カムカムエヴリバディ論評(第13週 佳境)
今週の月曜火曜はまさに佳境でした。お茶の間の皆さんの中には「辛くて見ていられないよ…」という方もみえたかもしれない。私は展開がどうなるのか心配で、一刻も早く見たいという気持ちでいっぱいでした。思わず友人(深津ファン)に「ちゃんとドラマ見れてる?」と連絡してしまいましたね。
カムカムで行う心の防災訓練。今回の記事では【私が傍にいたらこんな声かけをする】を語ります。ネタバレあります。前回の記事はこちら↓
月浜(宿)で一人過ごすジョー
ジョーに差し入れと着替えを持って通うルイ。ジョーの足がぐらぐらと落ち着かないあたりに、イライラが伝わってきます。顔を映さなくても充分に伝わってくる演出。このシーンでは2つの重要な言葉がありました。
「君に僕の苦しみなんかわかるわけない」
八つ当たりが始まりました。見ているこっちとしては「ルイだって辛いよ!!ルイに何してくれてんねん!」です。ぐったりうなだれていた鬱っぽさとは逆に、ちょっとした興奮状態になっています。でもこないだ(昨日)は「お前」でしたからね。
そうそう、人柄の良さがあるとこういうことがありますね。病気の症状で怒っても言葉尻に優しさが残るという。本当のクズだとクズ言葉になるんだよな。。
鬱の中でも気持ちには波があります。この波を受け止めるのはるい一人であってはいけません。るいに声をかけるとしたら「脳が疲れているから興奮状態はたぶんそう長くは続かない。今のジョーは本来のジョーじゃないからまともに受けないで。あんた偉いよ、大丈夫だよ。」と言いたい。
「もう解放してくれ」
これは聞き捨てなりません。希死念慮(死にたい気持ち)を匂わせる台詞でした。辛さを打開するにはもう現世から逃げるしかないという気持ちの段階。
ジョーの状態は完全に上記に当てはまります。たとえば「もう楽になりたい」「どこかへ行ってしまいたい」という言葉に、「そんな風に言わないで」という受け答えをすれば本人が心を閉ざし、実行してしまう恐れがあります。絶対に実行を食い止めるためにはどうすれば良いか。
私がジョーに声をかけるとしたら「辛くて逃げたい気持ちはわかる。でも絶対に死なないことを私と約束して。気持ちが楽になれるよう一緒に考えるから。」です。木暮さんたちにアドバイスするとしたら「できるだけ誰かの目が届くところで過ごさせてください(一人にしないで)」かな。
🍱🍱🍱
ジョーが怒りに任せて投げつけたのが洋服じゃなくて目の前にある弁当だったら。もし弁当の中身が飛び散っていたら…お茶の間へのダメージがきつすぎました。脚本家の藤本有紀先生の優しさに涙が出ます。
美味しそうだ。
「貴重品は各自の責任で保持する事」
入水自殺を試みるジョー。ルイが間に合って良かったぁ!!
宿の部屋には「貴重品は各自の責任で保持する事」という注意書きがありましたが、これ、ジョーを一人きりにしてはいけないよという示唆にとんでいたと思います。
大事な人に怒りをぶつけてしまった、今日はトミーに連れられて病院に行く日だ、病院に行くのもしんどい、トランペットが吹けない限りはこんな辛い時間に終わりがあるわけない。
ジョーの気持ちを想像したら、概ねこんな感じでしょうか。明日からどのような回復の道を辿るのか、朝ドラの民としてしっかり見届けたいと思います。
ジョーをモチーフに作った曲がこちら。それでは聴いてください。
曲名: 暗闇の中で
販売タイトル: レッチリ風の悲しいBGM/決意
作曲: fm23
読んで下さりありがとうございます。読みやすいコラムを目指します。