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ある日のお話 Apple Story S+h編①

定期コーナー『ある日のお話』
アプリ【S+h★LOVE】(現在は配信終了)にて配信されていたバックヤードの裏話、”Apple Story”を再掲いたします。

<毎月1回/月初更新>
月額マガジン「S+h&Frep FUN!FAN!FIN! for WEB」に含まれます。記事単体でもご購入いただけます(200円)。

今月は相川くん、沖田くん、垣内くんがStarburst!オーディションの一次審査を突破し、ファイナリストを目指していたころのお話、
『2014年3月』をお届けします。

◆Starburst!オーディションとは?
新しいアイドルグループをデビューさせるオーディションプロジェクトです。過去のFINが行ってきたデビュープロジェクトとは違い、
FINに所属する研修生だけではなく、一般からも参加ができます



相川玲編【2014年3月】

このシナリオは相川玲目線のお話になります

相川玲:19歳(2014年3月当時)。中2でFINの研修生になり、現在大学1年。研修生公演では常に最前列に立つ人気研修生だが、なかなかデビューができずにいる。シンメの峻介といっしょにStarburst!オーディションにエントリーした


三島峻介:19歳(2014年3月当時)。中2でFINの研修生になり、現在大学1年。玲とは中2のころからシンメ(立ち位置が左右対称となる2人組)を組んでいる


事務所の廊下を歩いていると、後ろから肩を叩かれた。

三島峻介
「玲、おはよう」

相川玲
「峻介」

峻介が笑顔で横に並ぶ。

三島峻介
「どうした? 難しい顔して」

相川玲
「難しい顔してた?」

三島峻介
「眉間にしわ寄ってた。なんかあった?」

相川玲
「いや、実は大学でレポートが書き直しになっちゃってさあ。
超ユーウツになってたんだよ。峻介、手伝ってくれない?」

三島峻介
「資料集めなら手伝うけど、書くのは自分でやれよ」

相川玲
「はあ……どうしよ……あ、そうだ。
俺、ちょっとマネージャーのところに行ってくるから
お前、先にロッカールームに行っといて」

三島峻介
「うん、わかった。先に行ってる。じゃあな」

相川玲
「おう」





会議室へ向かい、ドアをノックする。

相川玲
「失礼します。芥川さんいますか?」

芥川マネージャー
「あ、相川くん!」

この人は俺と峻介のマネージャー、芥川さん。
俺と彼との付き合いは長く、もうかれこれ5年になる。

相川玲
「あの、この前のドラマのオーディションの結果……」

とたんに彼が軽い調子で大きく指を鳴らす。

芥川マネージャー
「あれね、もうね、超惜しいっ! って感じだったよ~~。
でも、プロデューサーが急に童顔の子が欲しいとか
妙なワガママ言い出しちゃったらしくて。
現場は相川くんを推してたのにさあ。ホント残念だったね」

これはウソ。
この人はいつもだいたい軽いが、ウソをつくときは更に軽くなる。
たぶん俺はかすりもしなかったのだろう。

相川玲
 「いや~たぶん、そうじゃないかなと思ってたんですよね~。
さっき廊下で種村が決まったって聞いたんで、
じゃあ俺、ダメだったのかな~と」

芥川マネージャー
「え、誰が言ってたの?」

相川玲
「種村が中島さんと話してました」

そう。
峻介と会う少し前、俺は偶然階段の下でその会話を聞いてしまっていた。

芥川マネージャー
「中島のヤツ、不用意な場所で話すなって言っておいたのに……」

相川玲
「あ、いいんですよ、別に気にしてないっす。
種村が決まったなら、やっぱあの役は若い子が欲しかったんでしょうし」

芥川マネージャー
「若い子って、相川くんもまだ19歳でしょ。十分若いよ」

相川玲
「でも、種村は16歳ですよね。最近はもう若手に押されっぱなしですよ。俺、今年でハタチになっちゃうから、アイドルとしてはもうオッサンだし」

芥川マネージャー
「ちょっと、ちょっと~俺なんてもうすぐ三十路だよ~~。
19歳でオッサンだったら、俺なんてオジーチャンじゃ~ん!」

相川玲
「そういえば芥川さん、チーフ昇進おめでとうございます♪」

芥川マネージャー
「ありがとうございます♪ 
でもさ、あのドラマ決まらなくて良かったかも。
これでスターバースト!オーディションに集中できるじゃん?」

相川玲
「そうですね。俺、たぶんこれがラストチャンスなんで、頑張らないと」

芥川マネージャー
「大丈夫大丈夫! ラブ様は絶対合格するって!
つーか、1位狙えんじゃね?」

相川玲
「いや、そんな甘くないでしょ~」

芥川マネージャー
「いいや。相川三島シンメを柱としたユニット以外考えられない。
社長にも常々主張してるからね。絶対に入る!
そーゆー気持ちでいこうぜ、オーライ?」

相川玲
 笑 「そうですね。気合入れていきます!」

芥川マネージャー
「で、俺がそのユニットの担当マネになれたらラッキーじゃね?」

相川玲
「はははは。芥川さん、その前に彼女をひとりに絞ってね」

芥川マネージャー
「やべー。アイドルに生活指導されちゃったよ」

相川玲
 「じゃ、俺、着替えてくるんで失礼しまーす」

もし、今年でデビューが決まらないようなら引退しよう。
峻介にそう言おう。
俺は心に決め、ロッカールームへと歩き出した。



沖田奈緒編【2014年3月】

このシナリオは沖田奈緒目線のお話になります

沖田奈緒:18歳(2014年3月当時)。もうすぐ高校を卒業予定。高1で茨城から上京してFINの研修生になった。子役からキャリアをスタートさせる研修生が多いためキャリアが浅く、研修生公演はずっとアンダーだったが、ようやくレギュラーに昇格できた

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