女性サイクリストが増えない?その原因とは

自転車YouTuberの間でたまに話題になる「女性サイクリストが増えない」ことについて。

女性が趣味として自転車にハマらない理由を考えてみたら女性人口を増やすヒントが見えてきた。〜それでも一緒にサイクリングがしたい人へ〜

この議論が交わされた際に僕は違和感を覚えました。なんかもうコレジャナイ感が満載の。
そこで今回は、僕なりに感じた女性サイクリストについての考察をしてみようと思います。

女性のロードバイクに対する抵抗を乗らない人から聞かない

僕がこの議論で特に違和感を持ったのがこのツイート。

女性用の機材やウエアが充実してないことは確かに問題ではあるんですが……これ、既に自転車に乗ってる女性の意見なんですよね。要は初心者でない女性サイクリストの不満なわけで。女性が自転車に乗らない理由とは関係ないよなぁと思ったのが違和感のひとつめです。
そしてふたつめの違和感は、女性サイクリストの発信に対して「参考になる」という反応は多いんですが、「これだ」という反応が皆無というところ。つまり、女性サイクリスト自身が自転車に乗らない女性のことがわからないという現状を浮き彫りにしているということです。

よく旦那が嫁に内緒で高い機材を買い、見つかって怒られるなどのツイートが流れてきますが、僕が思うに「興味のないものでお金がかかる」というのが大きいと思うんですね。

これが真理です(笑)
単純に興味がないから興味がない理由を聞きようがないんですね。
つまるところ、女性サイクリストが増えない理由を語られている今の状態は、女性サイクリストの独り相撲に終始しているということです。

自転車に乗らないけど興味を持つ女性達

実はそういう女性はたくさんいます。男子向けのマンガで有名な「弱虫ペダル」ですが、多くのサイクリストが知っての通り、根強い女性の人気があります。
弱ペダファンの女性の多くはキャラクターで掛け算(BL妄想)していますが、実際に弱虫ペダルの影響でロードバイクに乗り始めた女性は少なくありません。
彼女達は二次創作を好み、コスプレで総北や箱学、京伏など作中の学校の自転車部のジャージを手にする人もいます。つまりデザインやサイズ感については、不満を持つことはあっても女性が自転車に乗らない理由にはならないわけです。

さらにキャラクター好きが高じれば、東堂さんと同じリドレーや今泉くんと同じスコット、御堂筋くんと同じデローザなどに興味を持ち、ついにはロードバイクを始めました!となるわけです。キャラが好きすぎて自転車に乗るわけです。
東堂さんは人気の高いキャラなので、女子がリドレーに乗りはじめたという話はよく聞きます。

しかしどういうわけか、女性サイクリストはそのことに触れません。弱ペダファンの女性はロードバイクにそれなりに定着しているように思いますし、元AV女優のかさいあみさん等が「チームBUKKAKE」も結成しています。弱虫ペダルは女性サイクリストの鉱脈であることに、どうも目が向けられていないようです。

自転車乗りには性的魅力がない - 女性側の理由

端的に言って、これが女性サイクリストが増えない主な要因だと思います。

ここで言う「性的魅力」は単純にセクシーということではなく、男性・女性それぞれの性の持つ異性を引きつける力、言ってみれば「特性」のことです。

巨乳の炎上に見る進化と文化のミスマッチ

女性サイクリスト増加の壁とよく似た構図で確保が阻まれているのが献血です。献血PRポスターの宇崎ちゃんに対して太田啓子弁護士(@katepanda2)などが「環境型セクハラ」と主張していますが、客観的に見れば必要以上に性を嫌悪して献血を妨害しています。これと同じで、やはり女性サイクリストの間でも、性を必要以上に嫌悪している風潮があるように感じます。

アル・クーパーらがスウェーデンで行った「性的オンライン活動についてのアンケート」によると、主な活動として「エロ画像・動画を見る」と回答した割合は、男性は37%で最も人気だったのに対し、女性は6%にすぎなかった。女性に人気なのは「恋人やセフレと連絡を取る (21%)」や「同じ性的嗜好の人達とチャットする (17%)」である。
女性に人気の職業とはなんだろうか。正確に言えば「女性が性的に消費する人気の職」のことである。ここでもまたロマンス小説が役に立つ。
アンソニー・コックスとマリアンヌ・フィッシャーは1949年から2009年までのロマンス小説、計15,019作の作品名を分析した*8。この調査結果の中に、頻出する職業トップ20がある。
「カウボーイ」や「牧場主」「保安官」あたりはいかにもアメリカらしい。以降には「兵士」「弁護士」「海賊」と続く。
この結果について著者らは、「資産」か「たくましさ」が求められていると分析している。また、「ボディーガード」や「保安官」「弁護士」などは庇護のイメージから「たくましさ」に通じるのではないかと考えている。
したがって女性向けの性的なキャラを作るのならば、ただのイケメンではなく、「金持ち」*9で「強者」の印象を与えるようなデザインであることが望ましい。

つまり性的魅力へのアプローチは男女で根本的に違うわけですが、女性の(男女どちらに対しても)本来求める性的魅力は、一言で言えば「安心感」であることがわかります。
上記の記事は性的魅力へのアプローチの男女差を「性的キューの違い」と表現していますが、女性サイクリストはこの性的キューによって安心感を人ではなく機材やウエアに求めている。つまり男性(の性的キューによるアプローチの対象)が排除されているという点が、太田弁護士と女性サイクリストに共通している部分なのです。
男性サイクリストは、女性サイクリストが性を必要以上に嫌悪する故に、結果的に信用されていないわけです。

自転車乗りには性的魅力がない - 男性側の理由

この現実に男性サイクリストはもっと抵抗して発信すべきです。ところが男性サイクリストにも性的魅力がない故に自転車界隈の内と外にミスマッチが発生し、自転車YouTuberは内輪ネタに終始して自転車界隈は狭いものとなっています。そのせいなのか、女性サイクリスト増加について言及している男性自転車YouTuberはほとんど見ませんでした。
人気のけんたさんですら「影響力があるんだから考えて行動してほしい」と一般サイクリストから苦言を呈される体たらくです。自転車YouTuberのやっていることは内輪でネタを披露し、荒サイ近辺の狭い世界での馴れ合いです。
これで男性サイクリストに魅力を感じるでしょうか…非常に疑問が残るところです。

女性サイクリストが増えない女性側の理由として「過剰な性への嫌悪」を挙げましたが、男性側にも理由があります。冒頭の記事では機材について触れられていますが、この機材というのは、男性にとっての性的キューによるアプローチの対象として「(身体の)パーツ」に当たるものです。

自転車はインドア趣味です。要するに、機材に興味を持つ点では人ではなく機械(電車)に興味を持つ鉄オタと同じで、つまるところオタク系趣味のひとつです。
「鉄オタには自浄作用がない」とよく言われますが、その主因は、ハマったきっかけ(性的キューによるアプローチの対象)が人ではなくモノだからです。これと同じことが男性サイクリストに起きて自転車界隈を形成していると考えるのが自然です。影響されたのが人ではないので行動が変わらず、男性サイクリストは性的魅力を身につけることができないと思われます。

自転車の男女混合チームでは、色恋沙汰によってチームが崩壊する案件をよく聞きます。これは性的キューによるアプローチの対象が、男女ともに機材やウエア(人ではなくモノ)に向いているので男女が繋がらずミスマッチを起こしているのです。
元々が性的魅力を男女ともに機材や道具に求めているので、男性は性的魅力が女性にいきなりシフトするバグを起こし、女性はモノに性的魅力を感じるバグのせいで男性を性的に嫌悪するエラーを吐き出すのです。

サイクリストは男女ともに、性的魅力をモノに求めているバグ人材がマジョリティであることが、ファン層が片方の性に偏る(女性サイクリストが増えない)原因であると言えそうです。

性的魅力のなさが機材ミスマッチを誘発

このように、性的魅力がないことにより男女間のミスマッチを誘発していることが、女性サイクリストの増えない要因として述べました。
ここではさらに、人と機材のミスマッチについて考えます。

ロードバイクの選び方は、だいたいが用途とサイズ(体格)、そして好みということで決まるとされています。選び方の例でワイズロードのwebを載せますが、一般的に言われるロードバイクの選び方はこれと大差ないはずです。

【初心者向け】ロードバイクの選び方!

しかし一般的なロードバイクの選び方は、その人の現状や特性が考慮されません。つまり大抵は赤の他人が自分の体の一部にもなるロードバイクを選ぶ手伝いをするので、機材ミスマッチを起こしやすいのです。
その結果、こういうことが起こります。

弱ペダファンの女性がロードバイクに乗り始めることと定着することはまったく別だということです。アニメキャラが自転車を選ぶ手伝いをしてくれるわけではないので、機材ミスマッチを起こしてしまったと考えられます。

実際には、その人の体力や精神面が考慮されなければいけません。それを理解している自転車業界人や男性サイクリストがどれだけいるでしょうか。僕はそこを考慮できることが性的魅力のひとつだと考えます。

僕のフォロワーさんで、長年信頼する自転車屋さんで機材を選び、機材マッチングに成功した女性の例です。この機材はエンデュランスフレームでアルテグラ組だそうですが、この自転車屋さんにある意味性的魅力があったと言えるでしょう。だからこそ適切な機材を選ぶことができたのです。

2016 DOMANE 4.5

ドライブトレイン
シフター Shimano Ultegra, 11 speed
フロントディレーラー Shimano Ultegra, braze-on
リアディレーラー Shimano Ultegra
クランク Shimano RS500, 50/34 (compact)
カセット Shimano 105, 11-32, 11 speed

僕の経験と併せての見解ではありますが、体力面に不安がある場合、あるいは発達障害や精神疾患がある場合、選ぶべき機材はアルテグラが最低ラインと考えます。ところが多くの人が自分への理解が甘かったり自分を低く見積もったりして、105等の機材を選んでしまうのです。そうして機材ミスマッチした結果が、部屋でオブジェ化する末路です。

それというのも、男性サイクリストに性的魅力がないことによって、自転車の乗る人に寄り添った機材選びができないことが女性サイクリスト増加の障壁になるのです。
また女性サイクリストについても、影響された実在の相手がいないことは性的魅力を持ち腐れにすることになり得ます。その一次障害の結果として、機材ミスマッチという二次障害に繋がるのではないかと思うわけです。

最終的に「誰が乗ってるか」

女性サイクリストの多くは、彼氏や旦那の影響でロードバイクに乗り始めています。冒頭の記事のPちゃんさんもそうです。
また、弱ペダファンの女性は自分の好きなキャラが自転車に乗っているから自身も自転車に乗り始めるのです。
ここに共通するのは「性的魅力」です。女性サイクリストのパートナーは言うまでもなく、弱虫ペダルのキャラにも女性から掛け算妄想されるほど性的魅力があるから自転車に乗るに至るのです。そこに機材やウエアの条件は関係ありません。そんなのはハマってからでも取り返しのつくことです。

弱虫ペダルは男子向けマンガなのに女性ファンが多いのです。プリキュアは女児向けアニメなのに男性ファンが多いのです。これは人(キャラ)が大きく影響しているからに他なりません。
また、男性向けのアイドル趣味でも、AKBグループや坂シリーズは女性ファンが定着しています。物量(メンバー数)で女性同士の性的魅力へのアプローチをしやすくしていることが大きく、ファンに推しが出来やすくなっています。
共通していることは「この人がいるからファンを続けられる」ということなのです。

多くの女性サイクリストが自転車に乗り始めたのは、これと同様に「誰かが乗ってるから」です。それが彼氏か旦那(実在)か、あるいは弱虫ペダルのキャラ(非実在)かの違いです。
ただ問題は、影響される人物が実在する場合に、その影響が極めて限定的であるところです。男性サイクリストが自転車趣味に引き込める女性は、彼らのパートナーしかいないのです。
現実の男性サイクリストが性的魅力で弱虫ペダルのキャラに完全に敗北を喫している現状で、女性サイクリストが増える理由が存在しないのです。

また、女性サイクリストは女性サイクリストで、始めたきっかけが人からの影響が薄かった場合、男性サイクリストと同様のバグが発生します。端的に言えば、自分が人に影響されなかったのに、自転車趣味の外側の他人に影響を与えられるはずがないのです。


思うに、自転車界隈は人と人のマッチングが上手くいってないことが、女性の参入障壁になっているように見えます。男性サイクリスト自身の魅力、そして女性サイクリスト自身が女性の呼び水として機能してないことが、男性に特化した状況を作り出しているのです。
その解決方法は、自分との対話であると考えます。

サイクリストの皆さん、自分の一部でもある自転車を自分のものにするために、もう一度自分と向き合ってみてはいかがでしょうか?

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