読書感想 『傲慢と善良』
この作品を語る上で、タイトルでもある「傲慢」と「善良」それぞれが物語の中で何を意味するのかを語ることが、そのまま作品のテーマを語ることにもなるので自分なりの解釈でまずはこれを端的に表現してみたいと思う。
傲慢とはすなわち「他人に対して理解を示そうとしない態度」のことであり、善良とは「他人本位の考え方や態度」のことである。やや乱暴ではあるが、この物語の中ではそう解釈してみる。
主人公の真実は現代人の象徴あるいはデフォルメした人物像としてこの「傲慢と善良」を矛盾なく合わせ持つ