見出し画像

ジャック・カーリィ「百番目の男」

2005年発行のサイコ・サスペンス、現在5巻まで刊行中の刑事カーソン・ライダーシリーズ。1作目の「百番目の男」から勝手に妄想配役してみます。

連続放火殺人を解決、異常犯罪担当部署に配属された刑事カーソンには誰にもふれられたくない暗い秘密があった。だが連続斬首殺人が発生、事件解決のためカーソンは過去と向き合わねばならない・・・死体に刻まれた奇怪な文字に犯人が隠す歪んだ意図とは何か?


◆舞台となるアラバマ州

アラバマを舞台にした話といえば、89年にアカデミー賞受賞した「ドライビング・ミス・デイジー」、「メラニーはいく!」など。「フォレスト・ガンプ」エビ漁の港が、主人公カーソン・ライダーが住んでいるドーフィン島だったはず。


◆魅力的な登場人物

・カーソン・ライダー

 主人公。モビール市警警察本部刑事、29歳、6年かけて大学卒業後、モビール市警に就職。通称PSIT->精神病理・社会病理捜査班に所属。エイドリアン放火事件を解決に導き巡査から一足飛びに昇格。メキシコ湾を一望できるドーフィン島に母の遺産で一軒家を購入。

イメージはJGLこと皆大好きジョセフ・ゴードン・レヴィット


・ハリー・ノーチラス

ライダーのパートナー。アラバマ州立刑務所で、卒論研究で訪問してたライダーをひっかけ、こちら(警察)へ導いた張本人。結婚生活は崩壊寸前。肉体派だが、”ミルク絞り”という名の情報収集が大得意。ふたりのたまり場は警官が集まる<フラナガンズ>か、<ケーキズ・ラウンジ>

イメージはL.L.Cool J。ディープブルーでも大活躍だったね!


・アヴァ・ダヴェネル

検視局の病理学者。無愛想だが腕は若手のなかでも一流。連続斬首事件の検視を担当し、カーソンとのご縁がはじまる。

小柄で青白い女性がファイルを調べていた。、ハツカネズミのように静かだったので、僕は存在に気づいていなかった。肩に届く黒い髪、フクロウのような眼鏡。

イメージはデイジー・リドリー。スターウォーズのレイ役の新人


・ジェレミー・リッジクリフ

連続殺人犯で精神病棟の患者。カーソンに執着しており看守の目をかいくぐっては電話をかけてくる。いっつもハイテンション。配役むずかしかったけど、安定のイーサン・ホークにします。

プレディステネーションで百面相してくれました


◆くせになる文章

海外小説を選ぶときのポイントとしてよく上がるのは、翻訳が肌に合うかどうか。ちなみに私は「検屍官ケイ・スカーペッタ」シリーズを書いた故相原真理子さんが好きでした。本作はところどころ、頭をひねる翻訳(作者の意図?)はあって、原書で読みたいなと思うことはありますが。あと猟奇殺人がテーマなうえ、アンダー・ジョークが多いので、40ページあたりをめくってみて、「うえぇ・・・」となるひとにはお勧めしません。。


何度か読み直すうちに、クセになるジャック・カーリィの言葉遊び。たとえば、カーソンがハリーと被害者が出入りしていたゲイバーに捜査に行った際。

「そのとおりだ」バーテンダーは拳を上下させて前腕の筋肉を盛り上がらせた。まるで皮膚の下でステーキが格闘しているようだ


放火された新聞社の編集長と、カーソンの会話。

「ナンバー・プレートは?その車をおぼえていたのは、あこがれのマシンだから?」
「それもあるわね。でも、うちの向かいには古着店とつぶれたコインランドリーしかないでしょ、あの車は似合わない。なんだか、そこだけはずれた一音みたいだったのよ


獄中のジェレミー・リッジクリフから狂った電話を受けたあと、ダウナーになる僕=カーソン。

テレビはジェレミーに許されているわずかな贅沢のひとつで、学者並みの集中力でニュースを研究したのだろう。僕はキャンドルの火を吹き消し、カウチに寝ころがり、クッションに顔をうずめた。ようやく訪れた眠りは浅く、ネズミと燃える絹のにおいに満ちていた


犯人のひとりごと。

パン切りナイフーーママのパン切りナイフ。ママの焼くパンはおいしかったが、ありつくには行儀よくしていないとならなかった。おしっこをもらしたから、一切れもパンをもらえないところだ。澄まし屋が!!


ひとり暮らしのカーソンの食事が<チーズ入りのひき割りトウモロコシと、アンドゥイユ(ソーセージ)、ベースは小豆と米>だったり、煮詰まると家の前に広がるメキシコ湾を泳いでたりと、キャラ描写が面白い。お約束だけど、過去にとらわれてるがゆえに、才能を発揮する主人公カーソン。悩んでると相棒のハリーにつつかれる。

むかしの針金にがんじがらめにされていると気づいたら、どこにいくにもおれを連れていけ、いいな?」
ハリーの言い回しにどきりとさせられた。
「むかしの針金?どういうことだ?」
ハリーは目をそらして、ギアを入れた。
「自分からちぎれてしまうなよと言っているだけだ」


以上、勝手に妄想配役でした。さて、二作目の「デス・コレクター」を読み直すぞ!







いただいたサポート費用はnoteのお供のコーヒー、noteコンテンツのネタ、映画に投資します!こんなこと書いてほしい、なリクエストもお待ちしております。