フィールドラボ(field lab)

大学院生有志で立ち上げたコラムページ「フィールドラボ」です。「Kolpona」の下部組…

フィールドラボ(field lab)

大学院生有志で立ち上げたコラムページ「フィールドラボ」です。「Kolpona」の下部組織として日本の若手研究者を対象に活動を行っていきます。海外でフィールドワークを行う若手研究者が多様な観点から心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書き綴るメディアになれば幸いです。

最近の記事

現地での向き合い方

 こんにちは。つっちーです。  前回の記事で綿貫さんが「私たちが途上国の人に伝えられること」を書いてくださいました。そこでは、フィールドにいる「私」という主体は結局何がができるのか?というフィールドワークをすれば、誰しもが戸惑い、ぶちあたる問いについて、綿貫さんなりに考えを深めていました。  僕もそれを丁寧に読んで「なるほどな」と共感することが多かったです。 そして、僕の中にある近いエピソードやそこで考えたことを思い出しました。  改めて自己紹介をしますが、僕はスリラン

    • 私たちが途上国の人々に伝えられること

      こんにちは。 何気なく、自分が過去に書いたブログを見返していました。 バングラデシュで1年間生活をした時に書いたブログなのですが、国際協力に携わる者として改めて大切な考え方だと思ったので、ここでも少しご紹介したいと思います。 ※以下の文章の中に登場する「エクマットラ」とは、バングラデシュでストリートチルドレンの教育支援を行う団体であり、私が一年間インターンとしてお世話になった団体です。 当時の私は若干24歳。こんな経験不足な私に途上国で何ができるのだろう。 そんな風に思った

      • 博士学生がお勧めする本:第一弾!

        誰もが一度は手に取ったことがあるであろう「論理的に考える」系の本。 特に論文を執筆する修士・博士の院生は、文章が思うように書けず助け舟を求めるように図書館や本屋を訪れたことがあるかと思います。 今日は、私がこれまで読んできた「論理的に考える」系の本で、圧倒的におススメできる本を紹介しようと思います。 本の名前は、『シカゴスタイルに学ぶ論理的に考え書く技術』 私はこの本をバイブルとして常に持ち歩いており、執筆作業に躓いた時には、いつもこの本のお世話になっています。 先日

        • フィールドワークの近さと遠さを考える

           今、とある雑誌にフィールドワークのエッセイを投稿・編集している途中なのだけど、フィールドワークや異国の非日常を味わうことって何が面白いんだろう、って僕はふと手を止めて考えている。前もって言っておくけど、僕に明確な答えは今ここにない。  糸口になるだろうという思いで、ちょっと今書いているエッセイの一部分を取り出して考えてみたい。  車窓から眺める景色が好きだ。どうしてそう思うのだろう。  僕の体は動いていないけれども、車窓の景色は刻一刻と変わっていく。過ぎ去る景色の中で垣

          スラムのお母さんたちともっと仲良くなりたければ、自分の誕生日にミシュティを買ってスラムを徘徊せよ!!

          こんばんは!久しぶりに自分のパスポート写真見て、自分の顔が気持ち悪すぎて驚愕してる綿貫です! 前回は、私がスラムのお母さんたちと仲良くなるために、道端で歌を歌ってたというナルシスト感満載のお話をしました。今回の話はたぶんもっとナルシスト感が増してます。。。でも、よく考えるとあれだけ人好きなバングラデシュ人とラポール(信頼関係)を形成するには、実は「ナルシスト」というのはキーワードなのかなと密かに思っています。なので、備忘録として少し体験談をお話しさせてください。 バングラ

          スラムのお母さんたちともっと仲良くなりたければ、自分の誕生日にミシュティを買ってスラムを徘徊せよ!!

          スラムのお母さんたちと仲良くなるためには現地の歌を2曲歌え!!

          こんにちは! 名古屋大学国際開発研究科 博士課程に所属してる綿貫竜史です。 バングラデシュのデジタル化と女性の問題について研究をしています。 今日は、バングラデシュのスラムのお母さんたちとどうやって仲良くなったかについて、私の経験から少しお話させてください。 バングラデシュのスラムを初めて一人で訪れたのは2018年の秋でした。修士課程の研究でスラムで暮らす女性に話を聞く必要があったからです。 でも最初は全く相手にしてもらえませんでした。 バングラデシュは伝統的なジェンダー

          スラムのお母さんたちと仲良くなるためには現地の歌を2曲歌え!!

          フィールドラボ、はじめます

          こんにちは、初めまして。 大学院生有志で立ち上げたコラムやエッセイを綴るメディア「フィールドラボ」がここに産声をあげました。 フィールドラボとは? ここで言う有志とは、日本の大学で博士課程に所属している学生が主です。彼ら彼女らは、とある契機でたまたま出会ってしまったフィールド、ご縁で繋がったフィールド、強い興味関心、問題意識を持って飛び込んだフィールドを持っています。 フィールドと言っても、日本を飛び出して異国の地です。手足・頭を動かし、汗水垂らして現地に潜り込み、現

          フィールドラボ、はじめます