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どこにも行けない日々


怒涛の一週間が過ぎた。

ひとさまのごたごたに足を、いや喉元まで突っ込んでいた。ここ十年で一番長い一週間だった気がする。
おかげさまで、己の心の狭さや傲慢さ、転んでもしなないメンタルの強さ、そのくせ八方美人で頼られがちな役回りを再認識するよい機会でもあった。
自分の手に余るややこしい案件が落ちてきたとき、あがいても1ミリも前に進まないとき、ちゃんと感情を爆発させるのが正解なんだろうな、と思いつつも、そんなことより今夜なに食べる?そんでこれから殴りこみにいこうか?(チャゲアス)というノリだったので相談相手は言葉をなくしていた。ごめんよ。

後日、ごたごたをリリースし、どこにもぶつけられずに飲み下した塊がせりあがってきて、言葉にしたのが土曜の夜。

友人と食事に向かった六本木の中華屋、彼の遅い誕生日祝いを兼ねていたにも関わらずハッピーどころかぶっそうな会話をしていたので何度か隣の客にしぶい顔をされたが、私らの横に陣取ったのが運の尽きだと諦めてほしい。友人も私に負けず劣らずだいぶヘビーな一週間を過ごしており、帰路はふたりして悲しい色やねを口ずさんでそのままお泊りした。


帰宅後、友人から借りた荷物を整理した。これから行く紐育のガイド、変圧器、ワイヤレスイヤホン。最寄り駅からバスターミナルで羽田空港へ向かいたいのに、早朝深夜以外は高速バスの予約ができない。出張のビジネスマンもインバウンドの旅行者も多いうえ、週末の出発なので混み具合が予想できない。6時前にはスーツケースを転がしていったほうがいいのだろうとぼんやり考える。

未来について考えていることが、だいぶ恵まれているのだと、いまさら気づく。明日への生命線があることがどれだけすごいことか、来週の私は忘れているだろう。だから備忘録を残しておく。

この一週間は、ずっと福山雅治の「最愛」を聴いていた。柴咲コウのバージョンは知らないし、劇場版「容疑者Xの献身」もみていないけれど(主題歌だったらしい)ただただ人間が嫌いになりそうで、またすべての縁をぶっちぎりそうになった衝動をこの曲がとめてくれた感がある。ありがとう。


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