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和田誠(1936.4.10-2019.10.7)  マーサ・グライムズ(1931.5.2- )『「禍いの荷を負う男」亭の殺人(文春文庫)』山本俊子訳 和田誠装幀 文藝春秋 1985.3 『「化かされた古狐」亭の憂鬱(文春文庫)』青木久恵訳 1985.11 『「鎮痛磁気ネックレス」亭の明察(文春文庫)』吉野美恵子訳 1986.12  『和田誠切抜帖』新書館 2007.10 『Illustration』2020年6月号 特集 和田誠

Martha Grimes (1931.5.2- )
マーサ・グライムズ 『「禍いの荷を負う男」亭の殺人 (文春文庫)』
山本俊子訳 和田誠装幀
文藝春秋 1985年3月刊
2008年7月30日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4167275295
https://www.amazon.co.jp/dp/4167902141

「イギリス小村のパブが舞台の奇怪な連続殺人事件。ロンドン警視庁派遣のジュリー警部が地元の有閑貴族やお節介やきの老婦人とからみつつ解決する、興趣満点の佳品」

「平穏な田舎町で発生した殺人。ロンドン警察のジュリー警視や元貴族のメルローズ、ミステリ好きのアガサ叔母さんらが謎に挑む!」

http://www.marthagrimes.com/
https://ja.wikipedia.org/wiki/マーサ・グライムズ
https://en.wikipedia.org/wiki/Martha_Grimes


https://books.bunshun.jp/articles/-/1974
本の話WEB 2014.11.05 07:30
杉江 松恋(ミステリー評論家)
「英国調、元祖コージー・ミステリの名作
『「禍いの荷を負う男」亭の殺人』 (マーサ・グライムズ 著/山本俊子 訳)」


本猫屋倉庫 2014.11
マーサ・グライムズの“パブ”シリーズが復刊された!
http://booksandso.tea-nifty.com/booksbooks/2014/11/post-bb2a.html

Martha Grimes (1931.5.2- )
The Man With a Load of Mischief (1981)

1981年に発表された、
米国人の著者が英国、
北部イングランドの小さな村を舞台にしたミステリ第一作。

イギリスの田舎の村で起こる殺人事件が、
ダークエールのオールド・ペキュリアを飲みながら
フランスの詩人アルチュール・ランボーを読む登場人物の描写で始まり、
物語の導入部〜展開はゆっくりですけど、
読み始めたら最後の謎解きまで、一気に読んでしまいました。

「メルローズはオールド・ペキュリアを一口のみ、
ランボーに戻った。
その本は彼が四十歳の誕生日に
みずから買った誕生プレゼントだった。
『イリュミナシオン』の初期の版で、
目玉がとび出るほど高い金を払わされたものだが、
お前はそれに値するんだ、と自分に言いきかせては、
あとでその理由がわからなくなるのだった……」p.11

オールド・ペキュリアを飲んでみたいなあ〜。

オールド ペキュリア (OLD PECULIER)
https://starksny03.blog.fc2.com/blog-entry-23.html

【OLD PECULIER オールド ペキュリア】
すごく伝統的でスタンダードなスタイルですが
実はまだまだ知られていない
《オールドエール》
https://ameblo.jp/pigalle/entry-12106981226.html


高校生の頃(1970-72)、
小林秀雄訳『地獄の一季節/イリュミナンシオン』
岩波文庫★ひとつ(50円)
を、訳も分からずに、繰り返し読んでいたので、
明治大学文学部では第二外国語をフランス語にしました。

Départ
Arthur Rimbaud (1854.10.20-1891.11.10)
Assez vu. La vision s’est rencontrée à tous les airs.
Assez eu. Rumeurs des villes, le soir, et au soleil, et toujours.
Assez connu. Les arrêts de la vie. – Ô Rumeurs et Visions !
Départ dans l’affection et le bruit neufs !
Illuminations (1895)
https://www.poetica.fr/poeme-650/arthur-rimbaud-depart/

山川健一(1953.7.19- )
アルチュール・ランボオ「出発」をめぐって
https://ameblo.jp/yamaken/entry-11078946622.html

見飽きた。夢は、どんな風にでも在る。
持ち飽きた。明けて暮れても、いつみても、街々の喧噪だ。
知り飽きた。差押えをくらった命。
----ああ、『たわ言』と『まぼろし』の群れ。
出発だ。新しい情と響きとへ。
          アルチュール・ランボオ「出発」(小林秀雄訳)

Benjamin Britten (1913.11.22-1976.12.4)
Les Illuminations, Op. 18, 9. Départ (1939) 2:20
https://www.youtube.com/watch?v=OlIZUSpYiCw

https://toyokeizai.net/articles/-/345707
東洋経済オンライン 2020/04/28 5:50
内田樹(1950.9.30- )
人間を不幸にする「資本への奉仕度」の格付け
革命の原点は「僕は嫌だ」と言える身体にある
「アンドレ・ブルトン
[André Breton 1896.2.19-1966.9.28]
はこう書いた。
「『世界を変える』とマルクスは言った。
『生活を変える』とランボーは言った。
この2つのスローガンはわれわれにとっては1つのものだ」」



マーサ・グライムズ(1931.5.2- )
マーサ・グライムズ 『「化かされた古狐」亭の憂鬱 (文春文庫)』
青木久恵訳 和田誠装幀
文藝春秋 1985年11月刊
2008年8月26日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4167275309


「パブ〈化かされた古狐〉亭の看板が風に揺れている。スープのように濃い海霧の向こうで霧笛がむせび泣く。渺々たる荒れ地の彼方、北海に面した小漁村ラックムアで、十二日節の前夜、若い美女が殺された。真冬のヨークシャーか……ロンドン警視庁のジュリー警部は重い腰を上げた。アメリカ産のエイコクミステリーで評判のシリーズ第二作」

http://www.marthagrimes.com/
Martha Grimes is the bestselling author of 23 Richard Jury mysteries ...

https://ja.wikipedia.org/wiki/マーサ・グライムズ
https://en.wikipedia.org/wiki/Martha_Grimes

ヨッシーワールド 2009.07.05
『「化かされた古狐」亭の憂鬱』
http://yossiworld.blog72.fc2.com/blog-entry-49.html

Martha Grimes (1931.5.2- )
The Old Fox Deceiv'd (1982)

1982年に発表された、
米国人の著者による
英国ヨークシャーの小さな村を舞台にしたミステリ。
警部リチャード・ジュリー・シリーズの第二作。

第一作『「禍いの荷を負う男」亭の殺人』で
ダークエールのオールド・ペキュリアを飲みながら、
アルチュール・ランボーを読んでいた
メルローズ・プラントが続けて出てきます。

「……「人殺しをしても必ず逃げおおせる人間がいる!」
エイドリアン・リースは、グラスをカウンターにどんと置いた。
ロシア文学とラスコルニコフ礼賛の弁をふるっているところだった。

化かされた古狐亭の店内には、さして関心を示す者もいない……
「ラスコルニコフは、人を殺しながら、
なおかつその報いを受けない人間がいることを示したかったんだよ」
誰も聴いていないようだった……」
p.10「天使の階段の夜」


マーサ・グライムズ(1931.5.2- )
『「鎮痛磁気ネックレス」亭の明察 (文春文庫)』
吉野美恵子訳 和田誠装幀
文藝春秋 1986年12月刊
2008年9月15日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4167275317


「バード・ウォッチングの老譲が女の死体を発見した。ロンドン近郊の牧歌的小村リトルボーン、パブに集まるいろどり鮮やかな人物群が楽しい米国産英国ミステリー」

http://www.marthagrimes.com/
https://ja.wikipedia.org/wiki/マーサ・グライムズ
https://en.wikipedia.org/wiki/Martha_Grimes


Martha Grimes (1931.5.2- )
The Anodyne Necklace (1983)

1983年に発表された、
ロンドン警視庁警視リチャード・ジュリー・シリーズ第三作。
舞台は英国ですが著者は米国人。

第一作『「禍いの荷を負う男」亭の殺人』で
アルチュール・ランボーを読みながら
ダークエールのオールド・ペキュリアを飲んでいた
常連登場人物メルローズ・プラントは、本書でも、
パブでオールド・ペキュリアを飲んでいます。

イギリスの田舎の村で起こる殺人事件が
19世紀フランスの詩人ランボーを読む人物の描写で始まり、
物語の導入部はゆっくりですが、
最後の謎解きまで一気に進みます。

このシリーズの文庫カバー装画は和田誠です。
以下、先週[2008年9月]読んだ、
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『和田誠切抜帖』 新書館 2007.10
の「仕事場日記」からです。

「1990年12月11日(火) ……文春文庫『五つの鐘と貝殻骨亭の奇縁』の絵を描き始める。シリーズ八冊目。このシリーズはイギリスの妙な名のついたパブを舞台に起るミステリーで、パブの看板風の絵をいつもベニヤ板に描いている。
今回の「貝殻骨」は豚の肩の骨のことらしいが、どんな形かすぐには調べがつかない。で、この作業は一時中断……

12月13日(木) 『五つの鐘と貝殻骨亭の奇縁』、骨の資料が文春から届いたので続きを描く。今日は未完のまま……

12月14日(金) 『五つの鐘と貝殻骨亭の奇縁』、絵を仕上げてレイアウトして完成。」p.133

以上は、本シリーズの別の作品についての文章ですが、
この文庫のカバーがこんな風に描かれているのか
と思って楽しくなりました。

このシリーズは、
第23作 Vertigo 42 (2014) まで発表されていて、
翻訳は第13作まで刊行済ですけど、
私はまだ
第4作『「酔いどれ家鴨」亭のかくも長き煩悶』
以降を読んでいません。
読みたいなぁ。

読書メーター ミステリの本棚(登録冊数357冊 著者名五十音順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091193


和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『和田誠切抜帖』
新書館 2007年10月刊
2008年9月12日読了
https://www.amazon.co.jp/dp/4403210953

「「昭和15年、4歳。そのころからイラストレーションを描いてました」
何が飛び出すか。ほんのすこし懐かしい、不思議なスクラップブックです。」

イラストレーター・グラフィックデザイナー・装丁家・映画監督その他の和田誠によるエッセイ集。

映画・芝居・ミュージカル・ポピュラー音楽・歌謡曲・童謡・絵本・SF・読書体験・子供の頃のこと・築地小劇場の創立メンバーだった父親のこと等々、話題が豊富で、イラストもたくさんあり、とても楽しい本でした。

一番面白かったのは、
『デザインの現場』という専門誌に連載された
「仕事場日記」という文章で、
和田誠がどんな仕事をどんな人達と一緒にしていたかが記録されています。

「1990年10月1日(月)
『村上春樹全作品 4』を仕上げ、講談社木下さんに渡す。
『ジャズ批評』表紙用に先週描いたキース・ジャレットの絵をちょっと修正。
土屋耕一さんの文章「蝿句」に挿絵4点。『ザ・フライ』で蝿化した人間のつくる俳句はこうか、という面白いもの。1958年の映画化とその続編、1986年のリメイク版、映画の本や雑誌で捜した資料をもとに描く。
今日からニューオータニ、クリスタルルームで、雪村いずみショウ開幕。夕方セットをチェックしに行く。ぼくの担当は構成演出だが、美術も当然気になる。ブロードウェイの看板の文字、下手なところをポスターカラーで修正 …
夜はNHKホール、シャーリー・マクレーン・ショウ。そのあとクリスタルルームの初日へ …」 p.114 仕事場日記

読書メーター 和田誠の本棚(登録冊数117冊 刊行年順)https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091203


和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『Illustration』2020年6月号 特集 和田誠
玄光社 2020年4月17日発売 A4判 134ページ。
2020年4月20日購入、アマゾン1760円
https://www.amazon.co.jp/dp/B086FS9ZXX

「2019年10月に逝去されたイラストレーター・グラフィックデザイナー和田誠さんを特集します。代表的な仕事の紹介はもちろん、親交のあった方々からの寄稿、オマージュイラストなど盛りだくさんの内容です。

【仕事紹介】
和田さんの膨大な仕事から代表的なものを中心に20ページにわたって紹介します。
学生時代の作品
『21頭の象』
「ピース」広告
私家版絵本
装丁
ポスター
似顔絵
『週刊文春』
etc

【寄稿】
和田さんと親交のあった方々に、和田さんとのエピソードなどを寄稿してもらいました。

村上春樹(作家)、唐仁原教久(イラストレーター)、笹尾光彦(画家)、吉田宏子(編集者)、工藤直子(作家)、椎名誠(作家)、松田哲夫(編集者)、(敬称略・掲載順)

【和田誠のこの仕事】
イラストレーター、グラフィックデザイナー、作家、編集者の方々に、和田さんの仕事から印象的なものをセレクトしていただき、コメントを寄せてもらいました。

ナカムラクニオ、中村佑介、小池アミイゴ、石黒亜矢子、井筒啓之、古川タク、大橋歩、信濃八太郎、黒田貴、江口寿史、濱田髙志、北見隆、大久保明子、加藤久仁生、湯村輝彦、日下潤一、藤田重信、土井章史、たむらしげる、俵万智、伊野孝行、みうらじゅん、塩川いづみ、長場雄、山本容子、谷口広樹、平野甲賀(敬称略・掲載順)

【オマージュイラストレーション】
和田さんに対するオマージュ作品を7名のイラストレーターが描き下ろし。

及川正通、本秀康、福田利之、及川賢治、矢吹申彦、荒井良二、宇野亞喜良(敬称略・掲載順)

【対談:和田誠のデザイン】
グラフィックデザイナーの大島依提亜さんと川名潤さんに、和田誠さんのデザインについて、大いに語って頂く対談です。

【もう一度、仕事場日記】
本誌193号と200号に掲載した和田誠さんによる日記を再掲。
今振り返ってみても、その仕事ぶりに驚くばかりです。」

「もう一度、仕事場日記 2012年11月14日~12月8日、2013年8月」p.72-81
『Illustration』193号、200号掲載を再録。

丸谷才一さん(1925.8.27-2012.10.13)が、
「ルネサンス人」『別れの挨拶』集英社 2013.10 p.128
https://note.com/fe1955/n/n7b8889012dd0
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/541087975965846

と呼んだ、和田誠さん(1936.4.10-2019.10.7)の、
「ときどき何が本職かわからなくなりますよ」
『Posters in Wadaland 和田誠ポスター集』愛育社 2012.9 p.288
https://note.com/fe1955/n/n7b8889012dd0
という仕事ぶりを、76歳と77歳の本人が記録した日記です。

「2012年11月14日 『イラストレーション』誌のために日記を書き始める。この前日記を書いたのは1990年10月から92年12月まで。『デザインの現場』誌のためだった。というわけで日記を書くのはほぼ20年ぶりである。」p.72

54~56歳の仕事場日記は、2008年9月に読んだ、
『和田誠切抜帖』新書館 2007.10
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/538369962904314
に収録されていました。

「2012年12月8日(木) 70年前の今日、日本がハワイの真珠湾を奇襲して無謀な戦争に突入した。5歳だったが、ラジオの臨時ニュースを、始まりのチャイムからアナウンサーの口調までかなりはっきり憶えている。」p.76

「2013年8月15日(木) ぼくは昭和20年[1945]の春に疎開した。4ヵ月ほど経って玉音放送。声には出さなかったけれど心の中で「戦争は終わったんだ、これでうちに帰れるんだ」と思った。68年も前のことだが、そのことを思い出す」p.79

「2013年8月17日(日) ぼくがカヴァーを担当した、
丸谷才一『快楽としての読書 日本篇』[ちくま文庫 2012.4]
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/527284377346206
ぼくの本が3冊、丸谷さんの書評の対象になっている。
『倫敦巴里』
『銀座界隈ドキドキの日』
『装丁物語」…
これは自分が手がけた装丁について、かなり詳しく説明したもので、丸谷さんは書評の中で、これを「芸談」と表現している。芸人さんが自分の芸についての思い出ばなし、あるいは苦心談などをするのが「芸談」。デザイナーが装丁をする時のことを語るのも一種の「芸談」なのかもしれませんね。」p.80
https://www.facebook.com/tetsujiro.yamamoto/posts/534698123271498

読書メーター 和田誠の本棚(登録冊数117冊 刊行年順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091203

学生の頃(1973-77)の
『キネマ旬報』連載
「お楽しみはこれからだ」
以来読み続けてきました。

https://note.com/fe1955/n/ncbceea41d912
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『Black & White in Wadaland 和田誠モノクローム作品集』愛育社 2010.8
『Coloring in Wadaland 和田誠カラー作品集』愛育社 2011.5
『定本 和田誠 時間旅行』玄光社 2018.9

https://note.com/fe1955/n/n7b8889012dd0
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『Posters in Wadaland 和田誠ポスター集』愛育社 2012.9
『Record Covers in Wadaland 和田誠レコードジャケット集』アルテスパブリッシング 2014.2
『Book Covers in Wadaland 和田誠 装丁集』アルテスパブリッシング 2014.11

https://note.com/fe1955/n/nc4dbaafc05b1
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『シネマッド・ティーパーティ』講談社 1980.4
『シネマッド・カクテルパーティ』講談社 1991.11


https://note.com/fe1955/n/n7f7a01861383
山田宏一(1938.9.13- )
和田誠(1936.4.10-2019.10.7)
『たかが映画じゃないか』文藝春秋 1978.12 文春文庫 1985.5
『ヒッチコックに進路を取れ』草思社 2009.8



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