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南極の特別な日

#10年前の南極越冬記  2009/6/15

ちょうど10年前になる。当時、僕は越冬隊員として南極にいて、こんなことを書いていた。

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6月21日、日本だと夏至の日は、南半球にあるここ南極では冬至になる。この日は南極で生活する全てのひとにとって特別な日だ。極夜のちょうど折り返しの日でもあるこの日を挟んで数日間は、どこの国の基地でも Mid Winter Festival(極夜祭)で盛大に盛り上がる。極夜のせいで溜まった日頃の鬱憤を思い切り発散させるための、さしずめ南極にとっての正月みたいなイベントだ。この日は世界各国の基地からのグリーティング・カードが、メールで飛び交う。

ここ昭和基地でも、ちゃくちゃくと Mid Winter Festival に向けての準備が進んでいる。屋台や余興、スポーツイベント、パレードなど沢山の行事が企画されている。シェフたちは何とこの日のディナーために、日本に居る間から着々と準備を進めていたそうだ。5月30日の、最後の太陽が沈んだあとで Mid Winter Festival のプレイベントとして、野外ステージのお披露目とアイス・キャンドルの点灯式を行った。この昭和のアイス・キャンドル・イベントは、日本でも行われている「100万人のキャンドル・ナイト」に登録してあって、Mid Winter 当日も行う予定だ。ブリザードになんかならないといいのだけれど。

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