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【辛抱強く】プレミアリーグ第6節 アストン・ヴィラ×マンチェスター・シティ|マッチレビュー|

前節2試合連続ハットトリックを達成したハーランドの活躍もあり6-0で快勝したシティ。2連勝で迎えた今節はアストンヴィラ。アストンヴィラといえば、昨季最終節。あの奇跡の大逆転優勝を演じた相手だ。

それでは簡単ではありますが試合を振り返っていきましょう!

▪️ヴィラが準備したSB対策▪️

ペップシティのビルドアップでキーマンになり特徴的なのがSBの立ち位置だ。

相手の配置に合わせてSBが中に、外に、高い位置に、低い位置に立ち位置を変える。

今季は右SBカイル・ウォーカーが今まで以上にインサイドに絞ってボールに関わるプレーも見せている。相手チームは蓋を開けてみないと分からない状態になっている。

そに為どうシティのSBを抑えるかが、シティのビルドアップを阻止する上で重要になる。

それではこの試合ヴィラが準備したSB対策を見ていこう。

ヴィラの全体配置は4-3-1-2もしくは4-3-2-1と中央に多くの人をかけた配置となった。

攻撃に違いを出せる中盤のコウチーニョやブエンディアはベンチスタート。中盤3人にはドウグラス・ルイス.カマラ.マッギンが並び、ジェラードがこの試合に込めた狙いが配置と人選で少し伺えるものになっていた。

前線は3枚横並びになったり、2トップとトップ下で逆三角形を形成してアンカーを消しながらCBへのプレスに出る振る舞いを見せた。

シティのこの日の後方の配置は3バック気味だった。ウォーカーは中盤センターに絞るではなく、最終ラインに絞って後方3バックに。左SBカンセロは高い位置に上がってフィニッシュフェーズでの仕事も与えられた。

シティが後方3バックになるとヴィラの前線は3枚が横並びにしてプレスを噛み合わせて行った。しかし前に出れば中盤アンカーのロドリが空いてしまうので特にラムジーは中盤のスペースを埋めながら、SBのウォーカーへプレスに出た。

ラムジーが上手く中盤をケアしながらウォーカーのボールへちょっかいを出しボールを拾い上げるシーンもあったが、それ以上にシティがこのヴィラのプレスを逆手にとってゴールへ迫っていった。

▪️デ・ブライネが。後半はベルナルドが。▪️

ヴィラのプレッシングを把握して、IHのデブライネが動き出す。

ヴィラの中盤が3人ということで開きやすいエリアがある。それが大外のレーン。WGはヴィラのSBに密着してくることを逆手に、ベルナルドは深い位置をとる。それにより中央からサイドに流れたデブライネのスペースが担保される効果にも。

大外で前向きになったデブライネから鋭いビールがヴィラのゴール前へ放り込まれる。前半このエリアからのクロスをギュンドアンが合わせて決定機を作り出した。

そして後半に入ると今度はベルナルドがこの弱点利用してさらに揺さぶりにかかった。

前半デブライネがサイドに流れて利用していたエリアにベルナルドが落ちてボールを引き出す。ヴィラのSBはシティのWGを監視する役割を与えられていたが、どこまでもついていくわけにはいかない。なぜなら自分が守る背後のスペースが気になるからだ。前に出過ぎてハーランドやIHにサイド背後を使われてしまったらたちまちピンチを招く恐怖があるからだ。

ヴィラSBの心理を読み取ったかのように、ベルナルドが下がってプレスの届かない位置でボールを引き出した。

そして50分、ベルナルドが大外で前を向くとドリブルで斜めに侵入→デブライネがハーフスペースから外へオーバーラップ→スルーパス受ける→デブライネの高精度高速クロス→ハーランド合わせる!

見事に均衡を破るゴールをゲットしたシティ。


この形はプレミアリーグ第3節クリスタ・パレス戦でも見られた。

ここからシティのギアは一段階上がり攻勢を強めていったが、追加点は奪えなかった。

▪️辛抱が実った同点弾▪️

アストンヴィラはこの試合前にリーグ3連敗と調子を落としていた。そんなチーム状況の中先制点を奪われたら一気にテンションは下がりそうだ。しかも相手はプレミア王者。しかし、彼らは最後まで決して諦めることなく辛抱し、僅かなチャンスを信じ続けた。

ペップも試合前「調子を落としている状況ではなく、調子がいい状態でアストンヴィラと戦いたかった」というニュアンスのコメントをしていた。ペップには嫌な予感があったのかもしれない。その予感が現実となってしまったのかもしれない。

前半、そして先制点を奪ってからシティは幾度となくゴールチャンスがあった。しかし2点目を奪えない。

CBミングスはハーランドに質で劣らず。また途中投入されたアシュリー・ヤングがフォーデンをシャットアウトしたのも大きかった。そして最後の砦GKマルティネスも流石の働きを見せシティの攻撃を辛抱強く耐えていった。

ヴィラはボールを奪うと長いボールをトップのワトキンスへ送り込む。ワトキンスは持ち前のボールを納めるプレーでヴィラの前進、シティのトランジションプレスを交わす重要なプレーを見せた。

そして74分シティのクリアボールを拾いショートカウンター発動。左からラムジーがドリブルで侵入しペナルティエリアへ横パス。それに勢いよく走り込んだのがレオン・ベイリーが左足一閃。シティのゴールへ同点弾を突き刺した。

おわり

試合のスコアはこのまま動かず1-1ドローに終わった。アストンヴィラの守備は非常に固く、辛抱強く最後までシティに追加点を与えなかった。

準備したシティのビルドアップ対策が素晴らしくハマったとはいかなかったが、最後は各選手の頑張りやスキルでシティの攻撃を最小限に抑えた。

シティにとっては焦ったい試合だったかもしれない。こういう試合をどう勝ち切るのか。また新たな課題が見つかった。

そしていよいよチャンピオンズリーグがミッドウィークに始まる。怪我人も重なり不安要素もあるが、ベンチで燻る選手たちの奮起も楽しみにしたいところだ。

さぁ世界最高峰の舞台もう間も無く帰ってくるぞ!今シーズンも多くの感動、ドキドキを我々サッカーファンに大いに見せてくれるはずだ!楽しみ、楽しみ!

2022/09/01 プレミアリーグ第6節
アストン・ヴィラ1-1マンチェスター・シティ 
得点者:ハーランド.ベイリー

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