
「その人がその人として生きられる世界をつくっていきたい」メンバーインタビュー:森純子
フィアレスのメンバーがなぜこの仕事をしているのかに答えるインタビュー。2人目はCOOの森純子です。(聞き手:下村理愛 書き手:内海隆雄)
森純子(Mori Junko)
株式会社フィアレスCOO / IMPRO KIDS TOKYO理事 / インプロアカデミー事務局
大学にて教育心理学を学んだ後、学校現場のICT化を支援する企業にて営業を担当。東北〜関東を中心に、各自治体の教育委員会と整備計画を行う。
独立後、個人で活動しているインプロバイザー(パフォーマー・芸術家)を支援する活動をしながら、子ども向け事業の法人化や大人向け教育事業の立ち上げを経験。インプロ講師をする傍ら、2021年に企業向けの研修を実施するため、株式会社フィアレスを立ち上げ。
もりじゅんさんはフィアレスでどんな役割を担ってますか?
森純子(以下もりじゅん)
肩書で言うとCOOなんですけど、(CEOの)内海さんが考えた事業の大きい方向性とかビジョンを、どうやって実行していくかってことを考えています。
あとは営業もやっています。まだ立ち上げ当初で、これからたくさんお客さんと出会って、色々なところに火をつけにいかないといけないと思っているんですけど、その火をつけるためのアイテムを探しまわったり、お話を聞いたりしています。
COOの業務をやっていて「よっしゃ!」てなった瞬間、最近ありますか?
もりじゅん
「よっしゃ」ってなった瞬間……(考えて)
一般的に言うCOOの仕事というより、営業的なことなんですけど、お客さんに見てもらうために資料を作った資料を出した時に「この資料分かりやすい」って言ってもらったりとか、「渡した結果いい感じに進んでる」とか言ってもらったりすると、「よっしゃ」ってなりますね。それが最近だといいこと。
下村理愛(以下りな)
インプロの資料って私も作ってるけど、難しいよね。どんなことに気をつけてるの?
もりじゅん
お客さんがインプロをどうやるのか、を資料で伝えるのは難しいです。だからそこは一旦ちょっと置いといて、インプロをするとどんな体験が得られるのかとか、終わったあとのお客さんの状態とか、あとは今こういうことで困ってませんか?とか、そういうことを伝えることを意識しています。
りな
なるほどね。終わったあとの状態とか、今の課題とか。
もりじゅん
「こういう状態になりたい」って思ってくれる人だったら、インプロについてもっと知りたいとかやってみたいとか思ってもらえるかなと思って。まずはゴールを示すのが大事かなと思ってます。
りな
いいね!
仕事をする上で心がけていることはなんですか?
りな
もりじゅんの仕事ぶりって、私(りな)の仕事ぶりの真反対だよね。フィアレスの仕事に限らず、仕事をするうえでここが得意とか、ここを心がけてるとかってありますか?
もりじゅん
「役に立とう」って気持ちはすごいあって。最近気づいたんたんだけど、私わりとなんでもできるんだなって(笑)
だいたい平均点は取れる。逆に「これなら任せて」とは言えるもの、武器は無いんですよ。けど取り急ぎなんでもできる。ということにようやく気づいた。
りな
へぇー、すごいね。私エクセルは絶対書けないから(笑)
もりじゅん
私はこれまで「この仕事、誰でもできるよな」と思いながら全ての仕事をやってたんです。でも、色んな人と関わる中でそうでもないと思うようになりました。
今まで武器を持っていないことがコンプレックスでもありました。「これなら任せて」と言えることってすごい才能だし、道を切り開いているように見える。でも最近思うのは、私は私なりに結構いい才能を持っているかもしれないということです。
私は「これをやりたい」よりも「この人のこれをサポートするといいんじゃないか」とか「こうするとこの先スムーズに進むんじゃないか」とか、そういう考えでやることを選ぶんです。
相手が欲しいことをやる。今これが必要だからやる。意識的になのか自然なのかは分からないけど、それをやっているということが最近分かって、それができるのって結構良いことじゃないか、と。
りな
すごいねー。でも確かにそうだわ。相手によってサポートの仕方変えられるじゃん。デコのボコにはまる、みたいな。
もりじゅん
「ここのボコは細長いなー(自分が細長くなるかー)」みたいなのはある。
りな
全会社に欲しい人材じゃん。
もりじゅん
私ひとりいたら色々うまくいくよ!(笑)
そんな引く手あまたのもりじゅんがどうしてフィアレスに入ったの?
もりじゅん
私これだけインプロにかけてるんだけど、インプロに出会ったのは3年前くらいなんですよ。2018年くらい。
それまで「もう一歩のところでやりきれない」とか「がんばりきれない」みたいなことが結構あって。それはたぶん「うまくやりたい」とか「失敗したくない」とか「完璧な自分でいたい」っていうところがあったんだと思う。
そのときはそれが原因だとは分かってなかったから「なんかうまくいかないなー」「私は本当はできるはずなんだけどなぁ」って感じでやっていたんですけど。
りな
具体的にはどういう場面でそういうことがあったの?
もりじゅん
前の会社のときは社内の資料作りはすごいできるんだけど、お客さんの前に行って商談とかになると「できないんです……」みたいに固まってた。笑
あとは「これおかしいな」って思ったときにも言えなかった。上司に「これはこうだから」って言われたら、「私がお客さんから聞いた話と違うな」と思っても「はい」って言っちゃってた。
そんな中でインプロに出会って、「自分を出す」とか「あなたはそのままで素敵」みたいな概念があるんですけど、
りな
「Be average」ね。
もりじゅん
そうです。「取り繕うと全然あなたが見えてこない」っていうことに触れて、自分は「完璧な仮面を被ろうをしてたんだ!」とか「失敗したくないから縮こまってたんだ!」とか、今までやっていたことがわーっと分かっていったんです。
そしたらいろんなことが積極的にできるようになったり、「これも自分」って思える瞬間が増えていって。その上で、これで困っている人絶対いっぱいいるだろうなって思ったんです。
特に日本はすごい多いだろうと思っていて。仮面を被せられてきたことが多いから、それで生きづらい人がいっぱいいるだろうと思っています。
だからインプロを通してその仮面を外していくという活動をしていきたいと思って。仲間に入れてもらって、あれよあれよという間にフィアレスもやっている、という感じです。
りな
なるほどねぇ。
仮面を外していく人が増えていったらどんな素敵なことが起こるの?
もりじゅん
仕事って、基本9時5時とかで8時間あるじゃないですか。その1日の3分の1を「仕方ない」とか仮面被って生きるのって(熱が込もってきて)辛すぎないですか⁉
で、3分の1は睡眠じゃないですか。残ってる部分は3分の1しかない。これは子どもの頃から考えてたんだけど、「なんのために生きてるんだろう」って考えたりしちゃう。
仕事の8時間も自分としていて、貢献してるって気持ちがあれば楽しいし、そのあとも家庭とかで楽しい。
私は仕事場で仮面が取れなかったタイプだけど、家庭で取れないタイプの人もいるじゃないですか。そしたら「あなたはどこにいるの?」って思っちゃう。
その人がその人として生きられるようになる。仕事でも家庭でも。そういう世界になっていくんじゃないかな、していきたいなって思ってる。
りな
私初めて聞いたわ、これ。
もりじゅん
あんま言わないかもね(笑)
そんなもりじゅんはフィアレスを通じて、どんな未来を作っていきたいですか?
もりじゅん
私ってその時によって言うこと変わるんだけど……(笑)今思ってるのはすごい壮大なことだけど、生まれてきた人がちゃんと幸せになれる世界がいい。
逆転するじゃないですか、世の中って。社会のために、生まれてきた人がどう生きるかって、社会側から考えてる。違う違う。生まれてきた人が幸せに進むために社会はあると思う。
それは障害があっても生まれが恵まれた環境じゃなくても、小さくても大きくても、男でも女でも、幸せになにはどうしたらいいんだろう?って考えてて。で、そこにインプロが役に立てることがあるなって思う。
……からやってこ!
りな
やってこ!!
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