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不確実性

記録媒体としてのnoteは続けるとして、モヤモヤした思いを残しておこうと思う。

cakseは牧村朝子さんの「ハッピーエンドに殺されない」を購読するために登録しているが、cakesの記事全般はあまり目を通していない。恋愛脳にあこがれていた頃は林伸次さんの「ワイングラスの向こう側」、雨月メッツェンバウム次郎の「それでも僕は、外科医をやめない」初期読者だったけれど、ある時期から男女の恋愛模様に興味が薄れてしまいパタッと読まなくなってしまった。

上田啓太もcakes連載をもっているが個人ブロガーとして書かれていた「真顔日記」でパン屋のおばさんにオシャレな問いかけをされた村上春樹ごっこをしたり、セブンイレブンを想いながらファミリーマートに抱かれる泥沼関係妄想してたころが一番刺さっていた(残念ながらcakesの文章はピンとこない)

cakseは1000名をこえるクリエーターを抱えていて色んな記事が読めるが(決して豊富とはいわない)イケダヤハトから家入レオ、伊藤聡にエスムラルダとごった煮感が強い。これだけあればなんかしら読みものみつけられるだろうと作り手の思念を感じる。ただし情報過多が過ぎてお気に入りだけ読みに行くなんていう私のような読者が大半だと思う。

ひるがえってnote媒体は気になる記事や書き手をフォローしておけばなんとなく似たような案件が上がってくる。近年は企業も進出しコロナ禍においては東京都まで利用をはじめたので一種LINEのようなコモンプラットフォームになりつつある。東京都構造改革推進チームの記事は面白いので、都民なら読んでおいたほうがよいです(いい面でも悪い面でも)


noteは個人のブログとしても企業広告やバリューを打ち出すSNSとしても使えるので個人的には継続したい。たまに競馬とか恋愛工学(要は悪質なナンパ論)とかで有料noteがあるけど、このあたりは取り締まってほしい。

悩みは親媒体のcakesが載せる記事の編集がいまいちという点。

冒頭にリンクしたばぃちぃさんのnote、すべて読んだうえでの感想を述べると、cakesの編集のゆるさ、淡泊さがでているなという感じ。noteは私のようないち素人が書く媒体でもあるので、この手のゆるふわさは出てしまうのだろうけど上記のエッセイ(記事ではないね)にcakesクリエイターコンテスト優秀賞をあげる点が、ちょっとわからない。

ひっかかったのはこの辺かな。

・ばぃちぃさん夫婦の美術大卒というバックグラウンドからホームレスの「おじさん」とアートを紐づけられないか?という視点にたどり着く不思議さ(芸術はなにから生まれるものでもないけれど、なぜそこを?)

・ホームレスの人々のQOLをあげるボランティア活動の傍ら、かれらの生活を共有してもらい「クリエィティブ」な点にフォーカスしている

・インスタグラムや古いコンロを与えて「彼らになにができるか」を観察

noteのサポート費用で食料を届けたり住居の修理や自家栽培の野菜で食のサイクルをつくりだす試みはよい

ホームレス人生ゲームは笑えないのでこちらの視点でつくるものではないのでは…

・貧困、セーフティネットから漏れたひとのネガティブな点にあまりふれずに「世俗に縛られず貧しくとも豊かに生きているおっさん」vs「おっさんに元気をもらう私たち」でみせる構造

ばぃちぃさん夫婦が取り組んだプロジェクトが今回のような文章じゃなく、「ホームレスの生活をみつめる写真展」とかだったらどうなんだろう、あそこまでモルモット扱いしてると書かれただろうか。彼らは3年前からホームレスの人々を支援もしてるし向き合ってはいる。そのなかで「彼らをこうしたい」「創作活動の糧にしたい」っていう意図が見え隠れしてしまうのか。

かれらが「アート」にこだわって最終的にホームレスにたどり着いたのが私には謎だった。ホームレスの人々をわざわざ河川敷まで行って探し出し、コンテンツを生み出す道具を与えたりインスタグラムで「ホームレスご飯」を撮らせたりするのが「生み出す」立場を利用しているようにとれるかも。クリエイター賞受賞といわれると非常にアンフェアというか、シニカルな話だなぁと感じる。だからといって社会的弱者、マイノリティはみせものじゃないんだよ!と殴るのも違うし。

ビッグイシューをたまに買い、微力ながら海外のホームレスの人々を支援する活動に携わってる身としてはすごくいたたまれない件だった。今回のばぃちぃさん夫婦のように支援をしてないひとが文句だけいうのは簡単だからだ。

最後にホームレス支援や関連書籍にかかわってきた方の意見をはっておく。この方の意見がいちばん腑に落ちた。「考えさせられた」で終わらせるのではない、他人の意見をうのみにせず己で考えてアウトプットすること。今回はその覚書。

さまざまな感想があるのは当然ですが、大多数の感想を「唯一無二の解答」にするのは恐ろしいことです。自分自身で考えて判断していきましょう。そして編集者&作家としては、今回のような事態に直面することは珍しいので、ぜひ取材に活かしてほしいと思います



こちらも参考までに。


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