とても深刻な状況なのに、「ふふ」って出てくる笑いがある。つい先日、ある女性の話しを聞いていると、「ふふ・・・・なんなんでしょうね」と薄笑いを浮かべながらうつむいた。 緩和ケア病棟でも、患者さんが自分の状況を話して、少しの沈黙の後に、薄笑いを浮かべながら「ふふ、もう あれなんですかね？」なんて言った人もいた。 深刻な状況に置かれた人から出る「笑い」とは何だろう。「笑い」という表現に含まれがちな「喜び」「楽しい」「愛」というポジティブな感情とは明らかに違う。でも笑う。 以前
愛染明王というと、恋愛の仏さまとか、愛のキューピットとか言われることがある。でもその割には怖い顔をしている。 僕の師僧の寺の愛染明王は、僕が見た愛染明王のなかで最も怖い顔をしている。どうしてこんな顔して恋愛の仏さまって言えるの？って僕は小僧としてご飯やお茶を運びながら思った。 そしていつのまにか僕は念持仏として拝むようになっていた。年がたてば経つほど、この仏さんとの出逢いは、僕にとって宿命のように思えてならない。 ただ、残念なのは、愛染さんはみんなに誤解されているのが残
チベットで知り合った小寺泰男さんは、チベット人としての名前はニマさんだった。理由を聞いたら日曜日に生まれたからってシンプルな理由。 僕の生まれたときの名前はKaoru。２人の兄の次に３人目こそ女の子という親の期待はそのまま名前に残された。それなりの愛着もあった。 しかし僧侶になって、僕の名前には一文字も生まれたときの名前の文字も姓の文字も残っていない。せめてここにだけは残しておこう。
