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レスター第12週 FIFAやイギリスの企業広報を学びサッカーとバスケ観戦も満喫

残りわずかとなったレスターでの日々を満喫するため、授業外では残りわずかとなった財布の中身とも相談しながらサッカーとバスケを観戦したり、最後の遠足に行ったり、寮ではいつもと違うクラスメイトたちとの夕食も満喫しました。

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FIFAの広報

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FIFAの広報担当者が来校。女性ファンと若年層の確保が重要なのはFIFAも他の競技団体と状況は同じでした。ではFIFAはどのように取り組んでいるのか。

ファン層の拡大だけでなく、2015年のFIFAスキャンダルなどで地に落ちたイメージを払拭するためにも他業界とのコラボも模索しているようです。例えば2019年女子W杯ではNASAとコラボし、上記の動画を作成。今後も動画配信を通じて女性や若年層に「FIFAって面白いことするよね」とのイメージを築いていきたいとのこと。

とはいえ最も試聴された動画はW杯期間中における試合のハイライトやゴール集でした。やはり4年に一度の祭典こそがFIFAが最も注目を集める機会(=収入源)です。例えば2018年の男子W杯での成功や失敗から、翌年の女子W杯ではハイライト動画も短長2パターンを用意すると大会期間中の平均再生時間が2.5倍になったとのことでした。

ソーシャルメディアの拡散力を用いた情報発信は当然で、FIFAはさらに5分弱のメッセージ性の強い「Sheroes」という動画シリーズを発信しています。この試みでは「試合ハイライトだけでなく、長尺のドキュメンタリー動画も需要がある」ことを確認できており、「FIFAの社会貢献」よりも「サッカーが持つ力」を伝えることが裾野拡大につながると考えているようです。

さて、上記の通りインターネットの時代ではありますが、テレビはどうなるのか?実はテレビの放送権収入が大き過ぎるため、大胆なインターネットへの転換が難しいとのこと。既存のテレビ局よりもインターネット配信を主としている企業から既存のテレビ放映権を上回る収入を得られるのか。

そのため今後はGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などの超大手が「スポーツを通じていかにデータを収集できるか」を考えるかで放送権・配信権の動向が左右されるようです。この4社間においてもスポーツ中継への姿勢はそれぞれ異なりますが、果たしてどうなることやら。

最小の予算で最大限の物語を描く「攻めの広報」

より多くの方々に発信するには「決して潤沢な予算が必要とは限らない」という事実こそインターネットが世にもたらした変化です。大規模な広告や派手な演出などは確かに効果があるものの「感情移入」ができる動画であればインターネットの「拡散力」で想像以上の方々に届けられます。

例えば有名人がカメラに向かって「差別反対」と棒読みするよりも、いかにして視聴者の日常生活に溶け込むかで説得力が変わります。つまり、より多くの方々を巻き込むためには様々な性別や人種に支持されることが不可欠です。だからこそ「多様性が求められる時代」なのだと実感しました。

英国スポーツ界における「守りの広報」

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さて、上記の通り「広報」とは「いかにして大会を告知して来場者やテレビ視聴者を増やすか」という側面が強いです。ところがどっこい「危機対策」も同じか、それ以上に重要だとも学びました。日本だけでなく、世界中、特にスポーツ界ではFIFAスキャンダルなどを始めとした汚職が公になる度にチームやクラブの「透明性」が問われています。

そのような状況における「危機対策」では何よりも「準備」が必要。不祥事が起きた際の対応策、記者会見における想定質問への応答などがまずは考えられます。そして「ピンチ」を「チャンス」に変えるのも企業広報の腕の見せ所。

2018年にスターバックスコーヒーは米国の店舗で発生した事件に対して最高の対応をしたとのこと。これは学校や新入社員の頃に学んだことと同じなのですが、他者に迷惑をかけてしまったらまずは謝る。そして今後どう対応・改善するのかを明確に伝える。個人間では短時間で解決されるかもしれませんが、企業間、ましては大企業になればなるほど関係者が増えて各地へ飛び火して自分の知らないところで話が大きくなってしまいます。

企業の評判が「有事」に寄って落ちてしまうのを最小限に留める「守備」と、その後いかに挽回させるかを「準備」することが重要とのことでした。

絶好調なレスターシティ観戦

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さて、現在プレミアリーグで2位と絶好調なレスターシティ対ワトフォードをクラスメイトたちと観戦しました。平日開催かつ気温は0度と極寒でしたが、アウェーサポとの緩衝地帯を除いて、32,312人を収容するスタジアムに31,763人が来場。

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冬場のサッカー観戦はやっぱり寒いのですが、夏場とどっちが良いのか考えさせられました。プレーの質は暑い夏場の方が落ちやすいので秋春制の方が良いのか?ファンやサポーターは極寒・豪雪地帯ではそもそもスタジアムへたどり着けない恐れはJリーグが開幕する2月末で私たちは経験している事実です。

特に新規ファンは足が遠のきやすいと考えられますが、今のレスターシティはチームが絶好調かつスタジアムも街の中心地から徒歩15分なので心配不要というのもまた事実です。今後もし調子が落ちてしまったら来場者数にどれほどの影響が出るのか。それとも大して影響はないのか、引き続きチームの調子だけでなく来場者数にも注目です。

レスターのプロスポーツを制覇

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レスターのプロバスケチーム「レスター・ライダース」の試合を観戦しました。バスケ開催時には収容人数が2,400人のMorningside Arenaに2,000人ほどが来場。これでサッカーとラグビーと合わせてレスターの「プロスポーツ」を制覇。

この規模の会場は私が大学時代にお世話になった「アジアリーグアイスホッケー」や前職にてバレーボールやバスケの試合中継で訪れた会場と同規模だったのでとても懐かしかったです。来場者はサッカーやラグビーと比較しても子供や学生が非常に多く、親も同伴しているので会場は「熱い!」というよりもアットホームでした。

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試合後には選手や監督とコート上で会話をさせてもらったのですが、子供たちは数分前まで試合が行われていたコート上にて試合球を使って遊んでいたり、選手からサインをもらっていました。このチームとファンの距離感の近さはビッグクラブでは安全面などから実現が難しいのですが、果たしてレスターライダースはこのままで良いのかとも思いました。

もっと多くの観客が訪れ、放送権や配信権の収入が皆無の現状を打破することで選手やチーム関係者の待遇が改善されるのでは。とはいえサッカーとラグビーの両チームと比べたら小規模な市場であり、すぐに改善ができないのも事実。なんだか今週は「事実」という表現を使いまくっておりますが、レスターライダースにとって現状は今の距離感こそ最高のサービス、おもてなしだと思いました。

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試合終了後はVIPラウンジでチーム幹部やキャプテンとも会話をさせて頂きました。VIP会費はチームの大切な収入源であり、選手たちも自身が「商品」である事実を理解しているため試合後に疲れていても笑顔で接していました。全選手が毎試合ラウンジを訪れているわけではありませんが、一言二言の挨拶ではなく、相手の目を見てしっかりと話し込んでいる姿を見て高い会費を支払っているVIP会員の方々の気持ちを少しは理解できた気がします。

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グッズショップは品数も種類も決して豊富とは言えませんが、前職の同期へのお土産としてキャップを購入しました。

チャッツワース・ハウス遠足

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昔々、貴族が住んでいて今は観光地となっている邸宅「チャッツワース・ハウス」をレスターでは最後の遠足として訪れました。(歴史などの詳細はwikipediaをご参照ください

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巨大なクリスマスツリーや世界中の国々がどのようにクリスマスを祝っているか部屋ごとに紹介しており最高の息抜きになりました。

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極東アジアな夕食会

このインスタ投稿をきっかけに、フィリピンと韓国と日本人の同級生で食事をすることになり、私はカレー担当。韓国人と日本/フランスハーフの同級生が白米を用意してくれて、久しぶりに白米で食べたカレーは最高でした。

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みんなで食べ物や飲み物を持ち寄ってワイワイできるのも全員が共同生活している寮だからこそ。フィリピンと韓国人が作ってくれたサラダも美味しかったですし、デザートで食べた焼きたてのクッキーもめちゃうまでした。

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食後にはモロッコとボツワナ出身の2人も合流して談笑。1月からのミラノではルームシェアや1人暮らしなどバラバラになるので、こうやって集まれる機会は減るのかと思うとしんみりしました。

高校時代の部室や大学時代の焼き鳥屋でみんなとワイワイしていた時間がどれほど貴重だったかを思うように、FIFAマスターの先輩方がレスターでの寮生活がどれほど楽しいかと話してくださった理由が深く理解できた夜でした。


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