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トップガンマーヴェリックの感想(14000文字の叫び)

*Mediumからの転載です

5月27日、封切り初日にみてからまぁ人生狂わされっぱなしです。
Twitterが1か月ずっとおトム一色で(フォロワーの皆さんが)疲れてきたと思うのでここらでまとめます。こいつこんなにトム・クルーズ好きだったの?とあきれてください。よければ私のおすすめ1作品くらいみてやってください。もし可能ならもう1度映画館に足を運んでマーヴェリックの翼になってください…!

おトムと私

トム・クルーズが好きです。物心ついたときにはVHSでおトムの映画みてたからこうなったのは100%親のせいだとおもう。出会いはトップガンなんですけどそれは後で書くとしてまず私のおトムトップ5を紹介します。

①アイズワイドシャットEyes Wide Shut(1999年)

美がつよい夫婦

キューブリック作品は全部好きだけどこれが不動の1位。セックス!仮面舞踏会!精神分析!って感じの話(適当)シドニー・ポラックとアラン・カミングがちょい役で贅沢ですね。この映画のおトムはどの角度からみてもハンサム王子様で、奥様ニコール・キッドマンとガチの夫婦演じてます(このあと別れてしまった)アメリカではR指定でベッドシーンの裸も合成?なんだけど日本のブルーレイは無修正版だったりする。ベッドでマリファナ吸いながらいやいや僕は浮気してないよってあのメガワットスマイルでニコールにせまるトムの筋肉と可愛さに耐えられず、見るたびにワインがログイン。私いつからキューブリックのおトム冷凍保存したいって言ってたんだろと調べたら2002年に友人に送ったAOLメールにあったから20年選手…か…

②トップガン +トップガンマーヴェリック
たぶん小学校上がる前に無印のサントラを聞いてた
この辺は後述

③大いなる陰謀 Lions for Lambs(2007年)

撮影中の3人

スリーピースを着込んでたぶんアイビーリーグのカレッジリングをしているアーヴィング上院議員が!!!好きです!!(やばいからググって)ロバート・レッドフォード作品だけあって重厚な政治もの、興行成績はパッとしなかったらしいけどビジネス色が強いから私は大好き。ライス長官とのツーショットを飾ってる次期大統領候補の共和党員の役。このキャラも軍事作戦を指導する立場なので軍人上がりだった気がする…見直そう。アーヴィング議員、カリスマあってエゴが強くてとにかく自信満々のおトムがみられます。ずっと笑ってるのホント怖い。ジャーナリストのメリル・ストリープに「アフガンの作戦開始はいつなんでしょうか?」って聞かれて「10分前だ」と答える鬼畜っぷりが最強。ちなみにマイケル・ペーニャとアンドリュー・ガーフィールドが出てて可愛いからみんなに見てほしい。

④マイノリティリポート Minority Report(2002年)

当時斬新だったガジェットデザイン

プレコグ(犯罪予知)ができる世界で犯罪者を未然に防ぐ刑事のおトムが濡れ衣きせられて頑張る話。若いコリン・ファレルとの敵味方バディ感がちょうよい。往年のマックス・フォン・シドーも出てる。SFなんてめずらしいな~と思ってたら数年後には宇宙戦争、十年後にはオブリビオンにもでてた。本作はVRっぽい未来ガジェットのデザインと追われる逃亡者おトムの組み合わせが最高。スーツぴしっと着こなして追い詰めるファレルとポロシャツで逃げ回るおトム!この頃のおトム短髪と体つきがちょうすき(言い方)お気に入りは雨の中傘で逃げるシーンです。

⑤ザエージェント Jerry Maguire(1996年)

子どもとの相性がいいおトム

ジェリー・マグワイアって主人公の名前が原題なんですよね、オペラでいうタイトルロール。34、5歳くらいのおトム演じるジェリーが大企業から独立して古今奮闘するスポーツエージェントの話。熱血おトムが可愛いし、仕事のモチベさがったらこれみるようにしてる。レネ・ゼルウィガーとキューバ・グッディング・Jrもでてます。レネの口説き文句”You had me at Hello!” が流行語になったとか(ほんとか?)キューバがおトムに使ういけない英俗語がめっちゃ出てくるのですごく勉強になったな…
“Don’t shoplift the pootie”=つまみ食いするな
シングルマザーのレネに対して煮え切らない態度のおトム、みかねたキューバが忠告するんですね。字幕は「ガキをだしに彼女を弄ぶなよ、兄弟」だった気がする。

2007年の「大いなる陰謀」以降はトロピック・サンダーとかナイト&デイとか、それこそミッションインポッシブルシリーズとか傑作はたくさん。全部みてるけど胸をえぐられるほど好き…!ってのはなかった。ただただ、おトムだからみなきゃ、スタント頑張ってるからみなきゃという感じで、みたらみたで満足してたのです。


トップガン無印 Top Gun(1986年)

親が持ってたトップガンのサントラが子守唄だったし、おうちのVHSで何回もみてた。大人になってからDVDも買った。ただ、ほんっとーにおトムの青春映画!って感じで何度見ても深みはありませんでした笑。昔は大人なヴァイパーに憧れてたし、ジェスターみたいにタバコ吸いたかったし、チャーリーみたいな女性になりたかったし、カワサキバイクでデートも憧れてた。グースが歌うGreat Ball of Fireもオープニングでかかるアンセムも、何よりデジャーゾーンが好きで好きで、中学のとき部活の文化祭で使おうとサントラもってゴリ押ししたけどみんなに知らないと却下されたくらい(先生は喜んでくれたが)

で、ここにきてマーヴェリックです。続編です。おトムが権利買ってたのは知ってたけれど無印の監督トニースコットが2012年に自死したり、ブラッカイマーもお年だしオリジナル監督脚本でやることはないだろうな…と思ってました。なのにさー、かなえてくれたよおトムは!そんでもって過去の話がバンバン出てくる。

無印、ヴァル出すのにトニスコとトムでヴァルを追いかけまわしたなんて聞いてないよ…グレンのハングマン抜擢に完全に受け継がれてるじゃん…(ハングマンは立ち位置マーヴェリックだけど)

個人的に今回マーヴェリック行く前に3回見直して思ったのがちょうクィアっぽさ満載だな‥ということ。無印アイスマンはゲイを狂わす感じの演出が(本意ではなかったにせよ)モロだったので全米のゲイないしはゲイビーがあてられたよねという話をその昔レクチャーされたのですが、今なら超わかるしやっぱり主人公のおトムはクィアさゼロなのよね。クィアっぽさのある、でもノンケなアイスマンの魅力はノンケ度300%のマーヴェリックのおかげで当社比倍になっているっていう話。余談でした。

トップガンマーヴェリック Top Gun: Maverick (2022年)

上映日まで興奮をとっておきたくて予告を一度しかみなかった。当時のTwitterをみたらおトムかっこよすぎて突然宇宙船とドンパチしないか不安、と書いてました。ダークスター出てきたからあながち間違いではなかったのでは??

①マイルズテイラーはいいぞ

ブラピと似てて年上俳優との相性抜群で超伸びるタイプよね君は…セッション、オンリーザブレイブ、ビニー、そしてトップガン!今回何がよかったってルースターのおかげでグースがさらに恋しくなったこと。こんなに面影あるなんてなぁ。ビーチのWiggle Rooster (くねくねルースター)ちょうすき…ルースターがマーヴェリックと絶縁してた、ってのが驚きの設定で、キャロルママが出てこないのも納得。キャロルと「ルースターは空を飛ばせない」(なんて残酷な…)約束した後に士官学校への願書破ってるなら、ルースターが16,17のときでしょう。アナポリスに親か後見人の同意なしに入学できないので4年待った=マーヴェリックの後見人が解けるまで、成人して入学したとなると2人の確執は20年近かったのでは。トップガン卒業して活躍してる設定なら少なくとも30–35歳あたり、California Dayのおかげでさっぱりした味付けになってるけどあのふたりとアイスにとっては重いン十年だったのかも…と考えて今も泣いてる。

②若雁(ヤングガン)たちのキャラが立ってる

脚本的に若きマーヴェリックを彷彿とさせる自信満々腕利きのハングマンと、沈着冷静優等生で我も強い(私はこのミッションを飛ぶの!)フェニックスがアイスマンの立場だと思うんです。で、そこにどこにもいけないルースターがいて、前作から20年近く経ってるけどマーヴェリックとは音信不通で…いやいや、ルースターはもちろんメインキャラですけど、複座機にすることでチーム全体を出せるし、1回みただけて全員のキャラだいたいつかめるのは脚本がうますぎる。
決定力に欠けるルースターの背中をみんながちょっとずつ押してあの迎撃成功につながるの、心からチームワークの物語だなって。マーヴェリックはチームリーダーだけどずっと裏方なんですよ、SAMとのドッグファイトで迎撃されたのがルースターでなくとも彼は確実に守りに行ったし、最初から自分は生還できなくてもいいと思ってた、だからペニーに正装で会いに行ってお別れも言ってる。いやあ、見せ場の作り方がほんとにうまい。
ハングマンに至っては若マーヴェリックはcheeky 、ハングマンはcocky てなかんじで似てるけどきちんと分けてるし、ファンボーイとペイバックのペアも授業では結構真面目でいい子でした。2分15秒を成功させたマーヴェリックをみて叫んだのはたしかファンボーイ(コールサインからするにトレッキーだよね絶対)おごり高ぶり自信が服着て歩いてるハングマンを唯一理解してそうなコヨーテくんもいい。

でもでも私のいち推しはボブでっす!!!Badass On BoardのBOBでしょ?「somehow, YOU always Manage」「あの世で会おう、”バッグマン”」とか正面から嫌味をいえちゃう感じ。あのメンツで唯一全員と初対面なのにキモ座ってるよね(好き)フェニックスとのバディがたまらんです。ひとりだけお酒飲まない設定にあえてしてるのも細かい。だってお父様がビル・プルマンですよインディペンデンス・デイの!お父様もF-14に乗ってエイリアン倒してるんですよ。ルイス・プルマンはお父様譲りの柔らかい瞳とセクシーな雰囲気でクソかっこいいのに(カメラにすぐウインクするし)あの髪型、あの眼鏡、ナッツぼろぼろこぼして端っこに座ってるウエポンオフィサーakaナードな感じよく作ったな!と感動。

ラスト、助けに来たハングマンが「こちら救世主、テーブルと座席の位置を戻して着陸態勢に」みたいな台詞をキメるところも最高。訓練初日にマーヴェリックが「(This is Captain Speaking) こちら大佐/機長です」の飛行機でよく聞くアナウンスのアンサーでしょ。好き。ミラクル1,2が決まった瞬間スタンバイ機でガッツポーズするハングマンも好き。

話題のビーチアメフト撮影、本来のスケジュールより1週間だか早まって「このカット永遠に残るぞ(montage are forever!)」っておトムとコシンスキー監督にいわれて体づくりに励みまくった若雁たち、最高。One Republic のMV永遠ループしちゃう。ちなみにおトムが満足する映像になるまで3回にわたって撮り直したんですって。そのたびに筋トレに戻るのつらかったよってルースターが言ってた。マジか。

そしてもう一度ルースターを語らせてくれ。
もうなんも言えねえ。なんで完璧にGreat Ball of Fire歌えてるの?初回行ったときあそこで泣いたね。放り出されたマーヴェリックと完全にシンクロしてた。マイルズ、髭生やしたら殺傷力高すぎて私のライフはもうゼロよ。あんだけツンツンツンツンしてたのに雪山で突然のミッションインポッシブル始まったらマーヴェリックに飲まれてやんの。可愛いなぁ。最後に空母着艦のところ、
R ) ”Please don’t tell me we lost an engine.”
M) “Alright, I won’t tell you that.”
R) “OK! ”
このやりとりが、マーヴェリックのふざけた感じの I won’t tell ya とルースターのオッケー!が16歳のこどもみたいな返し方でちょうすき、F-14盗んで空中戦のときもそうだけど、ああ昔のふたりに戻ったんだなぁってなる。
敵地でルースターが撃墜されてパラ降下した時、マーヴェリックは気が気じゃなかったはずですよ、グースは同じ姿でしんでるから。そりゃ全速力おトム走りになるよね…あそこからの突然のミッションインポッシブル展開燃えたよね。F-14乗り込んだときもルースターとのやりとり、
R) “you would go after them if I wasn’t here”
M) “but you are here”
R) “come on Mav, don’t think just do!”
ここ初回は「俺が乗ってなかったらアンタ(相手が第五世代で勝ち目なくとも撃墜しに)行くだろ!」
2回は「俺じゃなくて親父(グース)だったらアンタ行くのか?」
という意味で聞こえてしまって、ああうまいな〜脚本組ほんと無印読み込んでるな〜!と脳内号泣でした。

ちなみにルースター君、パッチ見る限りVFA87/Golden Warriors 所属だから本拠地東海岸のヴァージニア州よね?マーヴェリックのいるモハヴェ砂漠に最後いたけどさ、カリフォルニア州まで飛行機で通っているの?マジで?親孝行ならぬマーヴェリック孝行してるのかな。昔、マーヴェリックはグースに”You are only family I got”なんて言ってたので君が家族になってやってくれ。最後の場面で飛行機修理しているマーヴェリックの左脇ポンってしてたのが好き。小さいころからルースター流の挨拶だったら可愛いがすぎませんか。しかもこれIMAXかワイドスクリーンじゃないと映ってないらしい。マジか。ちなみにペニーやファイヤータウンはサンディエゴなのでモハヴェ砂漠から車で5時間くらいです。

マイルズ・テイラー、友人が一緒に乗ってた車で事故ってマイルズは瀕死になって顔の傷はそのときのもの、治療したけど全部消せなくてそのせいで逃した役もあるという記事を読んで切なくなってしまった。なんかマーヴェリックとグースみたい。事故の傷は決して運転してた友人の責任ではないとマイルズは語るけど大怪我で(国民保険がないアメリカでは)高額な治療費払うのも大変で友人の保険会社とも一悶着あって関係が崩れたり。若いのに苦労してるわ。ちなみにコジンスキー監督がおトムとブラッカイマーに「最近組んでる若手の俳優で才能あるしグースの息子にしない?」とオンリーザブレイブのマイルズにフォトショで髭をつけてブロンド→茶髪にしたらこれグースじゃん!ってなって候補にしたってインタビューにあったので爆笑した、グッジョブ監督!

③おとなたちも熱い

若雁たちへのレクチャー初日でサイクロンがホンドーをみるけど、(あいつまだ来てないの?)って感じで好き。満を持して登場するときのウォーロックさん(さんをつけるよ)の “Callsign, Maverick !”の紹介がクソかっこいい。サイクロンのTO BE or NOT TO BEであわあわしてるマーヴェリックを止めるとこ で“I think the admiral is asking a rhetorical question.”(自問自答だから)っていうウォーロックさんも好き。タイムアタックやるマーヴェリック、みんなハラハラ見守るなかでshow me what you got な感じで実は信じてるウォーロックさんも好き。若雁が腕立てふせやるの見守るホンドー、マーヴェリックが2分15秒成功させてみんな沸いてるなかでひとり…なホンドー(死地に送り出すのわかってるからつらい)ミッションでマーヴェリック追撃されたときに泣いてるホンドー、出撃時に I don’t like that look / it’s been my honorと同時にいえちゃうホンドー好き。頼れる右腕すぎてダークスターから引き抜いてきたんだよね?マーヴェリックは今後教官として安全な場所で仕事してほしい、サイクロンは苦労しそうだけど敬愛してたアイスマンの代わりに頑張れ、胃がキリキリするだろうけどマーヴェリック退官まであと5年くらいだから。

でも一番好きなのは、作戦前の母艦でエレベーターでF-18が下りてきて、ウォーロックさんが(さんをつけるよ)マーヴェリックに言ったセリフが大大大好きなんですよ…!
“You’re where you belong” “Make us proud”
「本領発揮だ」「 期待してるぞ」

このシンプルさ!!!!!!
サイクロンより上官ぽくないですか???いやサイクロンはアイス組だから( I DEEPLY admireいうてるし) マーヴェリックに認めたくないがうぬぬ…みたいな気持ちあるんでしょうけどウォーロックさんは2分15秒クリアみてから完全にマーヴェリックのこと大好きだよね、ミラクル2が決まったときも最後の帰還もガッツポーズしてたし。これからもアイスマンの代わりにサイクロン&ウォーロックさんで守護天使よろしくお願いいたします!!!!
しかしこのウォーロックさんのセリフ、空のグースの声だったら泣けるよね。むり。RIOがああ言って送り出してくれたらさ…(号泣)

海軍全面協力だからってのもあるけれど、ロマンス中心だった無印と大きく異なるのは大人として仕事を丁寧に描いてる点、これが本作の素晴らしさだと思う、ダークスターのチーム(ほぼ有色人種で配役びっくりした)のプロフェッショナルさもかっこいいし、敵地乗り込むときのウォーロックさんのブリーフィング(本当はあんなに大勢の前でやらないらしい)空海オペレータの活躍、最後の車輪ぶっこわれたからホンドー主導でバリア展開!とか。最初のダークスター発進でsky is all yours!とかミサイル決まった時のbullseye*3! とか最高。あのサイクロンが絆されるとこも好き。マーヴェリックは問題児かもしれんけどリーダーとしては最高なんですよ(マネジメントができないタイプ)チームを盛り上げてひとつにする、どんな階級にも丁寧に接する、感謝を折りにつけ伝える、フレッシュな気持ちで学ぶ…まさに理想の上司。

ペニーとの付き合い方は5,000万点です。this is not the first date!?と投げだされるおトム、なかなかみられないぞ。ノーヘルが似合う男№1(ダメです)なんでジェニファー・コネリーなんだろうって思ったけどまぁハマり役でした。マーヴェリックよりも強く芯があり、ひとりの女性として独立して地に足がついている、真逆なんですよね。空を飛び続ける男をずっと陸で見守ってきたひと。ペニーベンジャミンなんて無印で2回しか名前が出てこない(しかも字幕では名前出なかったんじゃないかな)古きキャラをよく発掘したな~、年齢もたしかおトムと7,8歳くらいしか違わないから違和感もないし、たぶん監督オンリーザブレイブから引っ張ってきたよね。アイスマン亡き後無茶ぶりタイムアタック成功させてチームリーダー任命されて白の制服で(たぶん死装束としてのドレスホワイト)ペニー会いに行ったのは泣きそうになった。ペニーの向こう、海に吸い込まれそうなマーヴェリックの表情がなんとも切なくて好き。


④アイスマンとマーヴェリックについて

Tom “Iceman” Kazansky — アイスマンの名前にSkyが入っているだけで泣けてくるのでだいぶ脳がやられています。アイスとマーヴェリックがメッセでやりとしてたの、撃ち抜かれましたね…whatsAppなのかSMSなのかわからんけど、初回見たとき電話すればいいのにと思った直後(アイス、喉頭がんで声出ないのか…)とさとった瞬間の衝撃よ。俳優をあてがきしたのも、アイスが出世街道突き進みながらマーヴェリックの守護天使になってるのも、ヴァル・キルマーのアイデアから作り上げたって監督いってたけどおトムもヴァルもキャラクターとともにずっっっと生きてきた、ってのをまじまじと見せられて拝みそうになった。アイスが the commander of the U.S. Pacific fleet になるまでどれだけ努力してたか、その傍に(not literally) 自由奔放なマーヴェリックがいたかを考えると涙がでてくる。
歳を重ね、スカーフまいて整理整頓されたデスクに向かう紳士然としたアイス海軍大将、超好き…眼鏡のヴァル・キルマー…元帥の次に偉いとかどんだけ出世したの??あれだけ偉くなると現場に出なくなるから、空飛びはマーヴェリックに任せてたんだろうね、その翼を守ってあげたくて私情挟みまくりでかばってあげてたはず。泣くわこんなん。
ちなみにアイスマンがしてた青い指輪、Military College Ringといわれるもので、アナポリス海軍学校を卒業したという証。アナポリスは通称で正式名称はアメリカ合衆国海軍兵学校(United States Naval Academy)略してUSNA、マーヴェリックは無印で言っていた通り同じくアヴィエイターだった父が機密扱いな案件で行方知れずになり、キャリアが4年遅れたといってました(遅れた点ではルースターと境遇が同じです)グースのセリフは ”I know its tough Mav, they wouldn’t let you into the academy because of your old man.”
マーヴェリックはこの指輪をしておらずアナポリスにいけなかったのでルースターと同じく普通の四年生大学を卒業後Officer Candidate School(OCS)へ進んだか、軍教育のあるReserve Officers’ Training Corps(ROTC)付の大学に進んだか、どちらか。無印でグース、アイス、クーガーは指輪をしている=アナポリスで同期ないしは知り合いだったということ。なんであんなド派手な指輪してるのか謎だったし幼心に(アイスマンかっこいい!)と思ってた。ちなみに今回の若雁、誰も指輪してない。
本拠USNAのサイトによるとその年の卒業生で最初に亡くなった方の指輪は(寄付された場合)アナポリスのコレクションになるんだって!ご家族が形見として持っている場合と寄付するパターンがあるんだけど、事故で若くして亡くなったグースの指輪、もしかするとアナポリスの海軍ミュージアムにあるのかも…!マーヴェリックがもらった形見ボックスに指輪あったっけ??見直してみよう。今回のアイスマンも左手に結婚指輪、右手にカレッジリングだった。監督、つくりこみがエグイ。
マーヴェリックの家みたいな格納庫?の壁に思い出にまじってルースターの海軍士官としての写真が丁寧に飾ってあるじゃないですか、あれ絶対アイスマンに手回して入手しただろマーヴェリックくん職権濫用、って思いました。若いルースターの写真もこっそり貼ってあるのほんとマーヴェリック…愛が重い…そしてこっそりはってある若いころのペニー…
たぶん、アイスはルースターとマーヴェリックの事情も知ってて、 I want to talk about work っていいながらルースターとの和解の道を示してくれたんですよ。It’s time to let go ここは過去は水に流せよりは もういいだろう、おまえはよくやったよ、自分を許してやれ、ルースターを空に放せみたいなニュアンスで聞いてたからアイスマン…!ってなった(空耳アワー)
冒頭エドハリスに怒られるとこで守護天使(guardian angel)の話されてもうここでアイスの話でてたんか…と2回目以降はつらかった、そして守護天使って言われた瞬間の瞳の瞬き方がもう、なんていうか…マーヴェリック…涙
私、無印も今回もみて思ったのがグースは家族愛でペニーは恋愛でアイスマンは伴侶だということ、ここにルースターはどうやってはいってくるんだろう。やっぱり家族かな。
マーヴェリック、アイスをmy wingman! と呼び、長くアイスの庇護下にいたのは確かだけどthats why I fought for youと言われて(字幕は”だからお前を推した”だっけ)ふたりは立場は違えどずっっっと対等なバディできたんだね…アイスがいなきゃ今回の物語にここまでの深みが生まれてない。
“The Navy needs Maverick, the kid needs Maverick. That’s why I fought for you. That’s why you’re still here.”
そしてまだ時間はある、ってお前がいうのかアイス…あんたがしんでも誰も嘆かない、というルースター、そこにアイスの訃報がくるとかドラマすぎて無理でした。お葬式で涙いっぱいためてるマーヴェリック…
海軍の式典をquora とかask me anything 調べてたら葬式で棺にかけた国旗を持つのは上司か部下(サイクロンが旗を奥様に渡していた)棺にトライデントやウィングバッジを最初に埋め込むのは僚機兼親友(you are forever my wingmanのメッセージ)とかあってもうダメ泣


⑤イースターエッグが多い

無印の1:26:01あたりで卒業式でアイスが首席でもらった盾、今回2人が再会するお部屋にかざってあったね…最後のハグしたときにぼやけて見える。

F-14盗んでの空中戦、第5世代戦闘機がやべぇ!ってときルースターがいう”Come on Mav, do some of that pilot shit”は無印のグースと同じセリフで情緒がぐちゃぐちゃになったよ。

ハングマンがジュークボックスでかけた曲はナンバー86、そのあとマーヴェリックが放り出されるけど86ってお客様おかえりください(またはクレジットカード通らない)の店内コードなんですよ。無印も19"86"公開。そしてかけた曲は Foghat “SLowride”でハングマンは “I love this Song!”っていいながら「のろまなルースター」を煽ってる笑

F-14での戦闘で機関銃にスイッチして「残りあと33発!」ってなるとこ、本来映画は2019年公開予定で、無印から33年後でした。

マーヴェリックとペニーが飛ぶ飛行機(おトムの私物)機体に”LG”ってペイントしてある。エンディングはLady Gagaの”Hold my Hand”

監督色んなところにイースターエッグしこんでるな!


⑥設定がずるい

コシンスキー監督がマーヴェリックの脚本づくりで海軍のアヴィエイターにとって最凶な作戦とは?と聞いたら出てきたのがあの低地飛行山越え作戦だそうな…あれを夜に実行するのは無理オブザ無理、成功確率1%きるらしいので笑ってしまった。映画では舞台を昼に変えてるけど、ムチャブリ作戦で実機を操縦した米海軍のアヴィエイター、とんでもない腕ですね。実機の後部座席に俳優たちを乗せて飛ばしたらしいですが、体験できるのうらやましすぎる(みんなゲロゲロ吐いてたらしいたけど)ジョセフ・コシンスキー監督自身、飛行機戦闘機オタクと自負しているんでおトムとこだわりポイントの歯車があったんでしょう。奇跡ナンバー3はこの映画だよ、うん。

元海軍トップガンの教官、F-14/F-16/F-18/F-35パイロットたちがサン・デイエゴで最速試写みたときの感想が面白かったのでメモしておきます

・実際の機体で体感したのは最大11G 、F-18なら8Gはストレスなしでのれる
・(今野良F-14に乗ったとして、エンジンスタートできる?という質問に)一番最後にのったのは1993年だけど、片目つぶって片手でもできますよ(微笑)
・Su-57、ロシアの第5世代ステルス戦闘機がでてくるのは無印もそう(MiG-28)あの時も敵国は特定していない、今回は敵地にF14があるのでイランや中国のエッセンスがはいってるっぽい
・実際に俳優が機体に乗り込んで撮影しているので無印よりリアルさが何倍もグレードアップ
・海軍行きつけバーでのベルを鳴らされる=みんなにいっぱいおごる文化はある、バーによってルールは異なる(帽子をかぶるな、帽子をバーカウンターにおくな、携帯を置くな、など)今回は女性へのリスペクトが入ってて素晴らしかった!


⑦時計の話をさせてくれ

無印では1970年代のPorsche Design Orfina Chronograph Black-PVDをしていたマーヴェリック。今回も劇中では確認できなかったのですが、リリース写真をみるかぎり同じモデルっぽいのをつけてたようです。
*追記 ポルシェ時計、ブラッカイマーが当時のモデルをずっととっておいて、撮影時におトムに貸し出したらしい。マーヴェリックの国旗ジャケットもおトムが保管してたとか

マーヴェリックのこのショット、映画では使われないよね

ルースターやボブはIWCのSFTIを着けてるし、ホンドーが本番2分15秒アタックのときに空母でみるストップウォッチ(未発売)もIWCでした。SFTIはStrike Fighter Tactics Instructor の略。お値段は87万円!
IWCはほかにもモデルウォッチを出しており、モハヴェ砂漠をイメージしたサンドカラーのやつがあります。価格帯があってお手軽なほう、18万円か…頑張って買うか、とカートにいれようとしたら183万1500円と402万6000円でした。たすけてマーヴェリック(クレカがはじかれる音)

⑧主題歌の話

エンディングでガガ様の♪Hold my hand~の頭の歌詞でマーヴェリックがペニーの手を握ってるとこ、主要キャラを順番に映してくる、みんな笑ってる、劇中であまり笑ってないキャラは別撮りした笑顔をいれてくる(サイクロン中将とケイン少将)が完璧に無印と同じだし、最初にアイスマンが写って私は毎回脳内号泣

⑨総評

オープニング 5000万点
突然のCSI 5000万点 (The Whoかかる訓練初日)
突然のM:I 5000万点
配役リプレゼンテーション 1億点
脚本、音楽 5000万点
旧作リスペクト 5億点
鐘の音 1億点
カワサキバイク 1億点
結論 オールタイムベスト(採点不可)
20代の頃ボストンで海軍の兄ちゃんたち見かけて「トップガン!トップガンじゃないか‼︎」とルームメイトとナンパしてぞろぞろとフェンエイパークのバーで飲んだくれて You’ve Lost That Lovin’ Feelin’ 熱唱したのホント青春だったな…というくらい無印が好きだったのでもう人生のご褒美としかいえません。
今回の映画、専門用語以外はびっくりするほどシンプルな会話づくしで英語話者なら10歳、いや6歳でも内容わかるようにできてるのはすごいと思う(アイスの携帯やパソコンでの会話とか顕著)ブロードに考えるとオーディエンスのペルソナは、年齢性別関係なく、空を夢見たいひとたち。もちろん旧作ファンへのリスペクトを添えて。オープニングの音楽も字幕のフォントも同じだったのは思い切ったな!実はもう少し暗いオープニング(空母で出発前にTalk to me Goose とつぶやいて海をみつめるマーヴェリックの場面からはじまる)も検討されてたけど無印をなぞったのは大正解。ここまで書きましたが、14,000文字こえた映画感想は初めてです。これからの人生、本作を何度も見ながら生きていけるのが本当にうれしい。ありがとうトム・クルーズ、本作に関わったすべてのひと、無印を愛してるひと、マーヴェリックからはいったひと、空を飛びたいと思っているすべてのひと、これを読んでいるあなたにもありがとう。

#細かすぎて伝わらないトップガンマーヴェリックの好きなところ


・ダガー2スペア!なハングマン ハングマンをとっておくマーヴェリックの気持ちわかるんだよな…チームワークぽんこつの点もあるけど自分に似ていて腕も良い軍人はプランBを率いるべし(自分が失敗した時のために)海軍のPatch Wearers 記事を読むとハングマンのキャラが「きちんと描かれてふるい落とされた」のがよくわかる。
The skilled aviators who come through TOPGUN are some of the most humble in the Navy. It’s a place where egos are left behind if you’re going to succeed. 熟練した海軍飛行士ほど謙虚であり、成功に導くためにはエゴは捨て置く必要がある。
If you can’t trust the guy next to you, you’re ultimately not going to be able to accomplish that mission なぜならー隣にいる人間を信用できないと、任務の遂行ができない、というシンプルな理由。ハングマン腕は優秀だけどチームワークでぽしゃってたから。ルースター役に落ちてやさぐれてマネージャーにも「トムの電話取りつがないで」ってなってたけどブラッカイマーとおトムが本当にいい役を用意してくれたの、よかったね!

・ブランドわかんないけどルースターの着てるアロハ、よくみたら鶏っぽいのがいる

・本部の入り口に飾ってあるアイスマンとマーヴェリックの伝説の写真とそれを毎日見させられているだろうサイクロンの内心苦虫を嚙み潰したような気持ち(作戦前)

・When Maverick asked why are they all “dead” after first training, he told them not give him any excuses but they need to tell everything that pilot has to the other pilot’s family. Great leadership, applause!!

・Maverick was covering Rooster and got hit by SAM missiles, that scene was beautiful as Angel Wing Flare

・Hangman being soooo cocky at Hard Deck saying “Penny, Dear! “ reminds me Maverick of 1986 I bet if he were playing Rooster he’d be so much fond of Mav he could never be Angry Rooster

⑪おまけ

軍事オタクの方の感想がとっても面白いので読んでください。
ダークスターはライトスタッフ(エドハリスが出演してる)のオマージュだってこれ読んで気づいたよ笑


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