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自主隔離1週目 オンラインで課題提出と新たな出会いと

日本に一時帰国をして早10日ほど。気持ちの整理は少しずつできているものの、一日の中でふと「なんだかなー」と気が滅入るひと時があるのも事実。とはいえ連絡を頂いたり、提出期限を延ばしてもらった4つの課題提出などに取り組んでおり、振り返ってみれば充実した時間を過ごす事ができています。

クラスメイトたちとのつながり

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今回のトップ画像でも使ったこの写真はクラスメイトたちとZoomで電話をした時のものです。地図上で言えば東の果てはオーストラリアから西の果てはコスタリカ、時差は最大17時間に散らばったクラスメイトたち。と言ったら随分と遠くに離れてしまったと思いましたが、Zoomを使って上記の様にお互いの顔を見る事ができてホッとしました。

おそらくこの「ホッと」する感覚こそ、コロナウイルスで先行きが不透明な今において、これまで以上に大切なのだなと通話後に思いました。「いつスイスに戻れるだろうね」という話題には誰もが言葉を失ってしまいますが、「まぁスイスで再開した時は飲み明かそう!」という楽しみな約束を交わしております。前向きになれる仲間たちの大切さを改めて実感しました。

4つの課題提出

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2月下旬に授業がすべてオンライン化され、3月中旬までスイスの山中などで過ごしていたこともあり、学校側が配慮してその期間中の課題の提出期限が全て昨日3/29まで延ばして下さいました。

特にスイスのログハウスにいた期間はログハウスメンバーと受講していたものの「この先どうなるんだろう」という不安から授業の内容が全く頭に入っておらず。そして日本へ移動していた合計24時間ほどの間にも講義を聞けていなかったので、課題に取り組み始めた時にポカーンとする事が何度も…

とはいえ自主隔離をしている学生の身で時間はたっぷりあるので、たっぷりと時間をかけて以下の通り課題を提出しました。

Sports Sustainability:サステナビリティ活動に取り組んでいる競技団体とその詳細を紹介せよ

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ワールドセーリング(国際連盟)の取り組みを紹介。大学時代に半年間アルバイトでお世話になったセーリング界など、自然との共存が不可欠な競技は「形式的」ではなく「本格的」に取り組み続けていることを知っていたのが幸運。

とはいえ私と同じ理由でサーフィン業界について調べたクラスメイトとは「自然保護については明確に記載されているけど、人材育成や永続できる経営の仕組みについては弱かったよなー」という反省点を共有しました。ということは今のところ持続可能な「自然保護」「人材育成」「経営基盤」の3本柱を構築することはスポーツ業界では取り組んでいる最中だという結論に。

以下リンク先にワールドセーリングの公式サイトに取り組みがPDFにて紹介されているので、ご興味ある方はぜひご覧ください。

Sport Technology:①リーグが自前のOTTサービスを立ち上げる際のメリットや課題、②サッカークラブがファンの満足度を向上するために活用できるアプリやその他テクノロジーを用いたサービスを紹介せよ

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①NFLの公式プラットフォームGame Passにて同リーグが国際展開したいのであれば現状の英語のみならず、多言語の実況解説を選択できるようにすべき。②Club JリーグやBリーグのスマチケなどを紹介。

①はネットで調べたところカナダではツールドフランスを英語かフランス語の実況で視聴できたりNFLも一部の試合は異なる実況解説(ともに英語)から視聴者が好みの実況解説コンビを選択して視聴できる環境もあるとのこと。それならばまずはスペイン語をつけることから始めましょう、という提案でした。

②はイギリスとイタリアにてチケットを購入する際に各チームの公式サイトから個別に購入する必要があり、JリーグやBリーグのようにワンストップなサービスが欲しいという経験から両サービスを紹介しました。とはいえ両サービスの課題は英語対応でしょうか。今後インバウンド観戦者のさらなる増加を実現するには、便利な両アプリが英語対応して欲しいなと思いました。

Sport Event Management:スポーツイベントの事業計画書を作成せよ

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デルピエロやバティストゥータ、中田英寿などゴルフ好きのレジェンドたちが観光地での食事やゴルフ大会を通じて再会を楽しむ模様を番組化して全世界に配信することでイタリアへの観光を促す(もちろんコロナウイルスが全滅してから実施)。

コロナウイルスで壊滅的な被害を受けているイタリアにおいて、GDPの約13%を占める観光業の復興支援を目的としたセリエAのレジェンドたちによる全7試合のゴルフツアー。レジェンドたちが「再会を楽しむ」部分を強調し、視聴者の方々が「そうだイタリア、行こう」と行動につなげられるかが企画のカギ。

しかし、この課題は企画だけではなく、協力企業や経費、諸々の作業スケジュールなどを明確に示した「事業計画書」を提出すること。しかもこの授業がまさにスイスのログハウス生活と日本へ移動中に実施されていたので頭を抱えた課題でした。共有フォルダにアップされている授業のスライドやネット上の資料を頼りに、企画ありきで費用などの数字は実現性を考えずに後付けするという明らかに失敗しそうな事業計画書になりました…

前職の10年間では「面白いことを真剣に考える」ことを楽しみながらしていた反面、大きなお金を背負って事業をするという経験はあまりしていなかったので今回の課題は良いチャンスだったからこそ残念無念。

Sports Management in Action:スポーツ団体のエコシステム(共存関係)を明示し、その関係強化のための施策を提案せよ。

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卒業研究のグループで取り組んだこの課題は、1人がセリエAでぶっちぎりの8連覇中であるユベントスサポであるためユベントスで取り組むことに。ファンとの関係強化(=満足度&会員数&収入増加)のための施策を考えるのはよくある課題なので新鮮味は薄かったのですが、リーグとの関係強化については大いに考えさせられました。

リーグ全体の繁栄を考えるのであればリーグ管轄の放送権収入は各チームに大きな差はつけずに分配したいところ。しかし上記の通り現在セリエAを8連覇中のユベントスからしたら「俺たちの試合がドル箱なんだから放送権収入もぶっちぎりにもらえてしかるべき。さもなければセリエAを脱退して欧州スーパーリーグが実現したらそちらに移ってセリエAはユベントス無しの魅力に乏しいリーグになって廃れますよ」という駆け引きができるのでは、と考えました。

日本のプロ野球界における巨人戦の放映権収入がセリーグ球団の大きな収入源だった状況が変わってきている(完全に変わった訳ではないですが)状況を思い出したものの、それはあくまでも巨人軍以外の立場から考えた場合。巨人戦がぶっちぎりのドル箱興行だった時代にもしセリーグの放送権収入がリーグ管轄だった場合、巨人軍に対して「放送権は平等分割しましょう」だなんて言ったらどうなっていただろうと思いを巡らせました。

この展開になると昇降格が無いリーグ構成と、昇降格があるリーグの生存戦略は異なるのではという話になって当課題から脱線してしまいます。そのため今回の課題では「ユベントスとしてはセリエAの運営組織に対して競技成績に相応しい放送権寮の配分及び、他国のリーグとの交流促進を求める」という「さもないとスーパーリーグの実現を進めちゃうゾ」という提案にしました。

私はリーグ運営に興味があっていつもその方面ばかりから物事を考えていたので、昇格や降格という大きな経営リスクに日々立たされているクラブの立場になって物事を考える(ユーベの場合は余程のことが無い限り降格はなさそうですが)貴重な機会になりました。

「#スポーツを再発見しよう」に参加させて頂きました

noteとTwitterを通じて繋がらせて頂いた西原雄一さんがお声がけくださり、一方的に知っていた方々とスポーツの価値についてお話しさせて頂くという貴重な機会を頂きました。

詳細は以下にて西原さんが@j_chan_onさん渾身のグラフィックレコーディング付きで紹介してくださっているのぜひご覧ください。

事前に西原さんから議題を頂いており、この半年間の授業ノートを振り返っていました。「せっかくFIFAマスターでたくさん学んだから、かっこいいことを言いたい」と思ったものの、小難しいことを話す教授の授業はポカーンとしていたことを思い出しました。そして前職にて夕方のローカルニュースのスポーツコーナーを担当させて頂いた際に、視聴者の目線に合わせつつも、合わせ過ぎないバランスを学んだことも思い出しました。

ということもあり、最後にスポーツの価値について考えた際に「日常生活あってのスポーツ」という単純な文言になりました。私は幸いにも「スポーツにかけるお金は生活の中において最優先ではない」ということをスポーツビジネスを専攻していた大学時代の授業や、前職時代でも常々意識する必要がありました。そして私たち日本人は2011年の東日本大震災においても人命の大切さを学びました。

だからこそ今は日常生活を取り戻すことが最優先であり、スポーツの試合や大会の延期や中止は避けられないと考えます。もちろん隔離生活や自粛などはストレスが溜まるので、こういう時こそスポーツ観戦をしてストレス発散したいものの、それが日常生活に支障をきたすのであれば我慢しなければいけません。我慢は強めの表現ですが、その先にある「スポーツを通じた楽しい時間」がいち早く訪れるためには、ここで我慢しなければどんどん遠ざかってしまいます。

そしてダルビッシュ有選手の言葉が全てだと思います。

初めてのコーチング受講からの今後どう過ごすか

「#スポーツを再発見しよう」にてつながった「お松さん」がコーチングの時間を設けて下さり、今回のコロナ騒動で留学途中で一時帰国することになり先行き不明な状況に腰が重くなっていた状況がスッキリしました。というと怪しい勧誘のようなので、コーチングについては素人の私が説明するよりも専門家である「お松さん」のnoteをご参照ください。

2050年までに日本で再度サッカーW杯を開催することに私自身がどう携わるかを考えたところ、まずはFIFAマスターというのも進学理由の1つでした。30年後の目標実現のためにサッカー産業が最も発達しているヨーロッパでの就職を考えて履歴書の用意や、4月にスイスへ移動してから多くの人に会おうと準備をしていたところでの一時帰国。しかもいつスイスへ戻れるか不明。

気持ちの整理ができないまま、ひたすら課題とFIFA20に取り組んでいた状況に「このままでいいのかな、課題とプレステ以外にも何か生産的なことをしないと」と思いつつも「今はまぁ一休みしようや」と囁く自分もいます。

つまりは行動を起こさない理由を探すというよりも、一つずつやれることを探していなかった状況をコーチングによって整理できました。せっかく帰国したので自主隔離期間が終わってからも会いたい人に会うことも控えようと思ったり、近所のラーメン屋に行くことすらもやめておこうという状況なのでアクセル全開にしたらストレス優先になってしまう。でも状況を噛み砕いてみたら求人情報を探したり、卒業研究の状況整理や文献を読み漁ることなどできることはたくさんありました。

今回のコロナ騒動で私自身の生活だけでも多くの物事が予想外の展開になってしまいましたが、お松さんとの出会いも含めて良い経験も多々ありました。特に初対面であるお松さんとの限られた時間内での会話にて最大限のコーチングをして頂くためには、まず私の状況を端的に説明する必要があります(既に当note記事が長くなっている通り苦手です)。

そんな貴重な機会をくださった「お松さん」、そしてつながるキッカケをくださった西原さん、どうもありがとうございました!

実際のところ今後どう過ごすか

いつスイスに戻れるか不安になっている時間ももったいないので、オンラインの授業で可能な限り多くを学び、卒業研究も逆に今だからできることを探しては実行していければと思います。

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卒業研究のグループでスカイプをしていた際にインド人のクラスメイトが得意のギターで歌ってくれてほっこりしました。物理的な距離はあれど、こうやってつながっていられることに感謝し、私たちの代だからこそ、こんな状況だからこそ学べることを前向きに学んでいきたいです。

言葉の選別が難しく、携わっている友人知人もいるため気安く言葉にしたくはないのですが、東京五輪を始め、多くのスポーツイベントが延期になってしまったことは見方を変えれば私たちに学生にとっては最高のケーススタディです。

そして、先日体重を測ったら昨年9月に渡欧してから5キロ減でした。これが良いのか悪いのかも「見方次第」ですが、久しぶりに食べる妻の食事はめちゃうまなので毎日ご飯をおかわりしては納豆とキムチがある生活を満喫しています。仕事と勉強と家事の三足の草鞋を履いている妻には感謝してもしきれないからこそ、FIFAマスターでの今後、そしてその後の就職活動を充実しなければと一時帰国して改めて思いました。

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渡欧してから何度も自分ひとりではなく、誰かと協力してこそより良いものができる、経験できるということを実感しました。引き続き卒業研究の仲間たちや、クラスメイトたちと力を合わせて最高の留学生活にできるようガンバります!

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