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【戦略コンサルタントの採用】伸ばすのが難しい能力

過去、組織リーダーとして戦略コンサルタント採用の面接官(新卒及び中途)をやっていた時に悩んでいたのは、
「どんな能力を持った人を採用するのが一番いいか?」
である。

正直、3時間程度の面談でその人の真の能力は分からない

話をしていれば、論理思考力やコミュニケーション能力の高低は分かるけど、そんなものは入ってからでも幾らでも鍛えられる

時々戦略スキルを勉強していて、戦略的に物事を考えられる人と出会うことがある。その時はいいねって思うけど、これもよく考えると、やったことがあるかないかだけの違いに過ぎない。

一方、話の論理はいまいちで、知識もそこそこなんだけど、すごい情熱と半端ないエネルギーがあり、なんか惹きつける力がある人がいる。

更には、時々すごい粘り強い人がいたりする。その人は、ケーススタディである店の売上をあげるための作戦を考えてと言ったら、全て架空の数字で売上の方程式を作り、膨大な詳細な数字の計算を我を忘れて一生懸命やっていた。おもわず手伝いたくなって、得意の暗算で計算結果を教えてあげたところ、
「ちょっと待ってください、iPhoneで検算します。おっ、綾小路さんすごいですね。あってます!」
と言われた。こっちが面接官なんですけどね。

究極的には、「その人と一緒に仕事をしたいと感じるかどうかだ」、という一見よさそうな考え方もある。ただこれはある意味無責任の思考停止であり、能力をちゃんとみることを放棄しているという見方もある。

「じゃあ、どうしたらいいのか?」

これは大変難しい問いである。ずっと悩んでいたある日、とある本を読んだ時に、一気に霧が晴れた。

その本には以下の表が載っていた。

伸ばせる能力と伸ばせない能力 『未来実現マーケティング』(PHP研究所)より。出典は、The Science of Dream Teams: How Talent Optimization Can Drive Engagement, Productivity, and Hapiness

「そういうことなんだな。伸ばすことができる能力は、採用してから伸ばせばよい。伸ばすのが難しくて、我々に必要な能力を持っている人。それが採用すべき人だ。

どういう人かというと、

知性が高く、
分析スキルを持ち、
創造性豊かで、
概念を構造化するのが得意である。

そのうえ
高潔で、
態度は自信に満ちていて、
エネルギー情熱がある。

こころには野心をもち、
ねばり強く何事も成し遂げる。

よくないっすか?

逆に、自分もこういう人になろうと、日々これを眺めて自省している最近の私である。


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