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The Big Sandy News (1910/6/17)

ウィスコンシンでの伐採― 北部の伐採キャンプでの東部ケンタッキー人の体験

北部ウィスコンシンの森林地帯以上に伝説が豊富な地域は他にはない。しかし、かつての 「木こり」はいなくなってしまって、現代的な伐採人が活躍するようになっているので、伝説は急速に失われている。放浪癖があった私は、北部を旅した時に幸いにもポール・バニヤンの有名な伐採キャンプに転がり込んだことがあった。科学的な木こりに大きな需要があったので私はポール・バニヤンのキャンプですぐに仕事を見つけることができた。ポール・バニヤンの有名な伐採キャンプの完全な歴史を私の実際の経験からあなた方に伝えようと思う。

ウィスコンシンの北部地域全体に大いなる青い雪が平均40フィート[12m]も降り積もった冬のことであった。燃えさかる薪ストーブの周りで語られた昔話は、印刷して保存する手段を採用しなければ忘れ去られてしまうだろう。昔の木こりたちはフランス系カナダ人やメイン人、そしてミシガンの深い森林からやって来た男たちであり、誰もがその道の専門家だった。彼らは大きく赤い血潮を持つ勇敢な男たちであり、林業を生業としていた。それは人の関心を引く危険な仕事だった。彼らは度胸があり想像力が豊かであり、優れた身体能力を持っていた。北部ウィスコンシンの「我々のキャンプ」で働いていた男たちは、メイン州で伐採したことがあり、オタワ川の急流を下ったことがあり、ミシガンの森林を丸裸にしたことがあり、北部で最後のストローブマツを今、切り倒している。こうした男たちは、ポール・バニヤンとその有名なキャンプについて語ることができる。木こりの有名な伝説のほぼすべての中核にポール・バニヤン、サイド・ヒル・ゴージャー、ハイド・ビハインド、スワンプ・ボガー、スノー・スネーク、ホー・ドッグなどがいる。ポール・バニヤンのお話は数え切れないほどある。この有名な木こりの英雄の伝説は、今日でもキャンプで話されるあらゆるお話の中心となっている。彼の偉業は、北部ウィスコンシンのあらゆる枕木伐採キャンプ、あらゆるスギ伐採キャンプ、あらゆるストローブマツ伐採キャンプに関係している。それぞれのキャンプは独自の一連のお話を持っていて、キャンプからキャンプへ渡り歩く男たち―放浪者の木こりたち―は、そうしたほら話を長い冬の夜に燃え盛る鉄のストーブの上に靴下を吊るして乾かしながら交換する。9月、バニヤンは有名な伐採キャンプをパイン川とブルール川の合流地点のに設置する。それはかつて作られたキャンプの中でも最大のキャンプであった。ポールは3,000人の男たちを鉄の統制の下に置いた。彼は身長8フィート[244cm]、体重300ポンド[136kg]に達した。彼の声はまるで雄牛の唸り声のようであった。彼が話すとキャンプに雇われているあらゆる男たちが飛び上がった。彼が叫ぶと、その騒音は木々の枝を払い落とした。ポールは重度の喫煙者だったようだ。彼はパイプと1ブッシェル[35l]のタバコが入ったボウルを持っていた。さらに忙しくタバコをパイプに詰める助手を1人使っていた。彼はいつも真の木こりの証であるピアレスを吸っていた。

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