平均への回帰
昔の部下であるM君の自宅にお世話になり、2泊3日のゴルフツアーである。
事件は最終ホールで起きる。長いミドルなので、ここは一番気合いを入れて「うりゃー」とばかりにマン振りしたら、ドライバーのヘッドの最下点がボールの手前50cmあたりになり、そこから急上昇していくヘッドの先に当然ながらボールはないのだ。
風圧でボールがころんとティーから落ちた。要は空振りだ。深いラフとか傾斜地とかなら今でもたまにあるが、まさかティーグラウンドでやらかすとは。
彼とゴルフ場へと向かう車の中で話していたのは「ゴルフのスコアはいつも似たようなレベルに落ち着きがち」という話だ。彼であれば90くらい、俺であれば95くらいに「何となく」まとまってしまう。そう言えば先週のゴルフも6番まで2オーバーだったのに、結局アウトは44で、80台を目指したインは大崩れで終わってみれば95だった。この仮説はかなり真実味があるということになり、途中までいいスコアが出ても落ち着いていこう、という結論になった。
アウトはM君47で俺が52、インは彼が43で俺44。二人でその仮説の正当性を示す傍証を提供しただけのスコアだった。俺も空振りが無ければ95で完璧だったのだが。