社外コネクションの方が大切だ

会社にいると、つい社内の人間にばかり目が向いてしまう。でも、そんなものは会社という看板が外れてしまえば何の意味もないのだ。社内でいくら評価されようと、そんなものは会社の外に一歩でも出たら何の意味もない。

いわゆる「逆転人生」の類でも、そこにはかならず「外部の人のつながり」がある。「あの人に助けられた」という人が必ずといって良いほどいるのだ。そして、社会的に成功した多くの人がこう言うのだ
「自分は運が良かった」

価値があるのは社外とのコネクションだ。「コネ」というと、なにか裏のあるような、不誠実なもの、不義理なものを想像しがちだろうけども、語源(?)である「Connection」として考えれば、決して後ろ指をさされるようなものではないということが理解できるはずだ。
会社の中と会社の外。どちらの世界の方がより大きく、広いかを考えても、どちらが大事なのかは明らかだ。
「知り合いの知り合いの知り合いの・・」とつながる人のつながりというのは驚かされる。実はこうやって伝わると、10人も経由せずにほぼ世界中の人と(たとえ、ビル・ゲイツだろうとも)つながっているという研究結果もあるくらいなのだ。

君にとって本当に大事なものは会社の中にはない、会社の外に転がっているのだ。会社の中で何か得られるなんて考えるのは間違いだ。会社の中で仕事を通じて自分が成長できるなんていうのは、終身雇用年功序列が機能していた時代の話である。いまやただの幻想だ。

会社なんていうのは、君が会社の外で拾ってきたもの、身につけたものを実際に使ってみる実践の場に過ぎないと思うことだ。実践の場と考えるならこんなに都合の良い場所はない。なにせ、資金面でも自腹を切らなくて良いどころか、給料までもらえる、会社という看板が信用としてついてくる、諸先輩方が作ってきたBtoB(会社対会社)のコネクションもある・・・という具合だ。せいぜい良いように利用してやることだ。

「コネクション」を作る上で気にすべきは「その人間に裁量権がどのくらいあるか」だ。特に「カネと人」、すなわち「どれだけお金/仕事を自分の裁量で動かせる人なのか」、「人事権を持つ/人事に介入できる人なのか」という視点で見るのが良い。
この点から見れば、まだ大した地位にもない入社何年目かくらいで、SNSだなんだで同年代同士集まったところで大した価値はない。
そして、「超大手企業の部課長」なんかより「中小企業の社長・専務」の方がはるかに有益だと分かるだろう。
「カネと人」というキーワードを出すとこれまた何やら汚いもののように感じられるかもしれないが、実際になにかあったとき、「よし、力になろう」という人はやはりそういう「裁量権」を持った人であるし、そういう人の周りには同じような人のコネクションが必ずといって良いほどある。そして何かをやろうとしたときに的確なアドバイスをもらえるのも、そういう「裁量権」を持ち、同時にそのだけの「責任」を長い期間背負ってきた人なのだ。

とかく若者は、「老害」だのなんだのと、年配者を邪険に扱う傾向があるが、それでは「同年代の輪」の中に引きこもっているだけでしかない。そうして同年代同士の世界に引きこもり続ければ、結局自分たちが「老害」になるだけだ。

コネクションを作るのに最適なのはやはり学生時代のアルバイトだ。単に小遣い稼ぎでしかないアルバイトをしていても仕方がない。できれば、自分が将来行きたいところやそこに接しているようなところ、できれば「社長の顔が見えるところ」に潜り込むことを考えよう。
もちろん、いったん入れば全力で取り組むことだ。その場で一目おかれるくらいになることを目指すことだ。そして、どんなものにも食らいつくことだ。
といっても、ガッツいて「下心」が見えるようではいけない。あくまでも「人のつながりを大事にする」ということだ。

そして、卒業した後もコネクションを切らないようにしておこう。仕事を受けないまでも、顔は出しておくといい。バイトをやめて卒業した、入社したとなればそれを口実に挨拶にいっても良いだろう。お中元・お歳暮・・・日本には良い文化がある。直接渡しにいく手もあるだろう(本来の姿は直接手渡しなのだし)。それを嫌がる人は殆どいないはずだ。

そうして作った社外のコネクションは君の一生の財産となるだろう。

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