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秋は忍び足でやってくる、みたいなことをときどき思う 今日も少し風が変わったかも【KOZUKA 513 shop paper vol28 2021/9】

これは、2021年、2年前のショップペーパーだけど、たまたまのシンクロ。
今日は大山千枚田の稲刈りをしてきた。
店を早めに閉めて15時からの稲刈り。吹いてくる風がなんだか違う。真夏の少し湿気を含んだ熱風ではなく、どこか軽い。
こうしていつのまにか秋はやってくるのだな。


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秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(藤原敏行)
 
「風が変わった」とふと思う
それまでの 重く湿気を含んだ空気が急に軽くなったように感じ 風は爽やかに流れる
「水ぬるむ」春の訪れも 感覚的には似ているかもしれない
ほんの少しの温度や湿度の違い
四季の移ろいを日本人はこんなふうにとらえるのだな と改めて思う
 
多くの田ではもう稲が刈られ 稲架掛けされ畔には彼岸花が咲き始めている
南房総の季節の移ろいは早い 間違いなくもう秋が来ているのだ
そう言えば 近隣の道の駅ではすでに今年の新米が出回っている
「新米」という言葉の響きに心が躍るのも
日本人ならではの感覚なのかもしれない 新麦や新じゃがもあるけれど
「新米を食べる」ほどのテンションはない ような気がする
新米を丁寧に研ぎあげて土鍋で炊 炊き立てを食べる
新米に豪華なおかずはかえって要らない
お新香やおいしい卵 塩辛やしらす干し 上手に仕上げられた梅干し…
炊き立ての新米をおいしく食べる術を
日本人はなんて豊かに知っているのだろう

ちなみに仕事の新人のことを「新米」と呼ぶけれど
お米が起源とする説の他に「新前(新しいもの)」「新前掛け(新人の奉公人)」「江戸に増えた新人と米」と諸説あるようです
 
実りの秋 読書の秋 運動の秋 芸術の秋
秋の入り口に立って 「豊かさ」とは何だろうとこの時節だからこそ改めて考える9月
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