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『米原万里の「愛の法則」』

あまりにもバタバタとしたスタートの月曜日。
雨は降っていないけど、梅雨らしくジメッとした1日になりました。

書きたいことは山ほどあるのに、つい
気持ちがネガティブに振れてネガティブな発信をしてしまいそうになるのは、ゆとりがないからだろうか。

というわけで、今日は下書きに長らくほったらかしにされていた文章を。
きちんと完成させてから、と思っていたけどそんな余裕がなさそうなので中途半端だけどあげてみます。

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またまた、米原万里さんの本です。

今回も、うーん、と唸らされました。

先日読んだばかりの『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』では、彼女が子ども時代にチェコのプラハにあるソ連学校で過ごした時のこと、仲良くしていた友人たちが描かれています。

ギリシャ、ルーマニア、ユーゴスラビア、とそれぞれ異なるバックグラウンドをもつ同級生が、その後どんな生活を送っているのか。卒業後30年が経ち大人になった米原さんが訪ねていく様子に、はらはらドキドキしながら読み進めました。

その前に読んだ『マイナス50℃の世界』だったか、それとも他の本だったか定かではないものの、そういった背景をしった上でこの本を読むと、今まで考えもしなかったことを考えさせられることとなりました。

『米原万里の「愛の法則」』は、4つの章からなっていて
タイトルにもなった「愛の法則」は、そのうちの一つ。どの章も読みごたえがありますが、特に気になったのは第2章の「国際化とグローバリゼーションのあいだ」でした。

国際化=グローバリゼーションではない

「国際化」と「グローバリゼーション」は同じであるかのように思っている人が多いかもしれないけれど、そうではないと著者はいいます。

日本の大きな特徴(特殊性、といったらいいのかな)として隣国と陸続きの国境がない、ということがあります。言ってみれば、海という天然の国境に囲まれてきたのです。だから、自国の自国らしさ、のようなものが当たり前だという認識でいるのだと。地球上にある多くの国は、隣の国との国境付近で常に諍いが絶えないものだし、侵略され追放されてきた人たちも地球上には多いのです。そんな人たちは、自国のモノ(コト)や「らしさ」をとても大切にする(せざるを得ない)のです。

『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』に登場する同級生たちは皆、そのような背景がありつつ、かつ自分の国から離れたところで生活していたから、自国に対する憧れ「わたしの国はこんなに素敵な国」という気持ちが強かったのでしょう。米原さん自身も生まれた日本を離れて海外で暮らすうちに、日本は素敵なところ、という気持ちが強くなったのだといいます。
この感覚はわたしも理解できます。たとえばイギリスに留学中、日本にいたときはそれが当たり前だと思っていたことが、そうではなかったことを知り、改めて日本の良さを実感したことがありました。

自分の生まれた国にずっといると、未知の世界、海外への憧れみたいなものが強くなりがちで、海外(主に欧米)のほうが優れていると錯覚しそうになることもありました。

これがまさに、日本人が考える「国際化」の概念に結びついているのです。日本で「国際化」といえば、国外に出て行く時には自分たちが他国の基準に合わせることをイメージすると思います。でも、アメリカやイギリスなどは自分たちの基準を他国に合わせさせる(?)という感覚なのだそうです。(・・・と書いてあったと記憶しています。)

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なるほどなぁ・・・
言われてみれば、そうかもしれない、と思いました。今までそんなことは考えたこともありませんでした。

英語だけできればOK、ではない

そして、国際化のためにはとにかく「英語」が重視されがちで(世界には英語以外にもたくさんの言語があるのにね)、日本でも英語を公用語にしようなどという議論がなされるのはとんでもない、というのです。

日本語を大事にしないでどうするんだ、と。

日本のことというのは、日本語でしか表現できないことがあり、それを他言語で1対1で言い換えられるものではないのです。
よく引き合いに出されるのは「侘び寂び」のような言葉だったり、「もったいない」とかもそうなのかもしれません。

英語の表現でも、ちょうどぴったり当てはまる日本語が存在しないこともあります。ロシア語を英語で学習していると、あぁ、そういう訳になるのね…となんとなくわかったようなわからないような不思議な感覚になります。


というわけで、他の国を理解するには、その人たちの言語を学ばなければいけないのだと。なんでもかんでも、英語だけで済まそうとしては、いつまでたっても浅い理解しかできないということです。

あぁ…ますます、もっと他の言語も勉強したいなぁー、と思ったのでした。

今はロシア語に全集中しているけれど、じつは他にも気になる言語がいくつもあって。ひとつの言語をある程度身につけてから、次へ行こうかなと思っていましたが、別に複数の言語を並行してつまみ食いしても良いんじゃないかなぁ、なんて思ってしまいました。

ーーー

と、ここでいったん下書きに保存していたのだけれど
なんだか続きが書けなくなってしまったのでした。

さて。
今日はわりと仕事が進んだ。ぼちぼち終わりに向けて、キリのいいところまで片付けたら帰ろうかな!




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