．権力は長年の功績で信頼を得ている経験豊富な長老が握っている．地方自治がベータに委ねられると，封建的な分断が起こり，中央の法律が無視され，分割統治に繋がる．国家との一体性を保つ，安全な地方自治はデルタの機能．
真のヒューマニズムを礎にしている．このコンセプトは，ベータのEIEとデルタのEIIを比較することで明らかになる．EIEは普遍的な道徳的原則を言葉によって説くが，実際にはしばしば違反した行為をとる．EIIは，公に説法を説く程に雄弁ではないが，日常生活では他のどのタイプよりも道徳的原則を行動で示す．すなわち，自分がしてほしいことを相手にもする，自分がしてほしくないことは相手にもしない．社会進歩の原動力として，科学への依存は消え去りつつあり，人間の道徳心に希望を見出している．科学的発明の野心は枯渇し，製品を改善する．
穏健な集団主義によって統治されており，伝統を堅持する．社会的地位の違いから対立する人々を調整する官僚機構としての国家は必要なく，共通の目標で結ばれた小さなチームが必要．ベータのような教義ではなく，共通の道徳的信念によって団結する．ライバル関係よりも協力関係．非暴力的で協力的な社会は，デルタイデオロギーによって規制された社会である．しかし，ヒューマニズムと居心地の良い家族だけでは，充実した人生には不十分であり，人道的な労働に価値を置く．労働とヒューマニズムによるパーフェクションを目指している．