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特集放送直前!『女の園の星』和山やま先生スペシャルインタビュー

2020年7月21日(火)放送のBS日テレ「あの子は漫画を読まない。」にて、和山やま先生の特集が放送されます! 番組内では『女の園の星』の担当編集が和山先生作品の魅力を語りますが、番組に先駆け、和山先生ご自身に作品世界についてお話しいただいたインタビューを公開いたします。漫画&放送と合わせてお楽しみください!

■『女の園の星』の読者の方に、ぜひここを見て欲しいという注目ポイントを教えてください。

 この度は『女の園の星』を取り上げていただき誠にありがとうございます。

 この漫画は特に山場や事件などもなく、良い意味でくだらない漫画だと思うので、特に注目していただきたいポイントはないのですが、強いて挙げるとするならば、小林先生のポロシャツの胸のマークでしょうか。

 毎話違うポイントが入った謎のブランドのポロシャツを着ているので、読者のみなさまも毎話、「今日の胸のマークは何かしら」とチェックしてくだされば嬉しいです。メッセージ性は一切ありません。

 それと、私は学生時代、教師を人間だとは思っていませんでした。悪い意味ではなく、「教師は教師」でしかありませんでした。

 しかし、たまに職員室に入れば、普段教室ではほとんど笑顔を見せない先生が他の先生と笑いながら喋ったりしてるのです。「あ、この人笑うんだ」と、人間なので当たり前のことですが、生徒が普段見ることができない先生の顔に、ドキッとしたりしたものです。

 昼時におにぎりなんか食べてる姿を見ようものならば「へ~!この人ご飯食べるんだ!」と、人間として当たり前のことになぜか驚いたりして……。それくらい教師というものは生徒にとって未知の生命体であるのかなと思っています。

 学生時代この気持ちになったことのある方は、『女の園の星』を読む際は生徒の立場になってみて、職員室での星先生の姿を盗み見る気持ちで読んでみると意外と可愛く見えたりするんじゃないでしょうか…なんて思います。

■初連載! 連載が決まった時のお気持ちは?

 1話のネームを送って、担当さんから電話で「これでいきましょう!」と一発OKを頂いたときは、

「嘘でしょ?これでいいの!?」と拍子抜けしました。

 それからジワジワと嬉しさがこみ上げ、電話を切るときには天にも昇る心地でした。

 過去に別のところでずっと連載用のネームに苦戦し続け、何も勝ち取れずにいたので、「やっとだ…!」と本当に嬉しかったです。

 しかし『夢中さ、きみに。』が色んな方に読んでいただいている中での、プレッシャーや恐怖みたいなものもありました。嬉しさと恐怖、半々の気持ちでした。

 でも現在はキャラクターにも愛着が湧いてきて、担当さんも毎回褒めてくださるので、楽しく描かせていただいてます。

 こんな私を拾ってくださったFEEL YOUNG様には感謝しております。

■女子校が舞台となっていますが、この設定はどのように生まれたのでしょうか?

 連載のアイディアを話し合う打ち合わせの際、担当さんに「教師を描いてみたい」とぼんやり伝え、お互いの学生時代の話や印象に残ってる先生の話になったときに、担当さんが女子校出身だということが分かり、

「それだ!」と、すぐに舞台を女子校に決めました。

 それから女子校出身である担当さんから「女子校の男教師の理想像」などを聞きつつ、女の園の黒一点って、なんだか色気があるよね…と、想像を膨らませていきました。

 それと、『夢中さ、きみに。』では男の子ばかりだったので、次は女の子に焦点を当てようとも思ったのです。

 また、顔や体の姿形的に描きやすいのは、男の子よりも断然女の子のほうで、連載だとスピードも重要になってくるので、女の子ならあまり時間をかけないで済むぞ!と思っていました。

 しかし主人公は男である星先生で、隣のデスクのこれまた男の小林先生とずっと無駄話ばかりしているので、結局男ばかりの画面になってしまってこの目論見は崩れてしまいましたが…。

■「日誌で絵しりとり」など、普通の女子高生の日常を描いていますが、和山先生の学生時代の出来事など取り入れたりしているのでしょうか? また、アイディアは何か参考にしている事などありますでしょうか?

 日誌の絵しりとりは、実際私が高校生の時にクラス内でやっていたことです。私も星先生のようにそれを楽しみにしていました。

 このように過去に印象に残ってる出来事をネタにすることもあれば、頭の中でパッと思いついたものを描いたり、外を歩いてて面白い場面に出会ったらそれをアレンジして描いてみたり、テレビやラジオを聴いてて引っかかった単語から話を膨らませてみたりなど…。1つのポイント(言わせたいセリフ・描きたいシーン)が浮かべば、そこから話を考えていくという感じです。

 そのポイントを得るために、生活の中で常にアンテナを張っている状態です。

■国語教師・星先生のキャラクターが魅力的ですが、女子生徒に踊らされる先生のキャラクターは誰かモデルなどいるんでしょうか?

 モデルはいません。

 主人公の男教師のイメージを作る際、担当さんに「女子校にいたら好きになってしまう先生ってどんな先生でしょうか?」というふうな質問をした際、悩まれた挙句ただ一言、「顔がかわいい人」だと仰いました。

 結果、全然かわいくないキャラクターが出来上がってしまいましたので、お色気担当は小林先生に任せて、星先生はマスコット的な可愛さを目指している段階です。

 姿形のモデルでいうと、俳優の中村倫也さんや、吉沢亮さんを若干意識しながら描いております。

■「女の園の星」全キャラクターの中で、和山先生が一番好きなキャラクターは?

 もちろん全員好きですが、動かしやすいキャラクターで言えば
小林先生でしょうか。

 最初は3話に1回くらいの登場率を考えていたのですが、1話を描き上げた時点で、「このキャラは2話でも出さなきゃ」と思い、担当さんも1話の時点で「星先生と小林先生の絡みをもっと見たい」と言ってくださったので、今では常連となっております。

 それと、3話で担当さんが「小林先生って生徒から夢とか進路の相談されなさそうですよね」と仰ったのが的確すぎて、小林先生のきな臭さがまた面白いなと思いました。

 また、不思議そうな星先生よりもさらに謎めいているのが意外と小林先生だったりするのかな…と変にミステリアスな感じも気に入っています。

和山先生、ありがとうございました!!!

□おまけ

 これから『女の園の星』を読もうかなと思われた方へ(担当編集より)

 まず『夢中さ、きみに。』をすでにお読みの皆様へお伝えしたいのは、「和山先生は連載も面白いので安心して追いかけてください」ということです。

 『夢中さ、きみに。』は同人誌として発表された作品でしたので、「商業誌に載って和山先生は変わっちゃったんじゃない…?」等ご心配に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、相変わらずめちゃくちゃ面白いですし、むしろコンスタントに作品を発表されることで新たな魅力が生まれていらっしゃると思います。毎月和山先生の新作が読める喜びを、存分に噛みしめていただけたら嬉しいです。

 そして、和山ワールドを未読の皆様へ。「軽〜く漫画でも読みたいなあ」という方にも、「一コマ一コマ絵画の様に眺め倒したい」という方にも、はたまた「すごい漫画を読みたい」という方にも、不思議とピッタリとはまる漫画が『女の園の星』です。ぜひご一読ください!




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