レペゼン地球炎上商法から見る男性の性被害の考察

先日、なんとも衝撃的なニュースが飛び込んできました。
レペゼン地球というグループが、男性メンバーと女性メンバーの共謀で性被害をでっち上げたというのです。

レペゼン地球とジャスミンゆまの炎上プロモーションは“SNS上の告発”信憑性を激しく貶めた

これは男性メンバー「DJ社長」と女性メンバー「ジャスミンゆま」の2人の芝居で、ジャスミンゆまがDJ社長のセクハラをTwitterで告発したものの、実は作り話のセクハラ・パワハラを炎上させるマーケティングだったとネタばらしをして、二人が炎上したというもの。
この事件の問題は記事にもあるように、セクハラやパワハラなどの被害をオモチャとして被害者を冒涜したことにあります。

女性が性被害を悪用したという事実

この件で最も非難されたのはこれです。
ジャスミンゆまは女性の立場で「嘘の性被害」を告発したのです。
記事には、問題の本質としてこうあります。

もうひとつ、今回の騒動は大きな禍根を残した。ジャスミンゆまが嘘のハラスメント被害を告発したことだ。SNSが普及したおかげで、これまで権力に握りつぶされていた真実をSNSで発信・拡散することが可能になったが、今回の虚偽告発は、SNS上の告発の信憑性を著しく貶めた。

この「SNS上の告発の信憑性を著しく貶めた」には2つの側面があります。それは、

・本当の被害告発が届かない不安を女性に与える
・嘘の被害告発で人生を壊される不安を男性に与える

ということです。
告発するには相手がいるので、告発の信憑性を貶めることは、相手そのものを貶めることと同じなのです。

このツイートを見て戦慄が走りました。まさにこのバズりは、嘘をついている相手が「男性」だという一般の認識、そして嘘の被害告発で男性を貶める女性が少なからずいるという認識が一般にあることを示すものです。これがDJ社長との共謀でなかったら、完全な男性への加害なのです。
男性への加害で有名な事例は、はあちゅうの電通時代のセクハラ告発の流れからの童貞いじり炎上案件があります。彼女は自分がセクハラ被害を受けたのに男性に対してのセクハラには無自覚だったことが火種になりました。

はあちゅうのセクハラ告発大炎上まとめ(追記あり)

ジャスミンゆまは捏造という形で、はあちゅうは棚上げという形で男性を傷つけたのです。そこには女性が性被害を受けやすいことを女性の立場でありながら悪用したという共通項があります。
この共通項による炎上事例が増えたことで、女性の男性に対する性被害の事例が「レアケース」から「氷山の一角」となったのです。

男性の性被害はなぜ氷山の一角なのか

男性への性被害が露呈しにくい大きな要因は、女性へのセクハラは身体への実害を連想しやすいもの(セックスの性被害)であるのに対し、男性へのセクハラはそうでない(ジェンダーの性被害)ことです。
実害として見えにくいので表面に現れないのです。

性暴力を受けた男性が被害を認識できない「根深い理由」

この記事によれば、Metoo運動により日本の男性の性被害も少しずつ認知されるようになってきたとのこと。
しかしこれが広まるきっかけになったのはよりによって(語弊がある)あのはあちゅうです。彼女は女性の性被害告発を広める日本でのMetoo運動のきっかけを作ったついでに男性に対する過去のセクハラ発言も暴露して、Metooにより自分で自分の首を絞めたわけですね。

それでも男性の性被害は明るみに出づらいです。その理由は大まかに
1. 性被害は女性が受けるものという固定観念
2. 男性は子供の頃に大人に相談しない
3. 男性からの性被害の場合に混乱が生じる
というもの。

この要因だけ見ると、男女関係ないように見えます。しかし実際は、この記事には触れられていませんが、家父長制を世代間で引きずっている要因が大きいと思われます。
家父長制が存在するという認識の前提があるために、男性の家の支配が
「性被害は女性が受けるもの」
「(男は強くなければいけないから)大人に相談できない」
「男性からの性被害で混乱」
という思想を長年にわたって醸成し、男性自身が性被害を受けたという認識を阻害されてきたわけです。
これが歪んでくると、前回の記事のように宅間のような哀しい犯罪者を生み出すということになってしまいます。男性は性被害を認識できないことによって、加害者へと変貌しうるのです。

被害告発する女性側の責任

冒頭に挙げた記事には、最後に元NGT48・山口真帆さんのことに触れられています。そこには本当の被害告発が届かない不安を女性に与えてしまう懸念として、以下のように締めくくられています。

 もちろんすべての告発を即座に信用できるものではない。SNS上の投稿にはフェイクやデマもあり、全てを鵜呑みにすべきではないことは確かだ。だからこそ、レペゼン地球とジャスミンゆまは、虚偽の告発などすべきではなかった。あまりに軽薄で軽率な自らの炎上プロモーションの罪深さを、少しでも理解してほしい。

また、失念してしまいましたが、Twitterでも
「もし山口真帆の告発が後だったらどう責任を取るつもりだったのか」
という趣旨のツイートがバズっていました。もしそうだとしたら、山口さんは嘘つき呼ばわりされていたかもしれません。本当の被害告発で彼女を支えてくれる沢山の人たちがいた現実ですら新潟県にまで実害が及ぶ事態になっているのに、これが嘘として闇に葬られていたら、その影響と損害は計り知れません。

そして何よりも重要なことは、2番目に挙げた男性の性被害の記事の

性被害、性的虐待にあうこどもを思い浮かべると、少女をイメージするのが自然ですよね。ただ、少年も同じように性被害にあいます。同じように苦しみ、同じように訳がわからなくなり、同じように生きづらさを抱えます。

男の子とか女の子とか、男女の前に、1人の人間です。加害する人、被害を受ける人というように。

と、性被害に性差をつけてはならないということです。
女性の被害告発は、嘘はもちろんのこと、思い込みや勘違いであったとしても男女関係なく人を傷つける行為であるということを認識すべきなのです。


男性にも性被害は掃いて捨てるほどあると思います。僕が思うに、性被害告発は女性の特権であるかのような風潮は最早当たり前になっていて、性的同意や性教育を調べていても、男性の性被害が話題にすら上らないことに誰も疑問を感じないのはいくらなんでも異常です。僕自身も、この件を通して初めてはっきりと認識しました。
レペゼン地球のこの不祥事は、性被害が女性だけのものだという風潮に風穴を開けたと言えます。これは多くの男性が性被害を受けていることを認識するための大きな一歩であると信じてやみません。
女性の嘘の被害告発によって男性が泣き寝入りしている例は枚挙に暇がないでしょう。そういう現状を男性こそ告発して、変えていかなければならないのだと思います。

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