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夏の少年


町に来てから一ヶ月が過ぎた。
カカオの収穫シーズンが終わってからというもの、食べることと寝ること以外はしてない気がする。


さてバウレスの人たちは、だいたいいわゆる田舎の仕事をしているのだが、日本の田舎よりもより自給自足に近い印象を受ける。

例えば、野菜や果物は家庭菜園があるし鶏もいる、牛はよく辺りを歩いているし(ボリビアでは放牧が一般的らしい)、近くのアマゾン川支流ではいつも釣り人たちがいる。

何かの祝いや集まりで料理がたくさんあったりすると、隣近所に持って行ったり貰ったりしている姿もある。

日本でも昔はあったよな。
昭和生まれの田舎育ちなので、子供のころに地元で見た光景を思い出す。
父の友人や近所の人が、よく野菜などを自宅に持ってきてくれていたな。

ん?
そういえば。
夏休みってこんな感じだったような。

暑くてかゆくて夜眠れず、日中やることと言えば食べて寝るだけ。
今日が昨日と違うことを知らせてくれるのは、変わりやすい空の様子くらいだ。

特に何かするわけでもない今の生活が、なぜだかとても自然に思えた。

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