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Hello!DX. 「DXの一歩目を超える」

こんにちは。このnoteは、中小企業の方、特に次のような関心をお持ちの方に向けた入門編です。

『DX(デジタルトランスフォーメーション)について興味がある』
『デジタル化とDXの違いは何だろう』
『はじめ方がわからない、一度トライしてやってみたがうまくいかない』
『考え方が知りたい、進め方を相談する相手がほしい』
上記に該当する方は読み進めて頂くとお役に立てるかもしれません。

DXまでのデジタル化には段階があります。「DXの一歩目を超える」ために知っておいてほしいことをまとめました。

DXの道のり

1.アナログデータのデジタル化

最初に着目するのは、デジタル技術の導入により、目に見えるアナログな運用をデジタル化していくことです。(「デジタイゼーション」とも呼ばれます。覚えなくて問題ありません)

相談を受ける中小企業の多くは、紙の運用を見直すことからはじまります。
・社内で紙書類で申請などのワークフローを運用している。
・契約書、納品書、請求書も紙媒体でやり取りしている。
・FAXや電話でのやりとりが多い
・情報の共有は、掲示板に紙を張り出したり、回覧を回す
このような、長年受け継がれている習慣が残っている企業の場合、手を付けるべきは「習慣の見直し」からです。

私たちの企業変革においても、はじめは「社内業務から紙をなくす」をテーマに始めました。

また慣習的に保管されてきた紙文書の中で、保管期限を超えていて今はもうほぼ利用されていないケースもあります。過去の書類についても、捨てる・デジタルデータ化するなど、今後のデジタル運用と合わせて、整理整頓を進めることをおすすめします。

こうして、会社独自の情報をデジタルデータとして蓄積できるようにすることは、これからのIT経営の基礎となります。データは資産です。
またアナログ⇒デジタルへの転換が進めば、これまでの業務運用と比較して、顕著な作業時間の短縮、業務効率化(入力、検索、蓄積、共有、申請、承認など)ができます。

洗濯板を使って洗濯していた時代をイメージしてもらうとわかりやすいです。「目に見えて効果の実感ができることから始めること」はデジタル化・DXを成功させていくためのコツでもあります。

初めは、慣れ親しんだ運用を変えることがストレスに感じるかもしれません。しかし、推進責任者の方が、変革した後のイメージをしっかりと示し、現場一人一人が意識して自分事として取り組めば高いデジタル化の効果を得ることができると思います。

これらの積み重ねがやがて、既存ビジネスの効率化・高度化に繋がり、新しいビジネスモデルの創出へとつながっていきます。

2.既存ビジネス工程のデジタル化

企業の既存業務プロセス自体をデジタル化することです。いかに業務の全体像を俯瞰して課題を抽出し、業務の流れを見直しながらITの力を活用した効率化を考えることが重要です。(デジタライゼーションと呼ばれます。※覚えなくて問題ありません)

具体的には「アナログデータのデジタル化」に着手する前に、部門ごとの課題をすべて抽出し、業務全体のプロセスを見つめて、DXの全体的な戦略設計を行います。

それはなぜか。例えばバックオフィス(事務・総務・経理・人事)部門単体でデジタル化を開始すると、同じ顧客(取引先)情報でも、経理部門と営業部門で、別々の顧客情報のマスターを2重に管理する、ということがよくあります。これでは、非効率な管理になるばかりか、顧客情報に変更があった際に追従できず、誤りが生じる原因となります。

既存ビジネスの業務工程の一連のデータの流れを見定めたうえで、トータルにデータ連携ができる形でシステム導入をデザインすることにより、効率的なデジタル化が図れます。

営業の案件獲得・成約から事務経理の請求・入手金管理までの一連の流れ

上図は、複数の最適なクラウドサービスを活用して、顧客・案件情報を用いて、発行すべき見積書・納品書・請求書を一度の入力だけで可能とし、入手金管理や仕分処理までの流れを自動化した例です。

3.ビジネスモデルのデジタル化

所謂DX(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれる境地です。変革という文脈を強調し「アナログ企業がデジタル企業(デジタルを活用した事業展開)になること」とも言えます。ビジネスモデルのデジタル化について、有名な例や地域のヨガ教室の例を紹介します。

トライグループ
ユニークなコマーシャルでも有名な家庭教師のトライ。家庭教師事業で得たノウハウを基に、「Try IT」という中高生向けの無料映像授業サービスを展開しています。従来は対面での価値提供でしたが、スマホを中心に生活する10代に焦点を当て、スマホで授業を受けられる新サービスを産み出しました。学習が続けやすいよう1回が約15分の授業に設定するなど、学生のニーズにを捉えた顧客獲得に適応した変革の例です。

メルカリ
今やフリマと聞くより、「メルカリ」と聞いた方がピンと来るぐらい浸透したメルカリ。年間2000万人の人が利用されるほどに成長し、”不要なものを売る”という選択肢を日常化しました。従来はPCが主体だった個人間のフリーマーケットサービスを、スマホの普及に合わせてスマホで完結できるように展開し、多くの利用者を獲得することが出来ました。これもDXの例の一つです。「メルペイ」や「匿名配送」の導入など社会の変化やニーズに対応して次々と新しい機能やサービスを導入しています。

ヨガ教室
私の住んでいる地域のヨガ教室の例です。従来は、地域に根付いた小さなヨガスタジオでのヨガ教室。予め通う曜日を申込みして、定められた日時にレッスンを受けるという形態でした。ここから、デジタル技術を取り入れて、ネット予約ができるようになり、いまではレッスンもオンラインで実施できるようになりました。双方向のリアルタイムのレッスンに加えて、育児や仕事による時間の成約で受けたくても受けることができなかった人たちのニーズを取り込み、あとから視聴できるアーカイブのプランも設けました。ヨガスタジオのスペース上の定員制限も受けることがなくなり、潜在ニーズを獲得したDXの例です。

このようなDXの境地に一足飛びに到達できるわけではありません。解説してきたようなデジタル化の段階を踏み、更に激しいビジネス環境の変化や市場ニーズの変化や技術の進歩と向き合う必要があります。その変化に向き合い対応するには、人の教育や採用、組織再編、新たな製品やサービス投入、顧客接点の開拓なども必要になっていきます。従って、その道筋を示す経営戦略が要となります。

BSC戦略マップとデジタル化の範囲のイメージ

例えば次のイメージ図は、従来の営業スタイルに加えて、Webからの集客を行い、見込客を獲得・育成していくという新たな顧客接点を創出する場合のIT戦略の概念図です。サービスによっては、集客だけでなく、サービス提供自体をオンラインで完結させるなどの変革を行う企業も増えています。

従来の営業に加えて、デジタルマーケティングによる新たな顧客接点の創出例


さて、ここまでデジタル化の3つの段階を見てきました。
DXをはじめるタイミング、DXのはじめ方について参考になれば幸いです。

DX戦略策定やITツール導入などにご不安がある中小企業がほとんどだと思います。もう少し詳しく聞きたい、はじめの一歩や補助金申請から相談にのってほしいなどのお声も増えています。お気軽なご相談や初期診断からお受けしていますのでご連絡ください。

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サービス:デジタルシフトの専門家「ROBO MEIJIN

お読みいただきありがとうございました。

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