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2021年の年の暮れ 誰もが より良い年の訪れを祈っていたのだ【KOZUKA 513 shop paper vol31 2021/12】

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もうすぐ今年が終わり新しい年に向かおうとしている今
よく耳にする古い歌がある
“WHAT A WONDERFUL WORLD” 「この素晴らしき世界」
パラリンピックで印象的に使われていたし
CMやテレビの特集でも取り上げられた
 
この歌が作られた60年代後半のアメリカは
ケネディ暗殺やベトナム戦争 人種間闘争
国民の誰もが疲弊している そんな時代だったという
そんな中作られたこの曲
ルイ・アームストロングは録音を熱望したが会社に拒否され
秘密裏に録音を敢行 本国では全く売れなかったが欧州では成功を収めた
以来多くのミュージシャンがカバーし
名曲の一つとして今も歌い継がれている

The colors of rainbow So pretty in the sky
Are also on the faces  Of people going by
I see friends shaking hands Saying “How do you do”
 They really say “I love you”
   空にかかる虹は美しく 行きかう人々の表情も美しい
   友と友が手を取り合って挨拶する「ごきげんよう」
   その本当の意味は「愛している」なんだ

そして歌う 未来は希望に満ちていると

I hear babies cry I watch them grow
They’ll learn much more  Than I’ll never knew
And I think to myself What a wonderful world
   幼子が泣いている 彼らが成長する姿が見える
   彼らは多くのことを学ぶだろう
   私たちが知っているよりもずっと多くのことを
   だから思う なんて素晴らしい世界なのだろう と
 
歌は世相を反映する だから今 私たちはこの歌に心寄せるのだろう
辛い日々を過ごしてきた私たちは願う 来る世界が「素晴らしき世界」であることを
心の底から“What A Wonderful World” と言える日々が帰ってくることを
2022年が輝かしい年でありますように!
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ジャズの世界にそれほどの造詣があるわけではないけれど、それなりに聴いてきた。高校時代は「ジャズ喫茶」に通っていたこともある。もっとも、店のマスターは自分たちのような若造が来ると、フュージョンとか言われるようなレコードをかけていたから、「こいつらにジャズなんか分かるわけがない」と思われていたふしはある。

ルイ・アームストロングの“What A Wonderful World”は、リマスター版(?)なのかクリアな音源のものがYOU TUBEやコマーシャルで流れていて、古い音源でしか聴いたことのなかった自分にはものすごく新鮮だった。
"On the Sunny side of the Street"は、朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバティ」で3世代をつなぐ大きなテーマになっていた。

“What A Wonderful World”にしても、"On the Sunny side of the Street"にしても、明るく美しい調べであり歌詞なのだけれど、時代背景に照らすと決して明るく美しい世の中ではなく、むしろやるせなく暗い時代であったのだ。

想像もしなかったパンデミックの時代にこの二つの曲を聴くことになった巡り合わせをしみじみと考える。


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