【エッセイ#15】失敗だらけの家庭内金融教育
子どもたちに、お金の流れを伝えることで、世の中にある課題を知り、解決方法を考えられるようになってほしい。そんな思いで、フィナンシェの会として情報発信を続けています。でも、自身の家庭でなんでもうまくいっているかというと、そんなことはないのです・・・。お恥ずかしながら、過去の失敗談をご紹介します。
■失敗1:「〇〇」と言ったら10円
7歳と4歳という、まだまだ幼い子供たち。喧嘩することもあれば、売り言葉に買い言葉で、あまり外では言ってほしくない言葉を発することも多々あります。そんなとき、ついつい親としてこんなことを言ってしまいました。
「今度、〇〇(言ってほしくない言葉)って言ったら、その度に10円もらうからね!」
10円とは言え、子どもたちにとっては大金。100円玉を持っていたとしても、10円がなかったら買えなくなるお菓子がたくさんあるからです。その罰金制度の効果は抜群。子どもは「〇〇」という言葉を発することがなくなりました。時々、その言葉の一文字目まで発してしまい、「あ、今何にも言っていないよ!」と気付くこともあります。
しかし、その副作用もありました。姉妹でお風呂に入っているときの事。シャワーで顔を濡らしたとか、濡らしてないとかで喧嘩を始めたんです。その時に、姉が「濡らしたから、10円もらうからね」と言い、妹が「怒るんだったら、10円もらうからね!」と言うんです。こんなふうに自分にとって良くないことが起きたら罰金! のように言う癖がついてしまうのは、やってはいけないことだったんだなとこの時反省させられました。
■失敗2:厄介なおまけのおもちゃ
外食先のレストランやファーストフードで付いてくるおまけのおもちゃ。プラスチックの物がメインで、家でも大事に使わないため、個人的にはもらってほしくないと思っています。そんな中、イギリスの幼い姉妹が、ファーストフード店に対して"Give us food, not plastic!”と伝えて、これをきっかけにファーストフード店がプラスチック玩具の比率を下げる取り組みを始めた、という記事を見ました。
このことを、子どもに伝えると「じゃあ、私もプラスチックおもちゃ、もらわないようにする!」と言ってくれたのです。でもいざお店に行くと「やっぱりほしい・・・、絶対遊ぶから!」。そして結局使わず…のサイクルが何度か続いています。自分のお小遣いで買うシール付きのお菓子は大事にしているのですが。
SDGsにもあるような「つくる責任、かう責任」はどうやったら身につくのでしょうか…。試行錯誤中です。
■失敗3:稼ぐタイプのお小遣いと自由に使わせるお年玉のバランス
昨年から、お小遣いは家の中の仕事をしてもらい渡す、お年玉は年間通して自由に使わせる、ということを姉妹でしてもらっています。先に始めたのは仕事形式のお小遣いで、年始にはお年玉を渡しました。
お年玉というある程度まとまったお金を得ると、その後働く意欲は失われるようで…。最近ではほとんど仕事をしなくなりました。大人からしても、大金が入ったら仕事は頑張らない、というのも不思議はないので、まったくその通りなのですが。
「仕事をしたらお小遣い」の狙いは、家族が困っていることを見つけて、それを助けると仕事になる、ということに気付いてほしい、というところにありました。これに気付くのは何年先になるでしょうか…。
一方で、お年玉という高額なお金を1年を通してやりくりしてもらう、という試みは、今のところ上手くいっているような気もしています。優先順位を決められる、数か月後のことまで考えられる、という力も身に付き始めているかもしれません。
■失敗ばかりだけども・・・
アイディアを思いついては、失敗ばかり。でも、やってみないと子どもの反応は分かりません。子どもの性格に合う、合わないもあるはずです。フィナンシェの会では、お家でお金を学べるアイディアをご紹介しています。下記のアイディアの中から、1つだけでもお子さんに合ったものが見つかると嬉しいです♪
たくさんの家庭や子どもたちに届けるため、可愛いイラストを使ったお金の紙芝居、海外事例の翻訳など、さまざまなコンテンツを作っていきたいと考えています!